【呂布の心に響いた名言】その肉を飽かしむべし。飽かざれば人を咬まんとす

2016年1月10日


監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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曹操の使者が下邳城へ来るが…。

表情 呂布02

 

陳登は下邳城へ帰ると呂布に報告します。

呂布は徐州刺史の任命の使者が来るのを待っておりましたが、一向にやってきません。

ついに曹操の使者が下邳城にやってきます。

呂布は曹操の使者に会うと「貴殿の臣下である陳登と陳珪親子に領地を加増せよ」と伝えます。

呂布は「承知仕った。他に私に伝える事はないのか」と曹操の使者に尋ねます。

使者は「ありません。それではこれで。」と呂布に挨拶し、帰っていきます。

呂布の逆鱗に触れる

表情 呂布03

 

呂布は曹操の使者が陳登と陳珪親子の加増のみを知らされただけで帰った事に激怒。

すぐに陳登を呼びます。

呂布は陳登が来ると「曹操の使者が先ほど来て貴様に加増せよと伝えに来た。しかし俺への徐州刺史任命の話はなかったぞ。どうなってんだ」と言いながら机をたたき割ります。

陳登は水のように静まり返り呂布に向かってゆっくりと言い返します。

その時、歴史に名を残す

呂布 VS 曹操

 

陳登は息を整え、歴史に残る名言を呂布に言います。

彼は「私は曹操にこのように申し上げました。

『(虎を飼うなら)その肉を飽かしむべし。飽かざれば人を咬まんとす(そのにくをあかしむべし。あかざればひとをかまんとす)』と伝えました。」と伝えます。

 

この名言の意味は呂布を遇するのは虎を飼うようなものです。

そのため飽きるほど肉を与えなければ噛みついてくるでしょう。

曹操殿どうか彼に十分な官位と俸禄を与えてくださいますようお願いしますと言う意味です。

この陳登の言葉を聞くと呂布の機嫌は一変し「そうか。曹操は我を虎と称したか。大いに結構だ」と機嫌を直し、その場を離れます。

 

この名言の本当の意味は呂布が喜ぶような意味ではない

呂布 最強 曹操

 

陳登は名言を残して、呂布の逆鱗を躱しましたが、実は呂布が喜ぶような意味の言葉ではありませんでした。

それどころかこの話は全て陳登の作り話です。

曹操は呂布を虎に例えた話など残っていません。

それどころかこの作り話は呂布を持ち上げる名言ではなく彼を大いに貶めた評価をした内容なのです。

まず「虎を飼うならその肉を飽かしむべし」の前半部分は貪欲で物欲の強い呂布を現しております。

後半部分の「飽かざれば人を咬まんとす」は厚遇しても、今以上の厚遇の話が舞い込んできたら厚遇された恩を忘れてその人物を咬み殺すであろうと言う意味です。

 

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三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

陳登は激怒した呂布の前で作り話し、危機を脱します。

彼は瞬間的に作り話をつくることができる機転の持ち主です。

さらに三国志の中でも最強と称される呂布の逆鱗を前にしても作り話をサラッと話すことのできる彼は普通では考えられない胆力の持ち主であったのでしょう。

今回のお話はこれでおしまいにゃ。

次回もまた初めての三国志でお会いしましょう。それじゃまたにゃ~

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

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