杜預の性格がなかなか面白い!「破竹の勢い」でご紹介?

2021年1月17日


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杜預の性格(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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杜侯(杜預の祖父)を先に助けてくれ!

周瑜、孔明、劉備、曹操 それぞれの列伝・正史三国志(本)

 

そんな杜預のエピソードをいくつかご紹介しましょう。杜預がある日、橋をかける土木工事が必要な場所があると上奏しました。

 

荒れる黄河

 

その場所は川が荒れやすく、度々船が転覆する事故が多発していた場所です。これを周囲は「橋までかけることはない」としていましたが、杜預はこれに反論して土木工事を完了させました。

 

諸葛誕

 

杜預の祖父は嘗て、曹丕(そうひ)に命じられて諸葛誕(しょかつたん)と一緒に船を造り、テスト運行の際に暴風で船が転覆するという事故に合っています。この際に諸葛誕は自らも溺れながら「杜侯(杜預の祖父)を先に助けてくれ!」と叫んだと言われていますが、残念ながら杜侯は溺死、諸葛誕は意識不明の重体で助かりました。もしかしたら杜預が橋をかけさせたのは、船の転覆事故に思う所があったのかもしれません。

 

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鄧艾が大好きな杜預

田続をけしかけて鄧艾と鄧忠を殺害する衛瓘

 

また杜預は、鄧艾(とうがい)殿がだいすき(意訳)だったことも知られています。鍾会(しょうかい)の反乱時にどさくさに紛れて衛瓘(えいかん)が鄧艾を殺すということが起こりました。

 

衛カン(衛瓘)

 

これに鄧艾殿がだいすき(暴訳)だった杜預は怒り沸騰、人前で前であっても衛瓘のことを

 

衛瓘は死を免れない。身は名士、高い地位と人望を蓄えているのに、良い評判を立てられず、部下を統御することもしていない。器量が小さいくせに、君子の皮を被っている。その責務をどうやって全うする気なんだ」

 

と非難していたといいます。衛瓘は杜預に謝罪したと言いますが、その最期は杜預の言う通りなのは皮肉でしょうか。

 

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鍾会の乱

 

 

杜預は運動神経が悪かった

ポイント解説をするセン様

 

さて最後に筆者が杜預に親近感を抱いた一説を。杜預、運動神経が悪かったように言われています。馬に乗れず、弓も上手でなかったので、従軍の際には必ず将兵がついていたと言うのです。

 

騎馬兵にあこがれる歩兵

 

あの時代に馬に乗れない将軍……まるで小学生の頃逆上がりができなかった筆者(今でも無理かも)を思い起こされる……!とは言っても杜預の家は代々文官の家系であり、馬に乗る訓練をしていなかったのでしょう。

 

官渡の戦い 騎馬兵

 

現代でも馬術は訓練が必須のもので、30過ぎてやっと役職が回ってきて、50過ぎて戦に出た杜預がいきなり馬に乗れなかっただけかもしれないので、全て運動神経が悪いでは言い表せないかもしれませんが……それはまあ、謎のままということで。

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回は杜預についてお話してみました。

 

学問が好きな杜預

 

他にも左伝大ファンだったり、コンプレックスがあったりと色々な逸話を持っている杜預。知れば知るほど、面白く、ちょっとクセのある存在だったりします。皆さんもぜひこの機会に杜預について知ってみて下さいね。

 

参考文献:晋書列伝第四伝

 

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晋王朝のマイナー武将

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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