今回は水滸伝の中から、花和尚こと魯智深のお話をしたいと思います。花和尚という名前から分かるようにお坊さんで、性格は荒っぽいものの義に厚く、それでいてお酒が大好き!
三国志演義に嗜んでいるとこの「お酒好き」な人はそれが原因で厄介ごとを起こす、と想像は付くかと……。ただ魯智深の紹介、かなり長くなってしまったので前後編に分けて、その数奇な生涯をゆったりと紹介していきたいと思います。
この記事の目次
108人で13番目の魯智深
さて魯智深は後々梁山泊に加わり、席次は第十三位となります。その星は天孤星、あだなは花和尚です。
「「花」と付く名前なのだから容貌がいいのかしら?」
「線が細い、美男子なお坊様なのかも!」
と、思われるかもしれませんが(思わないかもしれません)、この「花」は魯智深の身体に花の刺青がされていたことに起因します。
また途中で出家したため、和尚、を組み合わせて「花和尚」と呼ばれるようになったのです。
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役人だった魯達は九紋龍史進に出会う
魯智深は後々出家しますが、最初はお役人をしていました。この頃は魯智深ではなく、魯達、という名前だったのですが……ある日、後の梁山泊の仲間の一人、史進と出会います。
星の生まれ変わり達の運命か、はたまたただ二人の気性が合ったのか、史進のお師匠さんである李忠も誘って酒盛りパーティをやっていると、涙を流している父娘に出会いました。
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肉屋に酷い目に遭わされた父娘に出会う
ここで出会うのが金翠蓮親子です。話を聞いてみると金翠蓮、とある肉屋の男性のお妾さんになりました。
しかし本妻に疎まれて追い出されてしまいます。まぁここまでならそこそこありそうですが、何と追い出される際に妾になった時に払った金を返すように、と言われるのですが、そもそもそんなお金は貰ってないのです。
しかし二人にはどうしようもなく、金翠蓮が歌い手としてお金を稼ぎながら必死に払っていると言うではないですか。如何にも詐欺な内容、これには魯達らも同情してしまいます。
※余談ですが金翠蓮、当初こそ不幸なものの最終的にはハッピーエンドになる水滸伝では数少ない、幸福になる善良な女性です。
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肉屋にクレームをつけ金父娘が逃げる時を稼ぐ
ここで魯達たちは親子のために金を出し合い、二人を逃がして上げることにしました。
困っている人のためにお金を出して上げるなんて優しいですね!
出し渋りとかしてませんよ!信じて下さい!
しかし親子が逃亡するとなると、諸悪の根源である肉屋が黙っていないでしょう。そこで魯達は自ら肉屋に乗り込んで、注文をします。ここで細かくうるさい注文を付けて、親子が逃げる時間稼ぎをしようというのです。
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魯達が3発殴ると肉屋があの世に…
まぁですが現代でも想定以上に口うるさい注文を付けてくるお客様、しかも自分は別件で忙しいというのに……更に言うなら時代も時代、相手は悪役、と来ると当然の反応なのかは分かりませんが、お肉屋さん、お怒りMaxです。
武器はこっちにあるんだぞ!とばかりに包丁を振り回して魯達に襲い掛かかります。しかし相手が悪かった、魯達はこれに素手で応戦。なんと三発で相手をノックアウト……どころか、殺してしまったのでした。
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