呂布(りょふ)はふたりの養父を殺害しております。
一人目は丁原(ていげん)。
二人目は董卓(とうたく)。
董卓は三国志を知っている方ならどのような人物か既に知っていると思います。
三国志を知らない方でも、悪逆非道でやりたい放題やった末、
呂布に殺害されてしまう人物だということは知っていると思います。
しかし一人目の呂布パパである丁原(ていげん)は一体どんな人物であったのか、
知らない方も多いと思いますのでざっくりと紹介しましょう。
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優れた武勇で役人へ
丁原は寒門出身の武将で、武技に秀でておりましたが学問が嫌いで、
勉強に励んでおりませんでした。
しかし自慢の武勇によって役人へと推挙されることになります。
事務能力は勉学を疎んじていたので、あまりありませんでしたが、
反乱軍や賊軍討伐の時には軍勢の先頭に立って戦い、連戦連勝を重ねておりました。
こうした実績が朝廷から認められて、幷州刺史に任命されることになります。
ついでに三国志演義では荊州の刺史へ着任することになるのですが、これは誤りです。
もしこれが事実であれば呂布とどうやって出会わなくなってしまいます。
呂布の養子に迎える
丁原は幷州の刺史へ着任すると、漢との国境で近辺暴れまわっている匈奴(きょうど)や
鮮卑族(せんぴぞく)などの異民族討伐に忙しく駆け回る毎日を送ります。
彼はある日異民族を国境から追い払うと一人の青年を見つけます。
この青年の外見は身長が高く、
また馬に乗りながら空を飛んでいる鳥を射落とすほどの弓術を持っておりました。
そこで彼は「どうだ私の元へ来ないか。」と誘います。
彼は「よろしいのでしょうか」と遠慮気味に丁原に訪ねます。
丁原は「おう。明日役所で待っているからその立派な馬と一緒に訪ねてくるがいい」と言い放って、
その場から去っていきます。
翌日丁原の元に昨日発見した大柄で爽やかな青年がやってきます。
彼は「今日からお前は私の部下だ。よろしく頼むぞ」と言葉を投げかけます。
すると青年は「はい!!」と元気よく返事をして、彼と共に役所巡りに向かっていくのでした。
この青年こそ後に天下無双の武を天下に見せつけた呂布です。
彼はその後丁原の養子となって親子の契を交わします。
正史三国志によると丁原と呂布は親子の契を交わしたと記載されておらず、
三国志演義にしか記載されていないため、実際は部下と上司の間柄だったのではと思われます。
しかし両人は非常に親密な関係を築いていたそうです。
呂布を部下に向かい入れた時、後年合肥でリアル無双をやり遂げ、
「遼来来」と言われて恐れられた張遼(ちょうりょう)も仲間に加わっております。
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大将軍の要請で洛陽へ
漢の大将軍・何進(かしん)は後漢王朝が腐敗していった原因を作ったのは宦官であると断定し、
彼らを抹殺するために各地から力のある太守や名声のある実力者を呼び寄せます。
何進からの呼び出しに応じたのは董卓や辺境の地で強力な兵士を要している太守が応じます。
この時丁原も何進からの呼びかけに応じて、彼の元へやってきます。
何進は丁原がやってくると彼を執金吾(しつきんご)に就任します。
この執金吾の役職は皇帝の身辺警護の親衛隊を率いる役職で、
現在放映中の大河ドラマ「真田丸」に登場する小早川秀秋もこの役職で呼ばれておりました。
また執金吾は青年時代の光武帝・劉秀(りゅうしゅう)も憧れを抱いていた役職。
このように名誉ある役職に任命された丁原はことの他嬉しかったと思います。
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董卓入城そして・・・・
何進は宦官に殺害されてしまいます。
その後何進の志を引き継いだ袁紹・袁術兄弟によって宦官は殺害。
この時皇帝は宦官と共に逃走しますが、途中で董卓とであったことによってなんとか洛陽へ
帰還を果たします。
洛陽へ戻った董卓は皇帝を手中に治めておりましたが、
自分が率いてきた兵力の少なさに不安を感じておりました。
また丁原が自らの考えに真っ向から反対意見を述べることにも嫌気が指しておりました。
そこで彼は一つの案が頭の中で閃きます。
その案は大きな兵力を有している執金吾を殺害して兵力を奪おうとする計画を立てます。
この計画を成功させるためには丁原の隣にいる呂布を味方に加えることが、
必須条件でした。
彼は呂布へあらゆる手を使って仲間になるように画策。
呂布ははじめの内は董卓からの誘いを断っておりましたが、
次第に高待遇で迎えられる事がわかってくると董卓に味方しようか迷い始めます。
しまいには董卓に味方することを決断。
そして彼は上司であり、自分を引き立ててくれた丁原の寝込みを襲って殺害。
こうして呂布は最初の裏切りを行い、董卓から優遇されることになります。
三国志ライター黒田廉の独り言
丁原は呂布を部下に加えることに成功しますが、
彼を軍事の担当の役職に任命しなかったそうです。
では呂布はどんな役職に就けたのでしょうか。
それは事務作業の役職です。
呂布がどのようにして事務作業を行っていたか気になりますが、
丁原の人を見る目の無さが浮き彫りになっている人選であると思います。
呂布は自分の好きなことを行う地位をくれなかった丁原を裏切る事は、
さして考えることではなかったのかもしれませんね。
「今回の三国志のお話はこれでおしまいにゃ。
次回もまたはじさんでお会いしましょう。
それじゃ~またなにゃ~」
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