曹操(そうそう)に敗れた関羽(かんう)は、縄を打たれてしまいます。関羽(かんう)は、最初から死を覚悟していましたが、逆に曹操(そうそう)は関羽(かんう)を殺すつもりはありません。
曹操(そうそう)は、かつて反菫卓連合軍の先鋒として敵将華雄(かゆう)を瞬時に一刀両断した関羽(かんう)の武勇と義理堅い性格に惚れこみ、これを家来にしたいと思っていました。
しかし、忠臣は二君に仕えず(忠誠心がある家臣は二人の主君に仕えたりしない)というのを美学としている武人の関羽(かんう)は、これを拒否します。
「くどいぞ、曹操殿、さっさと殺してくれ、、」
困った曹操(そうそう)は、関羽(かんう)とは昔からの顔見知りである張遼(ちょうりょう)に説得を頼みます。
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張遼、関羽に説得をする
張遼:「関羽、、貴様の気持ちは分かるが、ここでお主が死んだら、残された劉備殿の妻子はどうなるのだ?このまま牢獄にいても劉備殿の消息は分からんし、探しようもないここは、つらいだろうが、曹丞相に仕え、情報を収集してはどうか?」
関羽(かんう)は、最初は張遼(ちょうりょう)の説得を拒否していましたが、ここで自分が死んでは、劉備(りゅうび)の妻子を守る事も出来ず、また、同年、同月、同日に死せんと誓った盟約に背く事にもなります。
関羽(かんう)は、意を決して、恥を忍び曹操(そうそう)に仕える事を決意しますが、同時に曹操(そうそう)に対して3つの条件を出しました。
関羽が曹操に出した3つの条件って何?
それは、以下のような条件でした。
①劉備(りゅうび)の妻子を罪人扱いせず以前と変わらず尊重して扱う事
②関羽(かんう)は、曹操(そうそう)に降るのではなく漢王朝に降るという事
③劉備(りゅうび)の消息が掴めたら、そこがどこであっても自分は、劉備(りゅうび)の下に帰る事
曹操(そうそう)は、③については難色をしめしましたが、ここで意地を張って、関羽(かんう)を失うのもつまらないと思い、思い切って、関羽(かんう)の条件を全て呑む事にしたのです。
敵に負けたからと言って卑屈にならない関羽(かんう)の態度も見事ですが、いずれ劉備(りゅうび)の元に帰ると分かっていても関羽(かんう)を手元に置いた曹操(そうそう)のベタ惚れぶりも凄いものです。
曹操(そうそう)は、関羽(かんう)を早速、偏将軍に任命して袁紹(えんしょう)との戦いの最前線に投入する事になります。
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