三国志メインライターkawausoは、今年で41歳になります。私もご多聞に漏れず、三国志は横山光輝先生の三国志全60巻から入った人間です。私の場合には、横山三国志は三国志の入り口になっただけでなく歴史全般の興味への入り口になった、現在の歴史ライターの道へ進む切っ掛けになった作品です。
さて、そんな三国志ブームも今日では30年以上続き、オールドファンと、新規ファンとの間には、世代間ギャップが生まれていると思います。今回は、それを逆手に取り40代なら理解できる、三国志あるあるを紹介していきます。
この記事の目次
あるある1:蜀が滅ぶと聞いてコミックスを集めるのをやめた
これは、2パターンあり、横山三国志が全60巻あると聞かされ、ビビって買うのをやめてしまうパターンと、誰かから、三国志の勝者は、曹操(そうそう)の部下の司馬懿(しばい)だと聞かされ、ショックでコミックスを集めるのを止めるパターンがあります。
正史三国志などというモノがあるとは夢にも思わない80年代の三国志ファンには、劉備(りゅうび)と孔明は漢を復興させようと頑張る正義の人。そして、曹操は完璧な悪役という存在でした。
それが、曹操に負けるならまだしも、司馬懿とかいう、わけのわからん奴に天下が統一されるという理不尽さに悔し涙を流し、孔明や劉備が死ぬのは見たくないとコミックスを読まないのです。
あるある2:女于禁(うきん)がトラウマになっている。
これは、80年代に三国志にハマったオールドファンが等しくハマる罠です。当時のレンタルビデオショップのアニメコーナーは、今程充実してはいませんでしたが、そこに「三国志」という、そのものズバリのアニメがあり三国志と言えば、それは横山三国志と信じて疑わない三国志ファンを毒牙に掛けて、トラウマを与えたのです。
そして、誰?バンコラン?と思うような紫アイシャドーを引いた中性的な諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)、
そして、極めつけは、何故か女性化している于禁、しかも、曹操に惚れてる設定で、最後ふられる設定・・殆ど三国志知識が無かった、当時の私ですら、こんなもん、三国志じゃねえよ!と叫ばずには居られませんでした。(画像引用元:るしログ ~明日は明日の風が吹く~)
あるある3:大人向けの三国志は、登場武将が全部ひげづらかデブ
私達、80年代、三国志ファンが、横山三国志ベースでハマっていた頃も、一応、大人向けの三国志みたいな文庫本はありました。しかし、その絵は、全員髭づらか、デブという我々の武将イメージを覆すようなものばっかりでした。どうも、中国画の三国志武将だったようですが、なんでこんなに悪く、書くんだろうと思ったものです。
あるある4:森本レオは、諸葛亮孔明の声の人だ!
NHK人形劇三国志に人形劇のイメージを覆されたという人も、80年代からの三国志ファンには多いと思います。関羽の人形が欲しいと思った人も、一人や二人ではないでしょう。
そして、森本レオが声をあてた諸葛亮孔明の、静かで深い洞察力に痺れたという人も多いと思います。今でも、諸葛亮孔明の声と言えば、森本レオと答える人は、特に80年代の三国志ファンに多いでしょう。
いえ、むしろ、どんなに別の仕事をしようとも、森本レオは、孔明の中の人確定です。
あるある5:最初にプレイしたのは、光栄ではなくナムコの三国志だ
今でこそ、三国志=コーエーというイメージがついていますが、我々、オールディーズの三国志ファンが少年時代、光栄三國志は、パソコンを買わないとプレイできない高嶺の花でした。それに目をつけてか、ナムコが初めて、三国志をファミコンで出します。そう、ファミコン最初の三国志ゲーは、光栄ではなく、ナムコだったのです。私達、歴史好きの三国志ファンは、それに飛びつきました。
ナムコの三国志は、光栄三國志とは違い、登場武将も漫画チックでコミカルなゲームでしたが、流石、独眼竜政宗を出したメーカーだけあり、操作性もよく、テンポもサクサク進む、なかなかの名作でした。確か2まで出ている筈ですが、ほどなく、光栄がファミコンで三國志1を出したので、ナムコ版はそこで止まっています。
あるある6:光栄三國志ファミコン版の値段にびっくりした
80年代の三国志ファンで、光栄のファミコン版三國志の洗礼を受けなかった人は、ほぼいないのではないか?と思います。当時はパソコンが今より全然普及していなかったので、光栄三國志=ファミコン版というイメージの人は多い筈です。
表面パッケージやゲーム内での大人なイメージのリアルな武将イラストもさることながら、そのソフトの値段の高さ、9800円にもびっくりでした。当時のファミコンソフトが、5000円台の頃に9800円です。およそ倍というのは、強烈なインパクトになりました。
ソフト自体も縦に長い独特な形で専用ケースに入っていました。小学生だった私は親にねだって買ってもらったのですが、内容は文句なしの面白さで、ここで私は横山三国志から、光栄、三国志に乗り換えました。
あるある7:ゲームの影響で孫堅、孫策に病弱イメージがある・・
三國志1には、武将に健康というパラメーターがあり、寿命(戦死、急死含む)が近づくと、どんどん値が下がります。この健康が30を切ると、翌年の正月に死亡する確率が上がります。特に、呉の孫堅、孫策は、健康が低いので、呉でプレイする時には、武将の健康値を引き下げる疫病イベントが起きると即リセットです。
これを怠ると孫策、197年に死去したりします。史実の袁術(えんじゅつ)よりも先に死んでんじゃねーよ!!(泣)
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あるある8:光栄ゲームパラダイス(仮)を知っている
30年前は、横山光輝三国志以外の、三国志情報はほぼ皆無でした。90年代初頭、光栄(現コーエーテクモ)は三國志シリーズが当たると、爆笑三国志という、笑いながら三国志を深く楽しめるコミックスを何冊も発刊しています。
これは、三国志ファンに大人気を博し、爆笑シリーズとして、爆笑、新撰組や、爆笑水滸伝や、爆笑ギリシャ神話、爆笑フランス革命(笑)等の歴史全般を扱うシリーズに拡大していきました。その中で生まれたのが、光栄ゲームパラダイス(仮)です。
こちらは、当初、年4回発行の読者参加型の歴史マガジンでした。内容には戦国や三国志、水滸伝、フランス革命や、その他色々なコーナーがあり、基本、そのコーナーを読者の投稿で全部埋めるという凄い雑誌。当時、絶対数が少なく、市民権を得られなかった、若い歴史好き、三国志好き、戦国時代好きは、ここぞとばかりハガキを書きまくり毎号、紙面は、これでもかという歴史蘊蓄やギャグで埋まりました。
光栄ゲームパラダイス(仮)は、その後、発行ペースが変化したりタイトルが変わったりしながら、続き、21世紀に入る少し前に休刊しましたが、この雑誌を覚えている古い三国志ファンは、多いのではないかと思います。
あるある9:三国無双や、耽美系武将や武将の女性化は、正直違うと思う!
これも80年代の頑固な三国志ファンにはありがちです。私達は、どうも、しっかりした顔の三国志武将のビジュアルが好きなので耽美系の三国武将が、どうも馴染みません。孔明先生は、線が細いのは認めますが、髭無しはどうも違うのです。甘寧(かんねい)は、やさぐれたオッサン武将じゃないと雰囲気が出ません。
それと、必殺技オンパレードの無双系や、武将女性化も・・ちょっと・・なんでしょう、ファーストガンダムファンが、それ以後のガンダムシリーズを認めない感覚に少し近いかも知れません。
三国志ライターkawausoの独り言
いかがでしょうか?80年代三国志ファンの一人として、当時を思い起こしながら、色々と書いてみましたが、共感していただけましたでしょうか?
本日も三国志の話題をご馳走様でした。
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