ログイン | 無料ユーザー登録


キングダム
徐庶


はじめての三国志

menu

三国志の雑学

【三顧の礼】演義の劉備は誰でも口説くあわてんぼう!

朝まで三国志 劉備


はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし

短剣を持った劉備

 

正史三国志には、劉備(りゅうび)諸葛亮(しょかつりょう)を三度も訪問して自分の幕僚(ばくりょう)に加えたという話があります。

新入りの諸葛亮劉備にちやほやされるようになると、

古くから劉備に使えていた関羽(かんう)張飛(ちょうひ)たちは面白くなく、ぶうたれます。

すると劉備は彼らにこう説明しました。

「私にっての孔明(こうめい)諸葛亮)は魚にとっての水のようなものなのだ」

劉備が三顧の礼を尽くして水を得たこのエピソード。

三国志演義では、劉備が参謀をゲットしようと焦るばかりに誰かれかまわず声をかけまくるという

おまぬけエピソードになっております。

 

※本稿で扱うのは三国志演義に書かれている経緯です。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:【三国志平話】三顧の礼の諸葛亮が仙人で居留守

関連記事:臥龍は起つ気まんまんだった!?三顧の礼のやらせ劇を詩から読み解くよ

 


 

予言「伏龍・鳳雛いずれかを得れば天下を安んず」

司馬徽

 

まずは劉備が参謀を欲しいと考え始めたきっかけから整理してみましょう。

この頃、曹操(そうそう)が皇帝の身柄を確保して天下をブイブイ言わせている一方で、

劉備は曹操軍に圧迫されて領地を捨てて逃げ出し、荊州の劉表(りゅうひょう)のところに居候をしていました。

劉表は劉備を客将として迎え入れたものの、劉表の配下たちは

劉備が荊州での存在感を増すことを恐れ、劉備を亡き者にしようとしていました。

ある日、宴会の席で暗殺されそうになったところをなんとか脱出した劉備が

郊外をトボトボと進んでいると、牛にまたがり笛を吹いている子供に遭遇しました。

 

子供「あんた、劉玄徳(りゅうげんとく)(劉備)だね」

劉備「なぜ私の名を知っている?」

子供「お師匠さまがいつも噂をしているのさ」

 

なりゆきで子供の師匠・水鏡(すいきょう)先生に会いに行くことになった劉備。

水鏡先生に会うと、あいさつもそこそこにグサリと言われます。

 

水鏡「ご高名はかねがね伺っておりますのに、どうしていまだにくすぶっておられるのですかな?」

劉備「はてさて巡り合わせが悪いといいますか……」

水鏡「運のせいではない。参謀(さんぼう)に恵まれていないからでしょう」

そして、水鏡先生はこの荊州にいい人材がいることをほのめかします。

伏龍(ふくりゅう)鳳雛(ほうすう)いずれかを得れば天下を安んずることができますぞ」

 


 

伏龍・鳳雛? なんならあんたでも!

劉備

 

ハッ! そうか! おいらがいっつもいいとこまでいきながらうだつが上がらないのは

いい参謀がいなかったせいなのか!

 

水鏡先生の言葉によって突如として参謀を渇望し始めた劉備。

その晩は水鏡先生の屋敷に泊まりましたが、伏龍・鳳雛のことが気になって眠れません。

すると、夜中に誰かが水鏡先生の屋敷を訪ねてきました。

 

客「劉表には見込みがあると思って会いに行きましたが、カスでした」

水鏡「きみは王佐の才を抱く者なのに、どうして劉表ごときに会いに行ったのだ!」

 

会話を盗み聞いていた劉備は、この客が伏龍・鳳雛いずれかに違いないと思い、

翌朝さっそく水鏡先生を質問攻めにします。

 

劉備「昨晩来たのは誰ですか?」

水鏡「(ハオ)(ハオ)

劉備「伏龍・鳳雛とは誰ですか?」

水鏡「好、好」

司馬徽

 

ハオ、ハオ、じゃねえ、このすかぽんたん! と胸ぐらを掴みたいのをぐっとこらえ

(というのは私の妄想ですが)、劉備は水鏡先生を拝み始め、

自分に仕えてくれるようお願いし始めました。

 

結婚相談所でお相手候補のプロフィールを見せにきた相談員の人に

いきなり求婚しちゃうみたいなあわてんぼうの劉備。

水鏡先生はもちろん断りました。

 

【はじめての三国志平話】
三国志平話

 

徐庶の思わせぶりな歌に食いつく

徐庶の思わせぶりな歌に食いつく

 

水鏡先生の庵を辞去し、自分の駐屯地に帰った劉備。

街で馬に乗っていると、隠士のような服装をした人が思わせぶりな歌をうたっています。

 

天地は反覆し 火は(ほろ)びんと欲す

大厦(おおいなるいえ)(まさ)に崩れんとするや 一木は(ささ)え難し

山谷に賢有り 明主に投ぜんと欲す

明主賢を求むるも (かえ)って吾を知らず

 

この歌の大意は、こんな感じです↓

 

火徳の漢王朝は滅びそうで、劉備さまお一人では支えがたいですよね。

賢い隠者の私が明主に仕えようと思っているのですが、劉備さまは私にまだお気づきでない!

 

この思わせぶりなコマーシャルソングにさっそくひっかかった劉備。

これぞ伏龍・鳳雛に違いないと思い、すかさず声をかけ自分の幕僚に加えます。

この人は伏龍・鳳雛いずれでもなく、その友人の徐庶でした。

徐庶は劉備のもとでしっかり役に立ちましたが、戦乱の影響で、

ほどなく劉備のもとを辞去しなければならなくなりました。

 

別れ際に、徐庶は自分の友人の諸葛亮を劉備に勧めます。

劉備「それは伏龍・鳳雛ですか??」

徐庶「鳳雛は龐統(ほうとう)のことで、伏龍はいま私がお話しした諸葛孔明(しょかつこうめい)のことです」

これを聞いた劉備は躍り上がって喜びました。徐庶との別れの切なさはどこへやら。


 

隠士っぽい=諸葛亮だっ!

 

劉備が諸葛亮の庵を訪問しようかと考えていると、劉備の家の門番からこんな報告がきました。

「高い冠をかぶり幅の広い帯をしめた常人ならざる容貌の方が門外におみえです」

これぞ諸葛亮だっ! と思って迎えに出ると、それは諸葛亮ではなく、

徐庶に会いに来た水鏡先生でした。(徐庶が去ったことを知らずに訪ねてきた)

 

その後、劉備は諸葛亮の庵を訪ねました。

しかし庵の門番に留守だと言われ、おとなしく引き返します。

帰り道で、隠士のような服装をしたイケメンが颯爽(さっそう)と歩いてくるのを見つけました。

劉備は “これぞ諸葛亮だっ!”と思い、いきなりイケメン氏の前に行ってお辞儀をします。

話してみると、イケメン氏は諸葛亮ではなく、その友人の崔州平(さいしゅうへい)でした。

 

劉備「ご高名はかねがね伺っておりました。ちょっと座ってお話ししましょう」

崔州平「将軍は乱を(しず)めようという志をお持ちのようですが、治世と乱世は繰り返すものですよ。

ジタバタと天運に逆らわなくったっていいんじゃないかなァ」

劉備「孔明先生はどちらへ行かれたのでしょうなぁ」

崔州平「さあねぇ」

劉備「崔先生、私のところへ来て下さい」

崔州平「いやです」

 

かなり簡略化しましたが、こんな会話をして、劉備は崔州平と分かれました。

崔州平の発言には劉備の役に立ちそうな要素は片鱗もないのに、

どうして配下に加えようとしたんでしょうか。

なんでもいいから隠士っぽいのを一人とっ捕まえてくれば

たちまち運気がアップするとでも思ったのかな……。


  

 

 

またしても友人トラップ

呂布と劉備と曹操の居酒屋

 

一度目の訪問は空振りに終わり、二度目の訪問に向かった劉備。

道中、通りかかった酒屋から二人の酔っぱらいが歌い交わす声が聞こえてきました。

 

「♪どんなに英雄がいたって明主に出会えなければなぁ~ ヨイヤサ♫」

「♪乱世に出て苦労するこたぁないじゃないか~ アコリャ

歴史に名を残そうなんて思わなければ一生安らかに過ごせるさ~ サノヨイヨイ♫」

 

歌が終わってゲラゲラと笑い転げる二人。

劉備は “これぞ諸葛亮だっ!”と思い(なんでやねん)、二人にお辞儀をして話しかけました。

 

劉備「どちらが臥龍(がりょう)先生(諸葛亮の号)ですか?」

二人「我々は臥龍の友人の石広元(せきこうげん)孟公威(もうこうい)です」

劉備「ご高名はかねがね伺っておりました。一緒に臥龍先生のお宅へ行ってお話ししましょう」

二人「お一人で行って下さい」

 

この人たちは “歴史に名を残そうなんて思わなければ一生安らかに過ごせるさ~”と歌って

“そうそう、そうだよなぁ!”と顔を見合わせてゲラゲラ笑っていたのですから、劉備の覇業に

役立ちそうもないのに、劉備ったらほんとにみさかいありませんね。

歌詞の内容が分からなかったのかな……。

 

こんどは弟トラップと舅トラップだ!

諸葛均

 

さて、酔っ払い二人にふられた劉備。諸葛亮の庵に着くと、今日はお留守ではない様子。

屋敷に入ると、炉の前に膝を抱えて座りながら思わせぶりな歌をうたっている少年がいました。

 

「♪(おおとり)(きり)にしか住まないyo! 士は明主にしか仕えなyay!」

 

劉備はこの少年が諸葛亮であると思い込み、さっそくあいさつをします。

しかしこの人は諸葛亮の弟の諸葛均(しょかつきん)で、おめあての諸葛亮は今日も留守とのことでした。

しかたなく屋敷を後にする劉備。すると、隠士のような風采をした人が驢馬(ろば)に乗って

歌いながら屋敷に向かってくるのが見えました。

 

「♪舞い散る雪は お空で戦う龍の鱗 天下はまっしろ 梅の花が痩せてしまったわ」

 

劉備は “これぞ真の臥龍だっ!”と思いあいさつをしましたが、これは諸葛亮の舅の黄承彦(こうしょうげん)でした。

諸葛均と黄承彦の歌は、さっきの酔っ払い二人と違って意識が天下のほうに向いていますから、

これを諸葛亮だと思うのはまあ分かりますね。しかしこの二人のことは勧誘しない劉備さん。

どういう基準ですのん。

 

三国志ライター よかミカンの独り言

三国志ライター よかミカンの独り言

 

この後、三度目の訪問で劉備はようやく諸葛亮に会うことができ、

諸葛亮を幕僚に加え、俺が魚であいつが水というような間柄になりました。

伏龍・鳳雛のことが気になり始めて以来、目につく隠士をことごとく“諸葛亮だっ!”と思い

声をかけまくった劉備さんは、どんなルアーにも食いつくみさかいのないお魚みたいで

面白いですね。

 

三国志演義の劉備は、諸葛亮の価値なんかちっとも分からないまんま

ゲットしようとしていたのではないでしょうか。

三顧の礼って、本当は、諸葛亮のほうが劉備をつかまえたのかもしれませんね。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:【三顧の礼】孔明トコの天才童子が劉備に冷たすぎる件

関連記事:64話:諸葛孔明の庵を3回尋ねる劉備、これが三顧の礼

 

【蜀のマイナー武将列伝】
魏のマイナー武将列伝

 


 

よかミカン

よかミカン

投稿者の記事一覧

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。

個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。

三国志小説『ショッケンひにほゆ』

【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】

何か一言:
皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。

妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。

読んで下さった方が こんなわけないだろうと思ってつい三国志を読み返してしまうような記事を書きたいです!

関連記事

  1. 司馬懿 【軍師連盟】司馬懿は遼東遠征の時なんで大虐殺をしたの?
  2. 曹丕 大都市西安の碑林博物館をよかミカンが見学したよ
  3. 魏延 周泰と魏延ってどっちが強いの!?呉と蜀の英雄を比較してみた
  4. 賈詡(賈ク) 賈詡は歴史を陰から操る天才である!世界史上稀にいるタイプだよね
  5. 【意外】古代中国では犬や山猫が鼠を捕っていた?
  6. 魏を破る朱然 徐盛と朱然は名将なのにマイナーな武将だった!?
  7. 郭嘉の本 武経七書(ぶけいしちしょ)って何? 兵家を代表する七つの書物
  8. 徐庶 徐庶くんはマザコンだった?劉備と孔明を引きあわせた立役者

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 薩摩藩の島津義弘
  2. 燃える本能寺
  3. 司馬昭
  4. 黒田官兵衛
  5. おんな城主 直虎
  6. 北宋末の政治家・童貫(どうかん)
  7. 宦官
  8. 孔明
  9. 魯粛
  10. 華陀

おすすめ記事

  1. 明智光秀が大河ドラマデビュー2020年麒麟がくる 明智光秀 麒麟がくる
  2. 公孫瓚の息子って残念な最後を迎えてたってマジ? 秦明
  3. 宝刀・七星剣(しちせいけん)?なにそれ?おいしいの?伝家の宝刀を分かりやすく解説! 七星剣
  4. 【2019年】はじめての三国志 新年のご挨拶 2019年のご挨拶 あけましておめでとう 正月 曹操 荀彧
  5. 夏侯覇が敵国に亡命できたのは劉禅と親戚だったから? 逃げる夏侯覇
  6. 【赤壁の戦いの結末】劉備・曹操・孫権はどんな事があったの? 黄蓋、赤壁の戦いでうっかり河ポチャ

三國志雑学

  1. 吉川英治様表紙リスペクト
  2. 劉備玄徳が眩しい理由 三国志
  3. 袁術と周瑜と孫策
  4. 竹林の七賢


“ながら三国志音声コンテンツ開始" “はじめての三国志コメント機能" “はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 朱然
  2. ボロボロになった馬超
  3. 周瑜と程普
  4. スーパーDr華佗
  5. 朝まで三国志2017-03 kawauso
  6. 桜島
  7. 袁術 伝説 ゆるキャラ

おすすめ記事

蒋琬(しょうえん) 諸葛亮には弟子はいない?孔明の後を継ぐことになった者たちを語ってみる 蒋琬(しょうえん) 131話:新宰相・蔣琬(しょうえん)により変貌する蜀 陸遜 「陸遜のことが大好き!」な人々がなぜこんなに多いの?最近のイケメン描写の横行を考察 三国志の計略02 賈ク 賈詡が献帝を完璧ガード!長安特別警備隊出動! 旧約聖書の創世記に出てくるノアの方舟の元ネタは古代中国にあった? 黄月英 黄月英(黄夫人)ってどんな女性だったの?孔明の妻を紹介 孫権に煽られて憤死する陸遜 陸遜の晩年が悲惨すぎる・・・陸遜は本当に憤死したのか? 【三国志RPG】DRAGON BLADE(ドラゴンブレイド)第1回 ドラゴンブレイドを攻略挑戦

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志

ながら三国志音声コンテンツ
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム はじめての三国志コメント機能
“水滸伝"

“三国志人物事典"

“ながら三国志音声コンテンツ"
PAGE TOP