【夷陵の戦い】なぜ劉備は陸遜にフルボッコされたの?大敗北を考察

2016年6月20日


 

はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし

父・関羽とともに亡くなる関平

 

劉備(りゅうび)関羽(かんう)を呉の裏切りによって失います。その後、劉備は呉に対して復讐戦を計画しますが、趙雲(ちょううん)などの重臣たちが猛反対します。

 

イケイケムードで呉を滅ぼそうとする馮習を気にいった劉備

 

劉備はこれらの反対意見を押し切って、呉を討伐すべく出陣します。劉備軍は呉の領地に侵攻すると無人の野を行くがごとく連戦連勝でした。

 

劉備

 

しかし三国志好きなら知っている通り、夷陵の地で陸遜(りくそん)軍の火計を受けて劉備軍は壊滅的な被害を受けて大敗北します。劉備軍はなぜ連戦連勝していたのに大敗北をすることになったのでしょうか。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



夷陵の戦いとは?

関羽 激怒

 

そもそも夷陵の戦いはなぜ行われたのでしょうか。その原因は呉の裏切りが原因です。呉は蜀を裏切り、関羽がいなくなった荊州方面の攻略を開始。その後関羽を討伐し、荊州を自らの物にします。

 

 

朝まで三国志 劉備

 

劉備は呉の裏切りによって自分の義兄弟であった関羽が殺された事に激怒します。そして呉に復讐をするため出陣を決意しますが、配下達の猛反対を受けます。しかし劉備は家臣達の猛反対を押し切って呉へ侵攻を開始したことがきっかけで、夷陵の戦いが勃発することになります。

 

関連記事:夷陵の戦いで敗北した劉備は呉と再戦するつもりだった?敗戦後の劉備を考察

関連記事:もし夷陵の戦いで劉備が勝っていたら三国志は後世に残らない?

 

はじめての三国志Youtubeチャンネル2

 

 

 



夷陵の戦いの敗因その1【呉の領地に深く侵入しすぎた】

陸遜 劉備

 

劉備軍は呉の領土に向けて侵攻を開始します。呉の領土に侵入すると荊州南部にいた異民族などが劉備軍の味方になり、どんどん兵力は膨れ上がっていきます。そして呉の城を次々と陥落させていきます。

 

呉軍が弱いと勘違いして進軍を進める馮習と劉備

 

この時、呉の城は兵数が少なく、荊州方面からの援軍もほとんど来ない状態でした。そのため劉備軍は無人の野を行くがごとく、次々と呉の領土内の城を陥落させていき、知らず知らずの内に呉の領土の奥深くに侵攻していくことになります。

 

陸遜

 

 

その後陸遜(りくそん)が火計を用いて劉備軍の陣地を焼き払った事で、劉備軍は大混乱をきたし、壊滅的な損害を受け、退却していくことになります。

 

蜀軍を誘い込んで一網打尽にする計略を考えつく陸遜

 

もしこの時、劉備が自軍の領地の近くでとどまって陸遜の動きを観察していれば、このような大損害を受けずに、退却できたかもしれません。呉の領地の奥深くに侵入したことが、夷陵の戦いの大敗北を起こした原因の一つとして数えられるのではないでしょうか。

 

関連記事:もうやめて…!劉備の黒歴史がまた発見される!?三国志の主人公の消された過去

関連記事:え?劉備は意外にも経済に明るい人物だった?孔明の北伐が継続できたのは劉備のおかげ!?

関連記事:曹操と劉備はどうしてライバル扱いなの?【三国志の素朴な疑問】

 

 

陸遜特集

 

 

夷陵の戦いで大敗北した原因その2【呉軍の水軍の侵入を許した】

三国時代の船 楼船

 

劉備が夷陵の戦いで大敗北した原因のその2は呉の水軍の侵入を許した点です。呉軍は劉備の退却路を塞ぐ為、長江上流へ水軍を進めた後、劉備軍の背後にある陣地に火計を行います。この背後からの攻撃により、劉備軍は大混乱を起こし、退却がスムーズに行われませんでした。

 

黄権

 

劉備が呉の領地へ侵攻する前に、配下である黄権(こうけん)は劉備に対して「長江は流れに任せて下るときは進みやすいですが、退却する時は非常に難しくなります。そのため私に先鋒を任せていただき、陛下にはあとから進んでいただけませんか。」と進言しております。しかし劉備はこの進言を取り上げず、黄権を魏の備えに充ててしまいます。

 

この時黄権の進言が取り上げられていれば、ここまでの大敗北を喫することはなかったのではないでしょうか。

 

関連記事:三国時代の船はどうなっていたの?三国志の海戦は目的別に船が用いられていた

関連記事:黄権(こうけん)ってどんな人?劉備から絶大な信頼を得ていた人物

 

夷陵の戦い

 

 

夷陵の戦いで大敗北した原因その3【大軍を動かす経験が少なかった】

劉備玄徳が眩しい理由 三国志

 

劉備は蜀の皇帝となる前までは各地で戦の日々に明け暮れており、戦の経験は豊富でした。その証拠に夷陵の戦いに出陣する前には、兵士を訓練させ、補給路も準備周到に用意した後に呉へ出陣をしています。

 

漢中王になる劉備

 

しかし劉備の欠点は大軍を率いて戦った事があまりの少ない事でした。劉備は数々の戦に出ていた為、戦の経験は豊富でしたが、大軍を率いての戦いは数えるほどしかありません。

 

そのため少数の軍勢を率いての戦いであったら、普通の将軍よりも強かったのですが、大軍の戦いとなると、能力を発揮できなかったのではないでしょうか。

 

関連記事:夷陵の戦いで出てくる劉備の陣形の問題点ってなに?陣形は不適格だった?

関連記事:夷陵の戦いで勝つには?呉に対してどうするべきだったのか?

 

 

伝説の企画 朝まで三国志 最強のワルは誰だ

朝まで三国志1

 

 

夷陵の戦いで大敗北した原因その4【陸遜の戦術】

陸遜

 

夷陵の戦いの時の呉軍の総大将は陸遜でした。彼は劉備軍を領内に引き込むため、わざと蜀との国境にある城へ援軍を送ることはしませんでした。そのため劉備軍は怒涛の如く呉の領土の奥深くに侵攻を行います。

 

陸遜に騙されている事に気づいていない馮習と劉備

 

そして呉が領有している荊州の領地は後方の江陵だけとなってしまいます。陸遜は劉備軍の陣が伸びきっている事を確認するため、一度だけ呉軍の主力を率いて攻撃を行います。この攻撃で劉備軍の陣地が伸びきっている事を確認し、さらに劉備軍の陣地が火計に弱い事まで見抜きます。

 

陸遜の火計に嵌ってしまい戦死する馮習

 

その後陸遜は水軍をひそかに出陣させて、劉備軍の後方に移動させた後、火計を用いて劉備軍に大勝利を果たします。このように色々と戦術面において、陸遜が劉備に勝っていた事が敗北した原因の一つに挙げられるのではないかと思います。

 

関連記事:陸遜(りくそん)ってどんな人?100年に1人の呉の逸材

関連記事:やり過ぎー!!!元祖、曹操オタクは陸遜の孫だった!?陸雲(りくうん)ってどんな人?

関連記事:三国志時代のペット事情が興味深い!陸遜の孫も犬を可愛がっていた!

 

伝説の企画 朝まで三国志 最強の軍師は誰だ

朝まで三国志2

 

 

三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

このように色々な原因が折り重なって劉備軍は夷陵の戦いで大敗北することになります。この敗因のどれか一つでも取り除くことが出来たのであれば、劉備軍が陸遜に勝つことができないまでも、あのような大敗北を喫することが無かったのではないでしょうか。「今回の三国志のお話はこれでおしまいにゃ。次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう。それじゃあまたにゃ~」

 

関連記事:現代医学からみた劉備玄徳の死因…驚愕の真実が発覚!!

関連記事:孔明の死後から三国志の統一までをザックリ紹介

関連記事:【悲報】泣いて馬謖を斬る!は嘘だった?馬稷の死は敗戦の責任のみでは無かった!?

 

三国志主要戦図一覧

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

-三国志の雑学
-, ,