広告

いつまでやるの?またまた『赤兎馬=カバ説』を検証してみる。第2弾【HMR】

2016年3月19日


 

石川克世

 

さてさて、『赤兎馬=カバ説』を追求している

我ら「はじさんミステリー調査班(HMR)」ですが、

なんと今回、その仮説を裏付ける証拠となる情報を入手しました!!

 

果たして『赤兎馬=カバ説』は事実だったのか?

今、ここにその真相が明かされます!!

 

……そんな調査なんてしてたか? と思われた方は

そんなカバな!!赤兎馬はカバだった?関羽は野生のカバに乗って千里を走った?(HMR)』をご参照ください。

 

関連記事:そんなカバな!!赤兎馬はカバだった?関羽は野生のカバに乗って千里を走った?(HMR)

関連記事:「2300年前の古代中国に動物園が存在した?キングダムに登場するランカイのモデルも?」

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



カバが家畜化されない理由とは?

カバが家畜化されない理由

 

本題に入る前に、現代においてなぜ、

『家畜化されたカバ』を見ることがないのか、

その理由を考えてみましょう。

 

家畜とは、何らかの仕事に使役するために

飼育されている動物のことです。

食用としての飼育や愛玩目的で飼育するペット

研究や保護目的で飼育される動物園などの動物、

見世物として少数で飼育される動物などとは

明確に区別されます。

 

人類が歴史上、家畜化した大型哺乳類はわずかに14種類しかありません。

 

牛・馬・羊・ヤギ・ロバ・ラマ・トナカイ

ヒトコブラクダ・フタコブラクダ・水牛・ヤク・ガヤル・バリ牛

 

そもそも、動物を家畜化するためには、いくつかの条件を

クリアする必要があります。

 

(1)エサのコストが安いこと。

(2)飼育・繁殖させやすいこと。

 

(3)性格が穏やかで扱いやすいこと

(4)群れを作る習性があること

 

カバが家畜化できない最大の理由は(3)、つまり気質の問題です。

 

 

 

ライオンよりも人を殺しているカバ

ライオンよりも人を殺しているカバ

 

アフリカの野生動物の中で、年間で最も多く人間を殺す動物、

実はカバなんです。

 

一番危険なのはライオンじゃないか? と思えますが、

ライオンの犠牲者が年間100人前後に対して、

カバの犠牲者ははその5倍、500人前後に及びます。

ワニですら、カバを襲うことはしないとか。

 

(イラスト引用元:ベヒモス)

旧約聖書に登場する怪物、ベヒモスも、実はカバがモデルである、

という説もあるくらい、カバは大昔から凶暴で危険な動物であると

知られていたんですね。

 

動物園などで見るカバののんびりとした印象とは

だいぶ違いますが……。

 

関連記事:テルマエ・ロマエのルシウスもびっくり!?後漢の甘英、ローマを目指す!

関連記事:旧約聖書の創世記に出てくるノアの方舟の元ネタは古代中国にあった?

 

古代中国・超科学の世界に挑戦する HMR

HMR  

 

じゃあ、やっぱり『赤兎馬=カバ説』って無理なんじゃね?

カバ&関羽

 

え、自分で『赤兎馬=カバ』とか言ってるくせに、

それを自分から否定するようなこと主張するのか、って?

 

そう、確かにカバを馬と同じような家畜として使役することには

大きな問題があることは否定できません。

 

しかし、実は古代中国、それも秦から漢の時代に、

中国にカバがいたことを示すと思われる、巨大な石像が

発見されていたんです。

 

この情報をタレコミしてくれたのは、

なんと「はじさん」のメインライターのkawausoさんです!!

 

kawauso

 

情報提供、ありがとうございます。

 

その、巨大石像というのがこちら。

 

 

どうです?

この大きなあご、ずんぐりとした体格、太くて短い脚!!

どこをどう見てもカバそのものじゃないですか!!

(写真引用元:http://s.eximg.jp/exnews/feed/Searchina/201301100250002view.jpg

 

 

蜀の都で発見されたカバの石像

 

この石像が発見されたのは2013年のこと。

埋まっていたのは三国時代の後、西晋時代のものとされる遺跡ですが、

石像に刻まれた文様は秦から漢の時代の様式に近く、

この石像が制作されたのも、それに近い時代だと考えられます。

 

そして、この石像が発見された場所がもっとも重要です。

なんと、この石像が発掘されたのは四川省の成都

そう、あの蜀の都であった成都だったのです!!

 

成都にカバの石像……これはまさに、赤兎馬を記念して

造られたものでしょう。いや、間違いありません!!

 

関連記事:【歴代名馬史上最強戦】赤兎馬と騅ではどっちが凄い?

関連記事:赤兎馬(せきとば)が活躍できたのは武霊王のおかげ

関連記事:衝撃の事実!赤兎馬の子孫が判明!?

関連記事:呂布、関羽の愛馬・赤兎馬が気になってたまらない

 

実は、飼いならされたカバの例も。

 

……え?

 

さっき、自分で「カバは家畜化できない」って

言ったばかりじゃないかって?

 

舌の根も乾かぬうちにデタラメ言うなって?

 

いやまあ、カバは家畜化するには不向きな動物なのは確かです。

しかし、カバが人に懐いた、という事例もちゃんとあるのです。

 

Jessica the Hippo - YouTube

 

 

これは2007年に南アフリカの一般の家庭で飼育されていた

「ジェシカ」というカバの映像です。

 

ジェシカはある家の敷地の中で、まだへその緒が

ついたままの状態でその家の夫婦に発見され、

それから8年間、夫婦とともに生活したそうです。

 

カバは凶暴だと言っても、それは種全般の傾向の問題。

中には変わり者の個体がいても、不思議じゃありません。

1頭くらい、主人を乗せて戦場を駆けるカバがいたって、

いいじゃありませんか?

 

カバライター 石川克世の開き直り

石川

 

おとぼけ「でも、石川さん」

石川克世「なんです?」

おとぼけ「成都にカバがいた、ということと、

そのカバが赤兎馬だった、ということは

全然別の話ですよね?」

石川克世「あがっ……!?」

おとぼけ「………………」

石川克世「……戦場の中、人を乗せて駆けるカバがいてもいい。

自由とはそういうことだ」

おとぼけ「あんたはどこぞのネゴシエーターか?」

 

関連記事:三国志時代のペット事情が興味深い!陸遜の孫も犬を可愛がっていた!

関連記事:【ネコ派必見】猫にまつわる中国史の逸話!古代漢民族は無類の猫好きだった?

 

赤兎馬はカバ

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
石川克世

石川克世

三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。 三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、 兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。 好きな歴史人物: 曹操孟徳 織田信長 何か一言: 温故知新。 過去を知ることは、個人や国家の別なく、 現在を知り、そして未来を知ることであると思います。

-三国志の雑学
-, , ,