架空戦記
HMR

はじめての三国志

menu

三国志の基礎知識

132話:もうやりたい放題!曹叡の乱心で魏の暗黒時代へ突入

この記事の所要時間: 226




孔明過労死

 

諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)の死は、

蜀ばかりでなく、周辺国にも衝撃を与えました。

特に北伐による侵攻を受けていた魏では孔明の死後、名君だった

曹叡(そうえい)の態度に大きな変化が発生していきます。

それは、やがて、魏の実権が曹氏から司馬氏に移る切っ掛けになるのです。

 

前回記事:131話:新宰相・蔣琬(しょうえん)により変貌する蜀

はじめての三国志:全記事一覧はこちら




大宮殿を造営し、浪費を繰り返す曹叡

曹叡

 

孔明の死後、国家存亡の重圧から解放された曹叡の態度に変化が生じます。

それまで、質素、倹約に勤めていた曹叡が、もはや後顧の憂いなし

とばかりに大規模な宮殿造営に踏み切ったのです。

 

それに対しては、いまだ乱世である事から、多くの反対意見が出ました。

高堂隆(こうどうりゅう)、王粛(おうしゅく)、司馬懿(しばい)など

重臣が何度も曹叡に民衆の負担になる大工事は止めるように諫言しています。




朕に逆らうのか!ますます大土木工事にハマる曹叡

宮殿 労働者

 

しかし、曹叡は諫言を受け入れるどころか逆上し、

自分に諫言した重臣達まで工事に駆りだすようになります。

毎日、数万人が動員され、そこには貴族や学生まで含まれていました。

こうして洛陽宮の修理、昭陽殿、太極殿の造営、総章観の増築などを

曹叡は矢継ぎ早に実行しました。

 

馬鈞

 

曹叡の宮殿は、ただデカイだけではなく、技術者の馬鈞(ばきん)等を使って

大がかりなカラクリなどを仕込み、贅沢を尽くしていました。

曹叡以外から見れば、どひんしゅくモノの無用の長物だったのです。

 

こうして、曹操(そうそう)曹丕(そうひ)時代に貯め込んだ富は

みるみる使い尽くされ、魏の人々は、不要な工事に動員され

生活は次第に苦しくなり曹叡を恨み始めます。

 

後宮に次々と美女を入れはじめる

曹叡 美女

 

曹叡の暴走は止まりません、大土木工事と並行して、

各地から美女を集めて後宮を満たすようになりました。

それは数千人という単位にのぼり、財政を圧迫する事になります。

 

そこには、大国魏の皇帝に相応しい威厳をという考えもあったでしょうが、

つい、最近まで蜀との戦いで多額の軍事費を使っていた魏には、

全く痛い出費になりました。

 

兵士の数を確保する為に、女性を強引に離婚させる

曹叡

 

さらに曹叡は、魏帝国を完全に守備するには兵力の安定供給が

必要不可欠という持論を展開していきます。

 

それは、確かにその通りなんですが、、

その為に曹叡は、兵士の階級に所属している女性が、

兵士以外と結婚する事を禁止し結婚している場合には離婚させて、

兵士と再婚させるという強引な政策を取ります。

 

個人の幸せにまで無理やり介入するやり方は非難轟々ですが、

もちろん曹叡は止めません、そればかりか離婚させた女性の中に美女がいると

また自分の後宮に入れてしまうという公私混同を開始します。

 

関連記事:三国志の時代の結婚事情とはどんなもの?古代中国の不思議な恋愛観・結婚観

関連記事:三国志の結婚事情、不公平?女は早く嫁がないと罰金があった

 

父と同じ過ち、毛皇后を自殺に追い込む

曹叡

 

曹叡は平原王時代に、寵愛した毛氏を正妃に迎えていました。

しかし、皇帝に即位後、新たに郭氏を迎えた曹叡は

彼女に夢中になり、次第に毛氏への寵愛を失います。

 

西暦237年、曹叡は、嫉妬深くなった毛氏を

嫌うようになり郭氏や女官達と宴を楽しみます。

 

その際、毛氏の恨み事が面倒になった曹叡は、

「今日の宴は毛氏には、教えてはならぬ」

女官達に口止めしました。

 

ところが何故か、毛氏はその事実を知り、

曹叡に恨み事を言ったので激怒した曹叡は、

宴に参加した女官を皆殺しにし、さらに毛氏まで

自殺に追いやってしまったのです。

 

かつて、父である曹丕も曹叡の生母である甄(しん)氏への

寵愛が薄れ、これを殺した事がありますが、それと同じ事を

曹叡もやってしまったのでした。

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

曹叡は即位以来、合肥の戦いでは自ら親征して孫権を挫くなど、

英邁な君主として期待される存在でした。

ところが、最大の脅威だった孔明の死で緊張の糸が切れたのか、

その統治の後半生は滅茶苦茶なものになっていきます。

 

それは、曹氏から人望が離れる、ひとつのきっかけになる事件でした。

 

次回記事:133話:公孫淵の反乱と司馬懿の台頭

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:【三国志歴史ミステリー】魏の二代目皇帝・曹叡(そうえい)は誰の息子か分からない!?

関連記事:魏の2代目皇帝・曹叡(そうえい)はいったいどんな仕事をしていたの?

 




kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 114話:蜀キラー陸遜、劉備を打ち破るための不気味な沈黙
  2. 【架空戦記】時空を超えた対決!韓信VS 諸葛亮孔明の一本勝負
  3. 白起(はくき)ってどんな人?|キングダムでお馴染みの六大将軍
  4. 強力な曹操の脅威に呉・魯粛と蜀・孔明の思惑が一致
  5. 曹操も劉備もこれで学んだ?漢の時代の教科書と学校
  6. 【歴代名馬史上最強戦】赤兎馬と騅ではどっちが凄い?
  7. 桃園三兄弟の別れ 関羽の死から夷陵の戦いまでを辿る
  8. 110話:関羽の悲報に復讐に燃える劉備

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 劉邦の配下は悪党ばかりで最悪な軍だった?【後半】
  2. 秀吉&官兵衛、大助かり、湿地帯の高松城は簡単に水攻めできた?
  3. 【第3回 幻想少女】驚愕の事実発覚!三国志フレンドが私にはいなかった!【ネタバレ注意】
  4. 戦国最強の同盟を成立させた名軍師・太原雪斎(たいげんせっさい)の活躍
  5. 陳登(ちんとう)とはどんな人?劉備や曹操に認められた大才の持ち主
  6. 村上義清(むらかみよしきよ)とはどんな人?武田家キラーとしてその名を馳せた戦国武将

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志の書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

簫何(しょうか)とはどんな人?内政なら私にお任せ!影で劉邦を支え続けた漢の三傑の一人 徳川家が豊臣を滅ぼすきっかけとなったのはどんな理由だったの? 楚の荘王が残した「鳴かず飛ばず」【五分でわかる春秋戦国時代の名言】 人材大好きの曹操が欲しがるほどに惚れた敵将は誰? 孫策が生きていたら三国志はどうなったの? 96話:孔明の計略炸裂!馬超は劉備の軍門に下る 【はじめての孫子】第9回:其の疾きことは風の如く、其の徐なることは林の如く 【5分で分かる】意外と知らない孫呉滅亡のきっかけ

おすすめ記事

  1. 呆れた!油断も隙もない!孔明にもつばをつけていた曹操?
  2. 人材を使いこなす事で天下を取った劉邦
  3. 藺相如(りんしょうじょ)とはどんな人?三大天の一人!趙の名宰相であり廉頗のかけがえのない親友(3/3)
  4. 【俺たちだって五虎将だ!】魏の五虎将たち~楽進・于禁篇~
  5. 三国志の人々の精神に影響を与えた論語(ろんご)って何?
  6. 袁紹本初(えんしょう・ほんしょ)とはどんな人?曹操の最大のライバル
  7. 三国志の時代にもいた遊侠(ゆうきょう)とはどんな人達のこと?
  8. 三国志ベストコンビネーション賞!感心・感動したコンビ10選

はじさん企画

帝政ローマ
広告募集
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
PAGE TOP