【ビジネス三国志】曹操、黄蓋、孫権から学ぶ性格を見抜かれない上司になる方法

2017年4月23日


 

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会社組織は、一つの目的に向かっていく様子や、時として何年も同じスタッフで

仕事をする事もあるので、疑似的な家族のような雰囲気になる事があります。

それは、それでリラックスして仕事が出来、言いたい事も言えるというメリットも

ありますが、それが過ぎると馴れ合いになり仕事の緊張感が消えてしまいます。

そのような場合に、組織をピリッとさせるのはチームリーダーの役割です。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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上司は部下に性格を読まれてはいけない

 

長年、同じ職場にいると、部下は上司の性格をそれとなく見抜いてしまいます。

例えば、毎週水曜日は、上司が朝に部署を出て戻るのは夕方というパターンを

繰り返していると、毎週水曜日は部下にだらけた仕事をされる事になります。

 

或いは、非常に報・連・相に厳しい上司でも、厳しいのはそれだけであり

それ以外は緩かったなら、連絡と報告だけは、ちゃっちゃと済ませてしまい

あとは、サボるという事も可能になってしまいます。

このような時、上司は部下の手の平で踊らされているのです。

それは部下に内心では軽く見られているという事に他ならないのです。

 

常に意表を突いて、部下を落ち着かせない曹操

 

三国志の群雄達にとって、部下に侮られるのは死活問題でした。

敵に侮られるなら、それを逆に利用も出来ますが部下に侮られては、

とても質が高い仕事をさせる事は出来ません。

魏の基礎を築いた曹操(そうそう)は、常に意表を突いて

部下をピリピリさせる事については名人でした。

 

曹瞞(そうまん)伝によると、曹操は或る時にお気に入りの妃に、

「少し寝るから時間になったら起こせ」と命じて眠りました。

約束の時間になりましたが、妃は曹操があまりにもぐっすりと寝ているので

可哀想に思い起こさずにそっとしておきました。

 

しばらくして自然に目覚めた曹操は、妃に時刻を聞き彼女が命令通りに

起こさなかった事に激怒し、いきなり刀を抜いて切り殺したのです。

 

それを伝え聞いた曹操の部下達は戦慄し、仕事はピシッと締まったのです。

どんびきの逸話ですが、僅かな命令無視も許さない曹操の性格は、

部下の誰も予想出来ず、それだけに効果絶大だったのです。

 

人任せのボンクラ上司と思わせておいて・・黄蓋の逸話

 

赤壁の戦いで活躍した黄蓋(こうがい)は、石城県の行政を見る事になりました。

そこは、盗賊の害が酷い所で、武官の黄蓋でないと収まらなかったのです。

しかし、黄蓋が武官で内政には疎いので、西曹掾(じょう)と東曹掾の

二名の掾を呼び出して仕事を委任します。

 

この西曹掾と東曹掾は、軍政を敷いている県に置かれている

人事局長クラスで収入はそれほどでもないのですが、

三国志の登場人物は多く経験している、いわゆる行政職の登竜門です。

 

「俺は武功で出世したから、行政は不慣れだ、お前達二人に、

仕事の取りまとめは任せるが、もし、仕事に虚偽や不正があったら

杖刑では追いつかないから、そう思うように」

そう言われて、最初は仕事に励んでいた二人ですが、

しばらくして、黄蓋が文書には一切、目を通していない事を知ります。

(しめしめ、あの武官は、何から何まで俺達に任せているようだぞ)

 

こうして、二人は黄蓋の目を盗んで、自分勝手な仕事をやり始めます。

ところが、黄蓋は、そこまで甘くはありませんでした。

二人の掾が不正をしていると知ると、黙って書類を集め証拠を固めて

ある時、酒宴に二人を呼び出して、証拠を突き付けたのです。

 

顔面蒼白の二人は土下座して許しを請いますが、黄蓋は、

「最初に杖刑では追いつかぬと言ったであろう!」と一喝して処刑します。

 

それを知った石城県の役人達は震えあがり、不正は姿を消しました。

或いは黄蓋は、毎回、こうしてボンクラ上司を装って、それにつけ込んだ

部下を処断していたかも知れません。

 

これも部下に自分の本心を悟られない上司の知恵なのです。

 

あえて蛮勇を奮い決定を印象づける 孫権

 

孫権(そんけん)が統治した呉は、魏や蜀と違い、豪族の寄り集まりの国でした。

その為に孫権に求められるのは、断行する能力より調整能力であったのです。

しかし、赤壁の戦いにおいて、孫権は張昭(ちょうしょう)や張紘(ちょうこう)の

ような降伏派の意見を退け魯粛(ろしゅく)周瑜(しゅうゆ)の主戦派の意見を

採用しました。

 

ところが、豪族連合である呉では、それでも重臣が口々に降伏を勧めます。

孫権の地位が弱く意見が尊重されない土壌があった事が分ります。

江表伝では、それに怒った孫権が剣を引き抜いて机の角を切り捨てて、

「もう私の意志は決まった!これ以上言うなら机と同じ運命だ」

と宣言して降伏派を黙らせています。

 

普段、温厚で怒る事がない孫権が非常な怒りを示した事で馴れ合いにあった

呉の豪族達はピリッと緊張し、呉は一枚にまとまるのです。

 

これもリーダーに取って必要な能力と言えるでしょう。

 

ビジネス三国志ライターkawausoの独り言

 

なめられるのと慕われるのは違いますし、物事を円滑に収めるのと、

対立を恐れて問題を見ないフリするのも違います。

それぞれが対等の立場なら意見をまとめるのは難しいですが、

上司が存在する会社組織では、それは上役の力で何とかする事なのです。

 

自分の性格を部下に知られなければ、部下は要領よく振る舞う事が出来ず

常に職場ではピシッとして全力で働かないといけません。

親しまれてもつけ入る隙は与えないのが賢い上司と言えるでしょう。

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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