悪臣で有名な黄皓は「無能」ではなかった

2021年6月11日


 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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蜀の持った年数

北伐したくてたまらない姜維

 

もう一つは、姜維の北伐に関してです。姜維が北伐に執念を燃やしている中で、蜀の内部は疎かになっていき、そうして黄皓のような人物が台頭しました。そして黄皓の専横が始まったと言われる時から、17年ほどの月日が流れています。

 

ポイント解説をするセン様

 

逆に言うとそれだけの年月、蜀の国が国のままで保たれているのです。これ全てが黄皓の手腕ということはないでしょうが、国としての体を保てるほどの能力はあったことでしょう。

 

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劉禅

 

黄皓についての記録

鄧艾(トウ艾)と一緒に木を切り蜀に前進する鄧忠(トウ忠)

 

そして最後に、専横、についてです。黄皓の評判は悪く、蜀に来た鄧艾(とうがい)は黄皓を殺すつもりでしたが、そこは悪臣代表。おそらく私腹を肥やしていた金銀財宝をばらまいての見事な逃走を図り、成功しました。

 

まだ漢王朝で消耗しているの? お金と札

 

この私腹を肥やしていた金銀財宝、何をやっていたかの記録はありません。そんな周囲にバレないように悪いことをするだけの才能は黄皓にはあったということでしょう。なので黄皓は決して正義ではないものの、無能と言い切れるだけの能力者ではなかったと思います。

 

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まぁとは言ってもね?

三国志を語るセンさん

 

しかしまぁ黄皓、どこか受け付けないのが正直なところです。その理由の一つとして、何よりも黄皓は最後に逃走しています。

 

司馬昭の質問に回答する劉禅

 

逆を言えばここで劉禅の身柄を護ろうと奮戦したのであれば少しは見る目が違ったのですが……言い訳もしようもない敵前逃亡、主君を置いての。こういうラストが個人的に三国志大好き!って人たちには受け付けない面があるんじゃないかなーと思った筆者でした。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

黄皓は、見直しても見直してもフォローがしようがない人物でもあります。そのフォローのしようのなさがどこから来たかと言うと、やはり最期だと思います。

 

三国志演義_書類

 

そういう面ではやはり三国志演義でのラスト、すっきりと黄皓への高められた怒りを昇華してくれて上手くまとめられているな、と思いますね。

 

センさんが三国志沼にドボン b

 

ちゃぷり。

 

参考文献:蜀書黄皓伝

 

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黄皓

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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