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執筆者:kawauso

【キングダム】用心深い男、王翦の幸せな最期を大胆予想

この記事の所要時間: 359




王翦

 

キングダムで一番、不気味な人物と言えば、桓騎(かんき)を抑えて

王翦(おうせん)でしょう、勝つためには残虐な手段さえ辞さない桓騎を

はるかに超えて、「必ず勝てる戦にしか興味はない」と言い切る王翦には、

常人には読めない策略を淡々と実行して、非情を通り越し「無感情」に

勝利を掴むという味方さえも不安にさせる、冷酷な恐ろしさがあります。

 

そんな不気味さには定評がある王翦の最期とは

一体、どのようなものになるのでしょうか?

 

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春秋戦国時代において誰よりも卑屈だった王翦

王翦

 

キングダムにおいては、謎めいた実力者であり王位さえ狙うと

噂されている王翦ですが、史実の王翦は、戦争に強いという点以外は、

キングダムの王翦とはまるで反対の、とても卑屈な人物でした。

それは、同僚で王翦よりも遥かに手柄を立てた天才将軍の白起(はくき)

宰相、范雎(はんしょ)の讒言により、無実のまま自殺を余儀なくされた様子を

目撃していたからです。

 

(敵を相手には、百戦百勝であっても、味方に妬まれたり、

疎まれたりすれば、王に讒言され、それで命を失う・・)

 

それを知った王翦は、度重なる戦果を挙げながら、

常に低姿勢で手柄を誇るような事をせずに息を殺して生きています。

実際に卑屈であるというより、卑屈に徹して保身を図ったのです。




若手の台頭に隠居を願い出る王翦の用心深さ

王翦

 

紀元前236年に史書に出現してより、趙を撃破して滅ぼし、燕を滅ぼし、

手柄を立て続けた王翦ですが、彼が誰よりも恐れたのは敵ではなく秦王政でした。

史実の秦王政、後の始皇帝は猜疑心が強く、臆病で用心深く一度部下を疑うと

決して猜疑心を解かず、後で理由をつけて殺してしまうヤツです。

 

ですから、用心深い王翦は、まず疑われないように細心の注意を払います。

紀元前225年、秦王政は楚を滅ぼそうと軍を興しますが、

この時、王翦は秦王政から、

「幾ら兵力があれば楚を滅ぼせるか?」と質問されます。

 

用心深い王翦は、「六十万」と返答しましたが、それは秦のほぼ全軍でした。

さすがに咸陽を空には出来んと思った政は、今度は李信(りしん)に質問します。

すると血気盛んな李信は「二十万で充分」と答えます。

 

政は李信の勇敢さを喜び、楚の征服を李信と蒙恬(もうてん)に任せます。

同時に六十万と消極的な意見を述べた王翦を「耄碌した」と見做しました。

 

耄碌(もうろく)とは用済みだという意味です。

このままでは命が危うくなると考えた王翦は、

即座に隠居を願い出て許可されます。

 

隠居すれば、兵力を全て返上するので軍事的脅威ではなくなります。

秦王政は、これで王翦を処分する事を思い止まりました。

 

なんでもないやりとりですが、即座に隠居する事で、

王翦は始末されるという危機を回避したのです。

 

李信と蒙恬の敗北で隠居から引き戻される王翦

信 キングダム

隠居を願い出る位ですから、王翦はそれなりの年齢だったのでしょう。

やれやれ、これで一身を全うできたと思ったのも束の間、

王翦は、紀元前224年、秦王政に呼び戻される事になります。

 

楚に攻め込んだ李信と蒙恬の二十万が大敗し命からがら秦に逃げてきたのです。

おまけに、その後を追い、項燕(こうえん)が猛烈な勢いで大軍を率いて、

函谷関(かんこくかん)に攻めよせます。

秦王政は、この事態を解決できるのは、王翦しかいないと考えて、

隠居した王翦に頼み込んで復帰させ、六十万の大軍を与えました。

 

しかし、王翦は、敵である項燕を撃破する方法よりも、

秦王政に疑われない事を優先して考えていました。

 

秦王政が呆れる程に恩賞を催促する

政 キングダム

 

王翦は、六十万の大軍で函谷関に向かう途中に、

しつこい程に、咸陽に使いを出し、豪華な邸宅や美田を求めています。

さらに隠居したら、子孫を引き立ててくれるようにもお願いしていました。

そのあまりのしつこさに、王翦の部下は苦言を呈しました。

 

「そのようなプライベートの事は、項燕を破った上で求めた方が

宜しいのではありませんか?」

 

ですが、王翦は言いました。

 

「ワシは今、秦の全軍を手に握っておる、、

もし、函関谷で項燕と和睦して、

咸陽を攻めたら秦はひとたまりもないだろう

秦王は、内心それを恐れている。

だからこそ、ワシはそんな野心など微塵もない

恩賞と子孫の栄達しか頭にない小者であると

秦王に印象づけねばならんのだ」

 

事実、咸陽では、王翦に六十万の兵を預けるのは危険だと

讒言する群臣が多くいましたが、秦王政は笑って首を振ります。

 

「王翦は沢山の恩賞を受けて、早く隠居したいと矢のような催促だ、

あやつが裏切るような事はない」

 

こうして、政の猜疑心をかわした王翦は、項燕の疲れを待って、

函谷関を打って出て楚軍を散々に撃破し、紀元前222年までには、

広大な楚の地を全て平定します。

 

無事に隠居し、王賁、王離へと家督を継ぐ

王賁

 

紀元前222年以後、王翦の記録はない事から、隠居したのだと思われます。

家督は息子の王賁(おうほん)が継いだようで、彼は通武侯に封じられました。

早くに始皇帝と切れたのが幸いしたのか、始皇帝の死後に吹き荒れた、

宦官、趙高(ちょうこう)の功臣大粛清からも逃れたようで、

王翦の孫の王離(おうり)が、章邯(しょうかん)と共に

陳勝(ちんしょう)・呉広(ごこう)の乱の鎮圧に当たっています。

 

このように、三代に渡り記録が残されているケースは秦末では

珍しく、王翦の処世術が子孫にも伝わったお陰かも知れません。

 

キングダムウォッチャーkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

古来、幾千の英雄が死ぬ時には、味方により殺されるケースが多いです。

李牧(りぼく)だって無敵の軍略がありながら、佞臣・郭開(かくかい)

何とか出来ずに、讒言により殺されてしまうのです。

敵なら殺せばいいのですが、味方はそうはいきません。

 

いかに敵を造らず、活躍し、一身を全うするかが一番難しいのです。

そういう意味では、王翦は手柄を立て、栄誉に包まれて天寿を全うした

本当の名将だと言えるでしょう。

 

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三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

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