キングダム
姜維特集




はじめての三国志

menu

はじめての蜀

献帝死亡説を利用した?劉備が漢中王に即位したのは孔明と法正の入れ知恵の可能性が浮上!

劉備にアドバイスをする法正




劉備玄徳が眩しい理由 三国志

 

劉備(りゅうび)は西暦220年、成都で即位して蜀漢を建国します。

しかし、よくよく考えると、漢王朝復活を標榜した劉備献帝は存命中にも関わらず、

皇帝に即位しているわけでそれって失礼ではないでしょうか?

実は、そこには、献帝死亡説を利用した劉備の策略がありました。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:法正は名軍師だったの?性格が最悪な徳性なき蜀の天才参謀



劉備、漢中王に即位する時には、献帝に打診する

献帝 恩賜の御衣

 

痩せても枯れても後漢は存在する限りはカリスマです。

袁術(えんじゅつ)のようなラディカリストは、兎も角、一般の諸侯は

実質はどうあれ、州牧や州刺史の地位を得られるように上奏しているのです。

それは漢王室を恐れるというより、その瑕疵を政敵に宣伝され、

不忠者の烙印を押されるのを恐れたからでした。

 

法正と夏侯淵

 

劉備は、西暦219年に、定軍山で夏侯淵(かこうえん)を討ち取り、

漢中を得て献帝に使者を派遣して漢中王の位を求めています。

これも、黙って即位して不忠者と批判されるのを免れる為の

劉備の深慮遠謀だったりするのです。

 

朝まで三国志ラフ89

 

このように劉備は、内心は、曹操顔負けの真っ黒くろすけながら、

政敵に挙げ足を取られない強かな手を打っていきます。




漢中王即位の上奏文は、どんなもの?1

劉備

 

劉備は、群臣が道義を元に漢中王に即位しろとうるさいので、、

という前置きを何度も強調した上で以下のような上奏をします。

 

「私は愚かで非才の身で三軍を指揮しておりますが、

未だに難敵を排除できず頭の痛い毎日を過ごしております。

思えば、董卓が暴虐の限りを尽くしてより、各地は賊で満ちましたが、

陛下の御威光の前に、それらは氷のように溶けて全て倒れ、

現在は、ただ、曹操のみが暴虐を欲しいままにしております。

 

私は昔、車騎将軍、董承と組んで、曹操を排除しようとしましたが、

失敗、結果、皇后様が害され、皇子様まで殺害されました。

その後、同盟を結んで曹操を倒そうとしましたが、いまだ、

実績が上らず、悔しい思いをしている所です」

 

こちらは上奏文の前半で、劉備が非才ながら、曹操を倒して、

漢室を救う為に四苦八苦している様子を書いています。

 

 

漢中王即位の上奏文は、どんなもの?2

曹操

 

上奏文の後半で、劉備の本当に言いたい事が明らかになります。

 

「私の群臣は、かつて漢の同姓の藩屏が漢の天下を助けた事を頻りに申します。

曹操が漢の天下を窺う野心は隠しようもありませんが、いかんせん、

現在の漢室には有力な藩屏がおらず、故に曹操に有効な打撃を与えられません。

そこで、群臣は、古来の式に則り、私を大司馬・漢中王としたものです。

もちろん、私は我が身を省みて、役不足である事は重々承知していますが、

乱世で、この任にあたる以上、我が身を砕いて奮戦する覚悟です。

つきましては、群臣の勧めに従い、印璽を拝受し、同時に帝より以前頂いた

左将軍・宜城亭侯の印綬を返還いたしたく存じます」

 

藩屏(はんぺい)とは劉氏の姓で王族として各地に割拠した小王国を意味します。

前漢では、呂后(りょこう)の死後、小王国の王族は周勃(しゅうぼつ)や

陳平(ちんぺい)と協力して、呂氏を誅滅していますから、劉備は藩屏として、

後漢を全面的に防衛し曹操を排除したいと言ったのです。

 

献帝は返還された印綬を受け取りますが、色々な事情で漢中王の地位は与えず

大司馬のみ任命しますが、もちろん、そんな事は劉備の知った事ではなく

そのまま漢中王に即位します。

 

関連記事:陳平(ちんぺい)とはどんな人?詐欺師か、天才軍師か?謀略の達人

関連記事:1800年前の古代中国に鉄軌道跡を発見、燃料不足解消か?長安から漢中までの鉄軌道

 

西暦220年、献帝に死亡説が流れる・・

曹丕皇帝

 

西暦220年、10月、曹丕(そうひ)は献帝に禅譲を迫り即位します。

その時、何がどうなったのか?曹丕は献帝を殺して帝位を奪った

というような死亡説が流れたのです。

 

曹植

 

これは、曹丕の性格から、本当だと信じられ、曹植(そうしょく)や硬骨漢で知られた

蘇則(そそく)まで信じて哭礼をしたというので、広く流布したデマでした。

そして、この噂は益州まで伝わります。

 

関連記事:意外!実は剣術家だった曹丕の自叙伝が凄い

関連記事:曹丕はどうやって後継者争いに勝ち残って魏の初代皇帝になれたの?

 

蜀書、先主伝のおかしな記述・・

朝まで三国志 劉備

 

劉備はその伝聞を聞いて怒り、喪に服した上で献帝に孝愍(こうびん)皇帝を追諡。

そして、滅んだ後漢を引き継いで蜀漢を建国します。

まあ、一連の流れはいいとして気になるのは、蜀書、先主伝の赤字の記述です。

 

二十五年、魏文帝稱尊號、改年曰黄初。或傳聞漢帝見害

先主乃發喪制服、追諡曰孝愍皇帝。

 

この記述では、或る伝聞では漢帝が殺されたと見ゆるとしています。

いやいやいや!オカシイでしょう、こんな重大な情報を或る伝聞で済ませるとは

しっかり裏を取らないと間違いだったら、勝手に追諡して自害モノですよ。

どうして、信憑性を確認しないのか?本当に後漢に忠義を尽くすなら、

陛下は生きているに違いないと捜索くらいするでしょう・・

 

劉備は孔明や、法正と謀り、デマに乗った・・

法正

 

これは、どう考えても、劉備のおっちょこちょいではありません。

恐らく、劉備や孔明や法正は、どうやら伝聞はデマで献帝は生きていると

知っていながら、皇帝に即位するのに都合が良い、献帝死亡説を受けいれて

騙されたフリをしたのだと考えられます。

 

だからこそ、誰にも罪を背負わせないように、或る伝聞として、

誰情報か分らないようにしたのでしょう。

もちろん、後で献帝が生きていると知っても、最早、即位したので

引っこめられない、で押し切るつもりだったのでしょう。

 

関連記事:三国志ライターkawausoが魏を斬る!蜀が中華統一をする方法

関連記事:どうやったら蜀は魏を滅ぼして天下統一を果たせたの?【ろひもと理穂の考察】

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

曹丕は、禅譲という形式を踏まえ、献帝から位を奪った後も、

様々な特典で、後漢を重んじる態度を取りましたが、

帝位を奪ったという悪名は消しようがありませんでした。

それに比べて、献帝死亡説に乗って、曹丕を罵り、ちゃっかり即位した

劉備には、何らの傷もついていないです。

事実は、敢えて、デマに乗った不忠者に違いないにも関わらず!

 

こうして見ると、劉備は要領が良い、悪党だなとつくづく思います。

いや、もしかして、孔明と法正の腹黒さの方が上だったのかも・・

 

本日も三国志の話題をご馳走様です。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:三国志時代に降伏や降参するときはどうやってサインを出していたの?

関連記事:【素朴な疑問】三国志時代はどうやって兵士を集めていたの?

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. こっそりお教えします!NHK大河ドラマの通な見方。歴代大河ドラマ…
  2. 【キングダム&300ファン感涙】架空戦記第2弾ギリシャ最強スパル…
  3. 桃園の誓012 蜀が好きな皆さんへ!五分で分かる桃園の三兄弟の逸話を紹介
  4. 魏の皇帝になった曹丕 109話:曹丕が献帝を廃し魏を建国
  5. 三国志の英雄たちの詩を調べたら司馬懿ヒドすぎワロタwww
  6. 騎馬兵 騎馬軍団 2話:無敵の騎馬軍団を初めて軍に取り入れた趙の武霊王
  7. 【週刊文春も驚き】後漢時代のメディア事情はどうなっていた?後漢時…
  8. 曹嵩 曹嵩(そうすう)はどこの誰なのか?徐州大虐殺の切っ掛けにもなった…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 年を取った司馬懿
  2. 張飛の男気人生
  3. 周瑜くやしい 呉

おすすめ記事

  1. 【孔門十哲】冉有(ぜんゆう)とはどんな人?ちょっぴりネガティブな手腕家
  2. 孔明だけじゃなかった!?呉にも天下三分の計を唱えた人物がいたってホント? 天下三分の計
  3. もし関羽が曹操の元に留まり劉備の元に戻らなかったらどうなっていた? 関羽に惚れる曹操
  4. 【記念】ファンの皆様ありがとう、はじめての三国志5周年突入!
  5. 【教えて中国朋友!】劉備が阿斗を投げたのはどうして?
  6. 李恢ってどんな人?北伐を物資面で支えた南中統治のスペシャリスト 孔明君のジャングル探検

三國志雑学

  1. 周瑜の魅力
  2. 羊コと信頼の関係を築く陸抗(りくこう) 羊祜
  3. はじめての三国志 画像準備中
“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 担がれる劉邦
  2. 孔明君のジャングル探検
  3. 皇帝になった徳川慶喜
  4. 長安(俯瞰で見た漢の時代の大都市)
  5. はじめての三国志 画像準備中

おすすめ記事

エリート袁術が逃げ込んだド田舎の揚州に住む異民族とはどんな民族だったの? 曹爽討伐に成功後の司馬懿の対応が神ってる 一騎打ちをする太史慈と孫策 取ったど~!太史慈、孫策の兜を奪い取っていたことが判明 宋江、史進、李逵、魯智深、林冲、武松、楊志(水滸伝) 【金瓶梅】ってどんな本? 四大奇書だけど淫猥すぎて発禁になった奇書 三国志はなぜ日本で人気なの?中国人も驚く日本国民のヒーロー論に迫る 弩(ど)を発射させる蜀兵士達 【衝撃の事実】三国志でよく使われていた弩が日本で流行らなかったのは日本人がガラパゴス脳だったから 関羽を討ち取る陸遜 どうして呉は同盟国の蜀・関羽を裏切ったの? 王允と呂布 王允(おういん)ってどんな人?中華を救うべく董卓暗殺に成功するも…残念な結末を迎える

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集
“西遊記"

“三国志人物事典"

PAGE TOP