三国志演義の面白さとして、史実、つまり正史として記されている書物との違いがあると思います。筆者はこの違いをただの違いで流さず、また創作と侮らず、楽しむことが正史三国志と三国志演義の醍醐味とも言えると思っているのです。
そこで今回はこの違いの中でも、特に司馬懿という人物に注目してみたいと思います。
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この記事の目次
悪役のイメージが強い三国志演義の司馬懿
三国志演義の司馬懿の話からしますが、三国志演義での司馬懿は正に悪役と言っても良いでしょう。
特に曹丕と皇帝の位を奪うべく画策しているシーンは、印象深いですね。曹丕が曹操の跡を継ぐ頃から司馬懿は良く出てくることもあって、司馬懿は謀略を巡らせる人というイメージが強いという人もいるのではないでしょうか。
蜀の敵として描かれることが多い司馬懿
司馬懿が悪役としてイメージされるのは、基本的に三国志演義、もしくはこの三国志演義を元にした作品での多くでは蜀が主人公であり、その蜀の敵である呉、そして特に魏は悪役として描かれていることが多いです。
その中でも孔明のライバル的な存在、蜀に止めを刺したとも言える司馬懿は悪役、更に魏から晋への歴史的背景も踏まえて簒奪者、つまり「悪」としての司馬懿のイメージが強いのでしょう。しかしこれはあくまで三国志演義の中での司馬懿です。
一方で正史三国志の司馬懿は・・・
さて正史三国志の話に移りますが、実は蜀と戦っているイメージが強い三国志演義とは違い、正史の司馬懿は対呉の役割を持っています。これだけでも大きくイメージが変わってきますよね。
この司馬懿がなぜ対蜀に回されたかと言うと、対蜀を担当していた曹真が死んでしまったのでその代役を任されたのが司馬懿なのです。
有能な曹真の後を託される
さて曹真と言えば三国志演義では司馬懿にも諸葛亮にも及ばない才能に悩んでいるキャラクターにされていますが、実際には大変優秀な曹一族です。
彼は諸葛亮の北伐を何度も防いでおり、正史を追っていくと病死するまでの第三次北伐まで立派に対蜀、対諸葛亮を務めて防ぎきっています。その曹真に変わって蜀を担当することになった司馬懿、です、が……。
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