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91話:張飛の大手柄 蜀将の厳顔を味方にする

2015年7月2日


 

 

龐統(ほうとう)の死を知り、片腕をもがれたような

苦痛を覚えた孔明(こうめい)ですが、

親友の死を悼んでいるヒマさえ歴史は孔明に与えてはくれません。

 

龐統を射殺した蜀将張任(ちょうじん)は、地の利を活かして、

劉備を涪水城に包囲猛攻撃を仕掛けていたのです。

 

前回記事:90話:張任によって龐統討たれる

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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孔明は張飛と趙雲を引き連れて荊州を出陣

孔明 劉備の剣とハンコ

 

孔明は、関羽(かんう)を荊州の守備に残すと、趙雲(ちょううん)、

張飛(ちょうひ)を引きつれて荊州を出陣します。

 

そして、軍を二手に分けて、孔明と趙雲は、1万五千の兵力を率いて

海路を、張飛には一万の兵力を与えて陸路を進みます。

 

張飛は孔明や趙雲よりも先に手柄を取りたい

 

陸路を任された張飛は、性格上、孔明や趙雲より先に、

涪水城に到着してやろうと陸路を急ぎます。

 

そこに立ち塞がったのが巴郡の太守をしている厳顔(げんがん)でした。

 

 

 

名将 厳顔に手こずる張飛

 

厳顔は、老将でしたので、いつもの如く、張飛は侮り、

一息で踏みつぶせると豪語しますが、

厳顔は強く、簡単には、巴郡を抜けそうにありません。

 

通常なら、ここで張飛はキ――――ッとなり酒をあおって

MH5(M(マジで)H(人殴る)5(秒前))になり

味方の被害を大きくする所ですが、今回の張飛は違います。

 

珍しく頭を使う張飛

長坂の戦い 張飛

張飛:「ここは、力攻めで行っても被害を増やすだけだ、、

よし、偽の情報で、俺達が巴郡の攻略を諦めて

雒城を落そうと迂回して間道を通りぬけると触れ回れ」

 

おお!どうした張飛、熱でもあるのか(笑)

ともかく、張飛らしからぬ計略を厳顔に仕掛けます。

 

厳顔は、張飛軍が巴郡を迂回して、間道を通ると聞いて

勝機と捉えました。

 

厳顔:「巴郡を迂回するなら、食糧部隊は、一番最後になる筈だ、、

よし、これを襲って奪い、張飛の軍勢を強制的に荊州に退却させてやる」

 

厳顔は、間道を通りぬける張飛軍を追い、城を出て食糧部隊を襲います。

 

しかし、ここまでが張飛の罠でした。

 

張飛の罠にハマる厳顔

 

ジャーンジャーンジャーン

銅鑼が鳴り響き、囮の食糧部隊の左右から伏兵が出てきたのです。

 

厳顔:「げえっ!!張飛」

 

張飛:「ふっふっふ城から出てこりゃあ、こっちのもんよ!!」

 

張飛の一万の軍勢は、あっという間に、厳顔軍を撃破し、

厳顔は、捕らわれてしまいます。

 

張飛:「どうだあ、我が軍の強さに恐れいったか?

これに懲りたら、劉備玄徳に降伏するんだ」

 

張飛は、縄で縛りあげた厳顔の前でふんぞり返り、

傲岸な態度で迫ります。

 

厳顔:「元はと言えば、平和な益州に泥棒同然に押し入ったのが

劉備ではないか、盗人猛々しいとは正にこの事。

我が蜀軍には、貴様達に首を斬られる将はいても、

降伏する将などおらぬわ!!」

 

厳顔は、毅然とした態度で言ってのけます。

 

 

厳顔の縄を解いた張飛、その理由とは?

厳顔と張飛

 

すると張飛は暫く考えて、厳顔の縄を解きました。

 

張飛:「いや、、あんたの言う通りだ、、、

勝ったからって、横暴に振る舞っては、俺達も

山賊と違いはねぇ、、

 

厳顔将軍、改めて頼む、俺の兄貴、いや劉備玄徳にはこの益州が

どうしても必要なんだ。

漢王朝の再興の為、逆臣曹操を討つ為にあんたの力を貸して

くれねえか?」

 

張飛が一転して、頭を下げて厳顔に降伏を願い出たので、

厳顔にも思う所があったのか、これを承諾したのです。

 

こうして張飛は巴郡を落し、さらに先を急ぐ事になります。

 

 

厳顔と黄忠の老人コンビは本当なの?

さて、厳顔と言えば、黄忠(こうちゅう)と老人コンビで活躍したと

演義には記録されていますが、正史には、厳顔が老将であると

書いた記述はありません。

 

おそらく、老成した言葉と落ち着き払った態度が、

老将の雰囲気だったので演義の原作者達は、厳顔を老将として、

黄忠を降した関羽、厳顔を降した張飛と並べて手柄を立てさせたかった

そういう事なのではないでしょうか?

 

耳で聞いて覚える三国志

 

 

次回記事:92話:劉備を徹底的に追い詰める張任

 

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どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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