貂蝉は悪女か?はたまた悲劇の女性か?

2022年8月25日


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貂蝉

 

皆さんはもちろん、中国四大美女の一人、三国志演義(さんごくしえんぎ)で華々しい活躍をする女性、貂蝉(ちょうせん)はご存知のことでしょう。因みに筆者は横山三国志(よこやまさんごくし)から三国志の沼にどぼんしたので、貂蝉と言うとあの横山三国志貂蝉のイメージですね(伝わるかな?)。

 

新解釈・三國志 貂蝉が挑発的に踊る

 

さてさてその貂蝉、創作の人物と言っては何ですが、そのためか多種多様な貂蝉像を見ることができます。そこで今回は、貂蝉とは悪女か、それとも悲劇に終わった女性か、そこを考えてみたいと思います。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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あくまで貂蝉は三国志演義の創作

貂蝉

 

繰り返しになりますが、貂蝉とはあくまで三国志演義で登場する女性です。モデルとなった女性はいるとされていますが、今回はそれは置いておきまして。

 

貂蝉を奪い合う董卓と呂布

 

貂蝉は王允(おういん)の養女で、その美しさで董卓(とうたく)呂布(りょふ)の二人に愛され、一人の女性を奪い合うことになった両名の仲はどんどん拗れて行きます。最終的に呂布は董卓を裏切ることに、これこそ「美女連環(びじょれんかん)(けい)」です。

 

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貂蝉のその後

ヘソにろうそくを刺される董卓

 

しかし董卓と呂布、三国志演義で前半を彩るこの二名の仲を引き裂き、破滅にまで追い込んだ貂蝉ですが、これ以降は殆どその出番はなくなります。董卓が殺された後は呂布の妾となり、次の出番は曹操(そうそう)と呂布の戦い、()ヒの戦いでのこと。

 

呂布に従う陳宮

 

陳宮(ちんきゅう)の作戦で出撃しようとした呂布を、呂布の妻である厳氏(げんし)と共に引き留めて……その後、呂布が敗れてからは貂蝉の行方は知れぬまま。あくまで貂蝉の舞台は、董卓と呂布の間を裂くこと、これに尽きるのです。

 

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三国志平話

 

そんな貂蝉ですが、三国志の元となったとも言われる三国志平話(さんごくしへいわ)では大筋こそ同じですが、何と根幹が違うというびっくりな設定で出てきます。

 

王允と呂布

 

それは董卓の暴虐をどうするかと王允が頭を悩ませていた時の頃、王允は一人の女性と出会います。その女性は呂布の妻で、名前は貂蝉と言いました。何と貂蝉は元々呂布の妻で、離れ離れになった結果、王允に作戦に組み込まれて董卓と呂布の間を裂く人物として出てくるのです。

 

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呂布

 

 

悪女としての一面

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しかしこの設定、儒教的にまずいと見なされたのか、三国志演義では呂布との関係はなくなりました。その一方で、貂蝉の最期は色々と存在します。

 

貂蝉を奪い合う曹操と関羽

 

例えば民間伝承では、呂布の妾となるも呂布は下ヒで死亡、その後は貂蝉はその美しさで曹操や関羽(かんう)劉備(りゅうび)と言った男たちに取り入ろうとするも、関羽がそれを許さず切り殺してしまう……というようなものもありますね。

 

こういった貂蝉像は、分かりやすく「男を惑わす悪女」そのものでしょう。

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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