孫権は孫尚香と劉備の結婚にあまり関心がなかったってホント?

2022年6月12日


 

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孫尚香

 

孫尚香(そんしょうこう)と言えば、言わずとしれた有能で酒色に溺れることなく規律正しく沈着冷静な呉皇帝孫権(そんけん)の妹。と言っても孫尚香という名前は京劇から付けられた名前で、実際には孫夫人と呼ばれます。

 

三国志演義_書類

 

三国志演義(さんごくしえんぎ)では三国志版ロミオとジュリエット、悲恋の果ての二人ですが、実際にはそんな関係ではなかったと言われる劉備(りゅうび)と孫夫人。しかしそれもこれも孫権の想定内の話だった……!?

 

今回はそんな全ては呉王様の掌の上のお話です。

 

 

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国志演義で呉国太に気に入られた劉備

周瑜

 

さてここからはまず三国志演義のお話が続きます。発案は周瑜(しゅうゆ)。劉備を危険視した彼は孫権の妹、孫夫人と劉備を政略結婚させ、もてなしにもてなしで堕落させようぜ!と孫権に持ちかけるのですが、二人は親子ほど年が離れており、孫夫人の母親の呉国太は大反対。

 

呉夫人

 

しかし劉備と会うとその溢れる仁徳に感じ入った呉国太は、劉備を見込んで娘を嫁がせることになり、豪華な酒宴が何日も開かれます。

 

劉備大喜び。周瑜してやったり。

劉備を徹底サポートする趙雲

 

護衛の趙雲(ちょううん)大慌て。

 

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劉備を呉に軟禁する周瑜の策を見抜き蜀にトンズラ

劉備とイチャイチャする孫尚香

 

ここで趙雲、諸葛亮(しょかつりょう)に授けられていた策で強制的に劉備を帰国させることに。しかし予想外、ここで孫夫人は劉備に同行することに。逃亡した一行を大慌てで追いかける呉の武将たち。

 

兵士 朝まで三国志

 

しかし彼らに対峙するのはなんと孫夫人その人。「私の夫に何をしようと言うのか!」孫夫人は彼らを一喝しては追い返し、劉備たちは無事に国へと帰れることになりました。

 

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母危篤の知らせに劉禅を連れ呉に帰る孫尚香

司馬昭の質問に回答する劉禅

 

二人の間に子供こそできなかったけれど、夫婦は仲睦まじく過ごしました。そんなある日、孫夫人の元に母親危篤の知らせが。「母君は最期に孫の顔をご覧になりたいと……」驚いた孫夫人は太子、劉禅(りゅうぜん)を連れて宮殿を抜け出し、呉へと帰国しようとしました。

 

阿斗を劉備まで届ける趙雲

 

しかしこれを察知したのが我らが趙子龍(ちょうしりゅう)。単騎駆けに定評がある彼が速攻で追いかけ、更に張飛(ちょうひ)も合流して戻るように、と警告します。

 

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一億二千万人の三国志

 

 

劉禅を趙雲に帰し呉で生涯を閉じる孫尚香

遣唐船(奈良時代)

 

しかし母親が危篤であるというのに帰らないという選択肢はない孫夫人。どうにか劉禅だけは返すことを了承させ、彼らは夫人を見送りました。しかし帰国して見ると元気な母親。

 

馬謖に重要な仕事を任せるなと孔明に伝えて臨終を迎える劉備

 

騙されたと知るも既に遅く、劉備の元に帰れないまま実家で過ごした彼女は、後に夷陵(いりょう)の戦いで劉備が戦死したという誤報を受け、長江に身を投げてしまったと言います。

 

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正史ではとんだ乱暴者な孫尚香

自分の側近に武装させる孫尚香

 

さて涙で長江も氾濫するのではないかという三国志演義のストーリー。しかし正史ではほぼ違う人物となっています。そもそも記録が少ないのですが

 

じゃじゃ馬な孫尚香

 

・気が強くて傲慢不遜(ごうまんふそん)

・周囲とトラブルばかり

・身の回りの人物たちも素行が悪い

・犯罪までやった

・普段から威嚇行為を繰り返す

・正史での母親は不明(身分が良く分からない)

 

と、政略結婚で良くもまあこんな妹を嫁がせたな呉王様……と思うような女性です。

 

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ながら三国志

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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