呂布特集
if三国志




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

意外!実は剣術家だった曹丕の自叙伝が凄い

曹丕




曹丕

 

曹丕(そうひ)とは言わずと知れた、魏の初代皇帝、文帝の事です。

彼は有能でしたが陰険な性格があり、また典論(てんろん)という

文学論の本を出版した事から、体育会系というよりは文系イメージですが、

実は、剣術にも長けて、多くの武勇伝を持つ人であった事が、

曹丕自身の記した典論自叙によって明らかになっています。

個人のエッセイとしてもかなり面白い曹丕の人生を見てみましょう。




武者修行した俺、でも都以外には大した武芸者はいないね

曹丕 残忍

 

「俺は若い頃に剣術も学んだ、多くの師匠についたけど、

全国各地の剣法には、それぞれ流派があって、内容が違っていた。

でも、地方の剣術は駄目で、やはり都の剣術が秀逸だと思ったよ。

 

俺の師匠は、河南の史阿(しあ)という人で、

霊帝、桓帝の頃の剣の達人の虎賁(こほん:近衛兵)

王越(おうえつ)の弟子で、唯一、その剣術の全てを受け継いだ人だ。

この人に師事して、俺は剣術の腕を磨いたのさ・・」

 

原文:余又学撃剣、閲師多矣、四方之法各異、

唯京師為善桓霊之間、有虎賁王越善斯術、称於京師

河南史阿言昔与越遊、具得其法

 

どうでしょう、武者修行に汗を流す若き曹丕の姿が、

目に浮かんでくるようではないですか?




奮威将軍の鄧展と剣術論をやってみる俺

曹丕

 

このような経緯から、曹丕は剣術論にも一家言あったようです。

ある時の事、奮威将軍の鄧展(とうてん)と、

平虜将軍の劉勲(りゅうくん)と共に曹丕が酒を飲む機会がありました。

 

この将軍、鄧展は、5つの武器、戈(か)殳(しゅ)戟(げき)

酋矛(しゅぼう)夷矛(いぼう)に通じていて、また、

武器を持たずに白刃の中に入る事が出来ると豪語していたようです。

 

おおっ!無刀取りの柳生但馬守みたいだ!!

 

剣術好きの曹丕は、鄧展と剣術論を熱く語りましたが、

どうも、鄧展は言う程の事はない口先番長と感じて、

 

「この際、はっきり言うが、将軍の剣術は間違っている

俺も以前から剣術を愛好しているが、将軍には負けない腕があるぜ」

 

と鄧展に文句をつけました。

下は、そこまでの原文です。

 

原文:嘗与平虜将軍劉勲、奮威将軍鄧展等共飲、
宿聞展善有手臂、暁五兵、又称其能空手入白刃

余与論剣良久、謂言将軍法非也、余顧嘗好之、
又得善術、

 

鄧展とサトウキビで試合をやって、瞬殺しちゃう俺

曹丕

 

これに怒った鄧展、酒が入っている事もあり、目を座らせ、

「では、是非、一度、手合わせを願いたい」と言いました。

 

鄧展の怒りが伝わります、、

プライドを傷つけられた腹いせに、

試合にかこつけて、曹丕を打ちのめし、

恥をかかせてやるという勢いです。

 

曹丕は、その挑戦を受けて、

酔いざましにかじっていたサトウキビを

剣の代わりにして、殿上から下りて試合をします。

 

曹丕 スイーツ

 

剣の代わりにサトウキビの茎というのも・・

ここでもスイーツ男子、曹丕はサトウキビをかじるんですね。

ともあれ、耳が熱くなる程に酔っ払った二人は、

群臣の見守る中で試合を行いました。

 

結果は、数合も撃ち合わない間に曹丕が

3回とも、鄧展の肘を撃って試合終了でした。

一本も取れない鄧展に、周囲は大笑いになります。

 

以下はその模様を書いた、典論の自叙から・・

 

原文:

時酒酣耳熱、方食芊蔗、便以為杖、

下殿数交、三中其臂、左右大笑 

 

関連記事:そうだったのか!?曹丕はスイーツ男子。詩にスイーツの想いを込めちゃったよ!

関連記事:華麗なる中華世界を彩る三国志の武器

関連記事:絶対ダメ!三国時代に流行していたドラッグ!?漢方薬を違法ドラッグにした何晏

 

執拗にリベンジを要求する鄧展をまた瞬殺する俺

曹丕

 

曹丕に瞬殺された鄧展ですが、負けたのが信じられず、

「もう一回だけ、手合わせを願う」と喰い下がります。

 

鄧展武人らしからぬ、泣きの一回です。

 

曹丕は、

「ああ、、俺の手は速くて実戦タイプだからさ、

面みたいな、リスクが高い所は狙わないんだ。

もし、ズルいと思って怒ったならマジゴメン!

でも、これが俺のスタイルだから」と言いますが、、

 

鄧展は、それを聞くとなおさら、、

「もう一度、手合わせを願う」の一点張りです。

 

それを聞きいれた曹丕は、密かに考えます。

 

(鄧展は、今度は余り動かず、俺の動きが止まった瞬間を

突きで狙いにくるだろう、ならば、俺は敢えて、

鄧展に突っ込む振りをして隙を造るか・・)

 

曹丕が、鄧展に突っ込むそぶりを見せて踏み込むと、

鄧展はここぞとばかりに突きを放ってきます。

曹丕は、これをサッとかわすと、ガラ空きの鄧展の顔に、

面を打ち込んでしまいました。

 

一同、余りに鮮やかな面にシーンとなったそうです。

 

それを見た、曹丕は悠然と殿上に戻りながら、

 

「昔、名医の陽慶(ようけい)は、淳于意(じゅんうい)に、

彼が最初に学んだ医術をを放棄させて、頭の中をゼロにさせた上で

医学の秘術を授けたと聞いている。

今、俺も、その故事に倣い、鄧展将軍が元の剣術を捨て去り

 改めて立派な師について剣術を学ぶのを願うぞ」と言いました。

 

はい、出ました、曹丕、お得意の「余計な一言」です。

 

ここで、「つまらない余芸を見せたな、飲み直そうぞ」

とでも控えめに言っていれば、随分高感度も上がるのに、、

この一文で、剣の腕が立つのを自慢する嫌なヤツの印象が強まります。

まあ、ここが曹丕らしいと言えば、らしいのですが・・

 

原文:展意不平、求更為之 余言吾法急属、難相中面、

故斉臂耳展言願復一交、余知其欲突以取交中也、
因偽深進、展果尋前、余却脚(巣+おおざと)正截其顙、坐中驚視

余還坐、笑曰、 昔陽慶使淳于意去其故方、更授以秘術、

今余又願鄧将軍捐棄故伎、更受要道也 一坐尽歓

 

何でも出来るからって威張っちゃいけない俺

ツンデレ曹丕

 

上の故事を見ると、とてもそうとは思えませんが(笑)

曹丕は、典論の自叙で得意分野を自慢してはいけないと書いています。

 

というのも、曹丕は若い頃に、二刀流の剣術に優れて、

「自分より強い者なんかいない」と思い込むに至ったそうです。

ところが、陳の国出身の袁敏(えんびん)という剣術家に学ぶ機会があり、

 

「彼は一刀しか扱わないのに、二刀を操る対戦相手をいつも瞬殺した。

それは、変幻自在で、神の業の如く、こちらは袁敏の刀がどこから出てくるか、

まるで分らない、もし路地のような狭い場所で、袁敏と遭遇したら、

とてもその刀を防げないだろう・・」

 

と力量の違いを見せつけられ、愕然とし天狗の鼻を折られたと

書いています。

 

威張ってみたり、自信喪失したり、忙しい曹丕の

メンドクサイ性格が分る逸話と言えるでしょう。

 

関連記事:英雄たちの武器~青龍偃月刀と蛇矛を徹底分析

関連記事:そうだったのか!武器の特徴を知ると三国志の時代の戦い方が分かる!

関連記事:華麗なる中華世界を彩る武器~羽生結弦選手の武器

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

曹丕が剣術家でもあったというのは、結構意外な事実ではないでしょうか?

しかも、鄧展のような武芸の達人から鮮やかに一本取っているあたりは、

かなり熱心に武芸に打ち込んだ曹丕の青春時代が見えるようです。

 

でも、余計な一言で、折角の好印象を台無しにするのも、

いかにもメンドクサイ性格の曹丕らしいなと思います。

 

本日も三国志の話題をご馳走様・・

 

関連記事:張飛に怒鳴られて落馬して死んだ武将、曹丕の粋な計らい等、三国志を彩る変わった武将たち

関連記事:曹丕(そうひ)得意の詩で蜀の調理法を斬る

関連記事:実は冷血を演じたツンデレ曹丕、その理由とは?

 




よく読まれている記事

曹操01

 

よく読まれている記事:曹操を好きになってはいけない6つの理由

 

朝まで三国志

 

よく読まれている記事:朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第1部

kawauso 投壺

 

関連記事:三国時代の娯楽にはどのようなものがあったの?タイムスリップして当時の人に取材してみた

 

袁紹 曹操

 

よく読まれてる記事:【三国志if】もし袁紹が官渡の戦いで曹操に勝ってたらどうなってたの?

 

この記事を書いた人:kawauso

kawauso

■自己紹介:

どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

関連記事

  1. 株式会社三国志で働く劉備と孔明 諸葛孔明の影に隠れる劉備
  2. 愛馬に乗り敵を粉砕する張遼 正史三国志と三国志演義の張遼はどこまで違う?張遼の最強称号を斬る…
  3. 三国志時代の楽しい農村!当時の農業とはどんなのがあったの?
  4. 英雄曹操とナポレオンを比較 意外に似ている曹操とナポレオン、英雄対比してみた
  5. 夏侯覇 夏侯覇(かこうは)ってどんな人?夏侯淵の息子でもあり蜀に亡命した…
  6. 宴会マナーと酒(古代中国) こんなに厳しい!三国志の時代の宴会のマナーが超複雑
  7. 三国志の地図(州) 漢王朝の地図はどのように変化した?現代の中国地図とほぼ同じ?
  8. 孫家三代もメロメロ、実は周瑜と双璧の名将 程普の伝説

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 西洋が好きな霊帝
  2. 魏の夏侯淵
  3. 明智光秀が剣を持って戦っているシーン
  4. 劉姫
  5. 五虎大将軍の馬超
  6. カムヤマト(日本神話)
  7. 魯粛、周瑜、劉備

おすすめ記事

  1. 夏候惇と言えば独眼竜? 夏侯惇
  2. 「豎子に名を成せり」とはどのような意味なの?龐涓(ほうけん)の名言
  3. 趙娥(ちょうが)とはどんな人?復讐者兼暗殺者であった烈女・龐蛾親(ほうがしん)
  4. 黄祖(こうそ)とはどんな人?正当防衛なのに孫家に恨まれ続けて殺された人 孫策に攻撃される黄祖
  5. 【西郷どん】日米修好通商条約って何が問題だったの?
  6. まだまだいた三国志の名外交官たち5選 孔明

三國志雑学

  1. 疫病が流行った村
  2. 邪馬台国と魏軍の兵士
  3. 袁紹
  4. はじめての三国志 画像準備中
  5. 呂布と劉備
“はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 孟嘗君
  2. 幕末 魏呉蜀 書物
  3. 阿会喃(あかいなん)と猛獲
  4. 一騎打ちをする太史慈と孫策
  5. 馬超と韓遂
  6. 魏延

おすすめ記事

黒田官兵衛は牢屋に閉じ込められた時に何で自殺しなかったの? 曹操の魅力とは?武将アンケート同立2位 豊臣秀吉 戦国時代 【センゴク】最前線拠点の城主と調略戦に明け暮れた秀吉のご褒美って何? 甄氏(しんし) 思わずホロリ!曹丕の妻・甄氏(しんし)の人情に訴え掛ける名エピソード キングダム577話最新ネタバレ予想王賁は王翦の子じゃないの? 孫権に諫言する陸瑁 陸抗と孫権の間に遺恨は残らなかったの?二人のエピソードを紹介 袁紹と張り合った袁術が滅亡した原因って一体何なの? 西遊記 三国志 東方明珠のへなちょこ洛陽旅行記 その1

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集
“西遊記"

“三国志人物事典"

PAGE TOP