今昔物語は平安時代に成立した膨大な物語で話は日本ばかりではなく、中国やインドも含まれています。
そして、その話の中になんと孫権が登場するのです。今昔物語に孫権が出てくる話のあらすじは以下の通りです。
この記事の目次
今昔物語に孫権が出てくる話のあらすじ
昔、天竺に康僧会三蔵という聖人がいて、仏法を伝える為に震旦(魏)に渡る途中に呉という国に入りました。
呉王孫権は、仏・法・僧を知らなかったので三蔵を見て怪しみ「お前は何者だ」と問うと三蔵は私は釈迦仏の弟子で仏法を伝えるために震旦国へ渡ろうとここに来ました」と回答。
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康僧会三蔵を怪しむ孫権
すると孫権は「その釈迦仏とは今でもいるのか?」と聞き三蔵は「釈迦仏はすでに涅槃に入られました」と回答します。
孫権は「お前は釈迦仏の弟子と言いながら、その仏はもうこの世にはいないではないか?お前の師は誰なのだ」と怪しむと三蔵は「釈迦仏はニルヴァーナしましたが、その骨(舎利)が人々を導いています」と回答
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本格的に三蔵を怪しむ孫権
孫権は「では、お前は舎利を持っているのか?」と聞くと三蔵は「舎利は天竺にあります」と回答します。
孫権は、いよいよ三蔵を怪しみ「お前はいい加減な事ばかりいっている!私がどうやって天竺の舎利の有無を知る事が出来よう?どうせ確かめられまいと嘘を言っているのではないか?」と質問
すると三蔵は「舎利は私のハンドパワーで出す事が出来ます」と豪語しました。孫権は「面白い、じゃあ、ハンドパワーでここに舎利を出せ」と命じると三蔵は「七日間の猶予があれば、必ず舎利を出してみせる」と断言します。
孫権は「よし、いいだろう…、だが七日経過して舎利が出なかったらなんとする?」と尋ねると三蔵は「その時は私の首を取って下さい」と答えました。
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三蔵と孫権の約束
三蔵はその日から一心不乱に祈り、舎利が出るようにお釈迦様に願いますが最初の七日が経過しても舎利は出ませんでした。
孫権「どうだ、出たか舎利は?」三蔵「でません、もう七日待ってください」孫権「しょうがねえな…、もう七日だけだぞ」
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