秦が強大になるにつれて、各国は手も足も出ない状態になります。そんな中秦王政に恨みを持つ燕の太子は彼を暗殺しようと計画し、一人の男に暗殺計画を依頼します。
その男の名は荊軻(けいか)
彼は燕王から暗殺依頼を受け、無謀ともいえる秦王政の暗殺に試みます。
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この記事の目次
暗殺者荊軻の生い立ち
荊軻は衛という小国の出身で始めから、暗殺者を目指した訳ではありませんでした。彼が志したのは官僚です。そのため弁論の術を修行するため諸国を周ります。諸国を巡る旅を完了し、衛の官僚になるべく就職活動を開始します。就職活動を始めると衛の君主からお呼びがかかります。
荊軻はすぐに衛の君主と会い、自らが考える国家論を語ります。しかし衛の君主は荊軻の話を受け入れませんでした。荊軻は自らの考えを受け入れられなかった事で心が折れ、官僚の夢を捨て衛を出て他国を放浪します。
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燕に辿り着く
荊軻は衛を出て、遊侠(やくざもの)として各国を歩き回ります。各地を周り、色々な人と出会い別れを繰り返しながら、燕に流れ着きます。荊軻は燕に流つくと、高漸離(こうざんり)という筑(弦楽器の一部)の達人と友人になります。二人は市場に言って酒を昼間から飲み、高漸離は酔うと筑を奏で、歌い騒ぎます。
荊軻は高漸離が筑を奏でると必ず、泣き始めるありさまです。この様子を見ている民は周りに誰にも存在しないかのような振舞いにこう言います。「傍若無人」だと言いふらすのです。
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人質太子が帰国
燕の太子で丹は秦で人質となっていたが逃亡します。そして彼は燕にボロボロの姿で逃げ帰ってきます。太子丹は幼いころから秦へ人質に出されていました。彼は子供の頃、人質でありながら幼い頃の秦王政と親しく付き合っていました。
その後大人になった丹は子供の頃と同じように、秦王政に語りかけます。すると政はにらみ、冷たい対応を取ります。太子丹は成人した政の対応に怒りを感じ、燕に帰ってきます。彼は燕に帰ってくると、秦王政を殺害しようと考え燕の実力者田光に相談を持ち掛けます。
田光は丹から「秦王を暗殺する計画を立てているのだが、知り合いに刺客などいないか。」と相談します。
田光は少し考えこむと丹に「私の食客に一人適任者がおります。」と伝えます。
太子は「さようか。その者を連れてきてもらいたい。」と田光に伝えます。
田光は頷き、その場を去ろうとします。
丹は田光が立ち上がった時に「この事は誰にも言わないでな」と口止めします。
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