【ビジネス三国志】孔明の大逆転!既成概念を破壊してチャンスを掴め

2016年6月20日


 

天下三分の計

 

秦の始皇帝以来、中華は一つであるというのが中国人の共通認識でした。

その当たり前の基礎に立ち、魏の曹操(そうそう)は、

着々とライバルを打ち倒し、赤壁で大敗はするものの、

天下の三分の二を支配して、事実上の大手を打っていました。

しかし、辺境の蜀の宰相になった諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)

この既成概念を打ち崩します、これが世に言う天下三分の計です。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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どうして、孔明・劉備は蜀漢を興したのか?

姜維と孔明

 

圧倒的に優勢な魏に対して、蜀、そして呉は、連合しても

国力では魏においつかないという非常な劣勢に追い込まれていました。

曹丕(そうひ)は、曹操の死後に後漢のラストエンペラー、

献帝(けんてい)に禅譲を迫りついに新王朝、魏を建国してしまいます。

 

それに対して、呉の孫権(そんけん)は、十八番のひよりを炸裂させて、

曹丕によって、呉王に封じられて形式上、魏の臣下になります。

 

しかし、孔明と劉備(りゅうび)は、孫権の真似をして魏の配下になろうとはせず、

曹丕に対抗して、蜀で劉備が即位して蜀漢を建国します。

 



孔明の狙いは、価値観を分裂させる事

孔明

 

 

一見すると、曹丕に対抗する為に、やったように見える蜀漢の建国ですが、

実は、ここには、従来の既成概念を崩壊させようという孔明の狙いがありました。

 

もし、蜀漢が建国されないなら、蜀は、ただの反乱地方政権に過ぎません。

曹丕が、従わない蜀を討伐すると軍を興せば、正義は曹丕の側にのみ、

存在するという事になってしまうのです。

 

そこで、孔明は、自分達も国を建国する事で、曹丕の大義名分を

無効にしてしまいます。

もちろん、曹丕は、蜀なんか無効だ!と言い続けますが、

それなら、お前たち、魏だって無効だ!と孔明は言い返します。

 

それを見ている天下の人々は、一体どちらが正義なのかと考え、

価値観を混乱させてしまいます。

 

こうして秦の始皇帝以来の、中国は一つの王朝、一人の天子という

大原則はブッ壊れてしまい、孔明の思惑通り、

皇帝が三人いても問題なーい、価値大混乱の時代が来るのです。

 

孔明は、本来非難されるべき、大原則の破壊者という悪徳を

逆手にとり、「天子は3名いてもよい」という新しい、

概念を天下に植え付けてしまったわけです。

 

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価値観を混乱させ、新たな需要を産め!孔明が与える教訓

孔明 矢

 

 

孔明の狙いは、現代のビジネスにも大いに活きると言えます。

それは新しい需要を産むのには、既成概念を破壊するのが近道だからです。

例えば、どんなアイテムでも100円で売る百均ショップは、

商品の固定価格を崩壊させてしまいました。

 

昔なら500円くらいしたハサミですが、今は500円出して

買う人はなかなかいないでしょう。

100均に比べれば高いと感じてしまうからです。

これこそ、価値観の崩壊であり、新しい概念の創出なのです。

 

こってりした食べ物に後ろめたさを無くす コラーゲンという言葉

 

今では、美肌成分として認知されたコラーゲンは、

本来、ただのたんぱく質の一種です。

ただ、肌を造るたんぱく質である事から摂取する事で美肌になる

と言われだし、今日では美肌成分とされています。

 

その情報の真偽はさておき、このコラーゲンという言葉は、

こってりした料理が好きだけど、カロリーが心配で、

食べなかった女性や、すっぽんのような親父の食べ物に、

関心があるけど、恥ずかしくて注文できなかった女性に

「これを食べるのは美肌の為、何か文句ある?」

という堂々とした大義名分を与える事になりました。

 

現在では、少しこってりしていても、そこにたんぱく質が含まれる

というだけで、どんな料理もコラーゲンの一言を忘れません。

そうすると、食欲旺盛な女性が、大勢来るからです。

 

これも、こってりした食べ物はカロリーが心配という概念を

美肌になるから食べていいという新しい概念で打ち崩して

需要を掘り起こした典型例でしょう。

 

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居酒屋に女性客を呼び寄せる女子会という概念破壊

 

従来、居酒屋は男性向けの施設でした。

女性は、どちらかと言うと、合コンの時に来るとか、

つまり、男性の随伴者がいないと入りづらい場所でした。

 

それはつまり、女性だけで居酒屋で飲んでいると、

「いい年して、酒飲む男友達もいないんだな・・」

という冷たい視線を向けられた事を意味します。

 

ところが、最近は女子会という、女性だけで居酒屋に集まり

本音トークを炸裂させるという飲み方が市民権を得ました。

居酒屋も、女子会客を集めようと、あの手、この手で

サービスを展開しています。

 

これも、つまりは、「男がいないと入りにくい」居酒屋の常識を

「女だけで楽しく本音トークして何が悪いの?」という新しい

概念で破壊して一般化してしまったのです。

 

世間の常識には反発する人がいる、それを見抜け!!

孔明

 

人間は無意識に常識に縛られるものです。

そして、本当は反発心があっても、それを公然と言う事が出来ません。

孔明は、「魏が天下を取った」という事実に不満を持つ人々の声を

吸い上げ、それを「皇帝は一人でなくてもいい」という新しい、

概念の中に引き込む事に成功したのです。

 

例えば、「男がスイーツを食べるなんて恥ずかしい」という

既成概念に縛られて、洋菓子専門店に一人では入れない、

スイーツ好き男子用に、コンビニでスイーツを売り始めたコンビニの戦略は、

「男だって甘いモノが食べたい」という密かな反発を掬い取った

アイデアと言えるでしょう。

 

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三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

世の中の常識や既成概念は、永久不変ではありません。

二昔前は、スキンヘッドなんか、坊さんか、ヤクザかでしたが、

今ではファッションで定着しています。

 

中華は一つという当時の常識を破壊して、

三国鼎立を可能にした孔明も、皇帝が3名いて、

何が悪いと開き直り乱世に活きる活路を見出したのです。

 

皆さんも、世の中の当然を疑い、それを少しひっくり返す事で、

爆発的な需要を掴めるかも知れませんよ。

 

本日も三国志の話題をご馳走様・・

 

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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