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張魯の子孫は水滸伝で重要なポジションを演じていたってホント?

2022年5月19日


 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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張魯の子、張盛が仕官を断り竜虎山に入る

水滸伝って何? 書類や本

 

さてここからはちょっとまた三国志からは離れたお話。天師世家という史料によると、この張魯の三男は張盛(ちょうせい)といい、奉車都尉(ほうしゃとい)散騎侍郎(さんきじろう)に任ぜられたと言います。これは曹操が張魯の子供たちを採り立てたことと一致しますが、なんと張盛、これを断ったというのです。

 

陳羣の指摘に戸惑う曹操

 

では断ってどうしたのか?

 

なんと「竜虎山に入って」道教の道を進み、五斗米道の四代目の「天師」となった……とされています。

 

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馬が動かした中国史

 

 

 

水滸伝の張天師は張盛の子孫?

方臘(水滸伝)

 

ではここで水滸伝の記述に戻りましょう。水滸伝のスタートは朝廷から依頼されて「竜虎山に住む仙人・張天師」が祈祷をします。そしてこの記述は、張魯の息子の記録と一致するのです。

 

そう、つまり水滸伝の始まりとも言える仙人、それは張魯の子孫だったのです!

 

……いや、水滸伝自体は三国志演義に近い創作物でしょ?ですって?

確かにこの張天師というのは水滸伝のオリジナル仙人と言えるかもしれません。

 

宋江(水滸伝)

 

しかし全てが全て創作ではなく、ある種の「元になった」人物とはいるものです。そしてこの張天師の元ネタこそ、張魯だったのではないでしょうか?

 

ポイント解説をするセン様

 

更に言うならばこの張天師は朝廷、国の危機に助けを求めるような人物であり、それほどの信頼を得ている人物。

 

そんな人として張魯がイメージされたとなると、張魯自身が実はかなり慕われていたか、もしくは彼の五斗米道が民衆に古くから好まれていたか……そんな繋がりを想定してふと面白くなった筆者でした。

 

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佞臣

 

 

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

事実、水滸伝には三国志、もしくはその派生作品が元ネタという人物が出てきます。例えば梁山泊には騎兵軍五虎将(きへいぐんごこしょう)という「五虎将軍」を元ネタとしているような将軍たちが出てきますが、その筆頭は関勝(かんしょう)

 

彼は五虎将の筆頭で、同じく五虎将軍筆頭の関羽(かんう)の子孫(自称)です。また張飛(ちょうひ)に良く似た人物も出てきます。しかし彼らは三国志演義でも人気があり、知名度が高い人物モチーフ。そんな彼らよりも先んじて出てくる存在のモチーフが張魯と言うと、何だか面白くないですか?

 

三国志演義では今一つ扱いが良くなかった張魯ですが、民間からは割と受け入れられていたのかもしれませんね。

 

センさんのとぷんver2

 

ちゃぽぽぽん。

 

参考文献:魏書張魯伝 蜀書劉二牧伝 天師世家

 

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鍾会の乱

 

 

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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