民話に出てくる司馬懿がまるで昔話のいじわる爺さんレベル!


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陳寿

 

陳寿(ちんじゅ)が書いた正史三国志は、裴松之(はいしょうし)に増補され、

明の時代に至り三国志演義(さんごくしえんぎ)に発展していくまでに

戯曲や寸劇になり中国社会に広がっていきました。

 

曹操の三顧の礼02 荀彧

 

やがて、それらに触発されて民話の中に三国志の英傑達は出現していき、

荒唐無稽ながら、何らかの娯楽、教訓、時代背景を伴い現代まで伝承されています。

今回は、そんな民話の三国志から司馬懿(しばい)について解説します。

 

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諸葛亮孔明と司馬懿は学朋だった?

孔明と司馬懿

 

さて、岩崎美術社から発行された、「三国志中国伝説の中の英傑」という本の中には、

諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)と司馬懿仲達(しば・い・ちゅうたつ)が、

かつて学朋だったという民話らしい荒唐無稽な話があります。

 

昔、孔明がまだ若かった頃、司馬懿と学友だったという話がある。

二人の師は高名な兵法家で、自分の兵法の奥義を孔明と司馬懿のどちらか一方に

継がせたいと思っていた。

 

ある日、師がいつものように講義をしていると山から樵(きこり)が転げ落ちてきた。

それでも師は、構わず講義を続け司馬懿も何事もないように講義を聞いていた。

だが、孔明だけは、樵の所に飛んでいき助け起こしてから戻ってきた。

 

また、ある日の事、孔明の下に「母危篤」という手紙が届いた。

孔明は驚き、即座に師に休暇を願い出て、泣きながら故郷へ戻っていった。

まもなく司馬懿にも「父危篤」という手紙が届いたが、

司馬懿は一瞥して、手紙を一通出しただけで片づけた。


師匠が危篤に陥った時の二人の反応・・

司馬懿

 

それから一年後、師は病に罹り、司馬懿と孔明は交互に看病するようになった。

しかし、師の病はいよいよ重くなるばかりで、とうとう司馬懿が看病している時に

意識不明の重体に陥った。

 

すると、司馬懿は、これ幸いと師匠が隠していた奥義の書を盗み出し、

重病の師匠を放置して、さっさと家を出て行ってしまった。

その時、孔明は薬草を積みに山に入っていて、何も知らなかったが、

ちょうど家へ戻ってきた頃に師匠は目を覚ました。

 

師匠は起き上がり、司馬懿の姿がない事を知り全てを悟った。

そして、寝台の下に隠していた奥義の書を取りだして孔明に告げた。

 

「私が死んだら、亡骸もろとも、家を焼き払いなさい。

そして、どこか遠くに行って、この書の奥義を極めるようにせよ」

 

それからしばらくして、師匠は死んだので、孔明は遺言どおりに、

亡骸ごと家を焼き払い、南陽の臥龍崗(がりゅうこう)に住んで奥義を研究した。

 

【はじめての三国志平話】
三国志平話


司馬懿が奥義の書を開くとそこには・・

司馬懿

 

一方、師を見捨てて逃げた司馬懿は、せしめた奥義の書をさっそく開いた。

すると、そこには延々と白紙が続き、最期にこう書いてあった。

 

「天下を治めるには、親に孝養を尽くし、民を愛さねばならぬ、、

その二つが欠けている人間にどうして奥義が極められよう?」

 

司馬懿は、それを読んで驚くやら悔しいやら腹が立つやら・・

 

司馬懿

 

「あのクソジジィ、ワシを騙しおって、こうなれば力づくだ!」

 

司馬懿は徒党を組んで、師匠の家を襲おうとしますが、その頃には、

家は孔明によって焼き払われ、跡形もありませんでした。

 

司馬懿は奥義が孔明にさらわれた事を知り地団駄踏みますが、

全ては手遅れでしたとさ・・


  

 

三国志民話ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

この民話は、孔明を山から落ちた樵を助けたり、母の危篤に急いで家に戻るなど

人情のある善人として書いている半面で、司馬懿を目的(奥義の入手)以外の

何事にも関心を示さない冷酷な人物に描いています。

 

昔話によくある正直爺さん、いじわる爺さんのような対比ですが、

よくある曹操(そうそう)ばかりでなく、司馬懿も単独で悪役として

扱われている所に特徴があります。

優れた軍師は人格にも優れているのだ!という勧善懲悪的な内容ですが、

三国志演義では兵法でも孔明に劣り、民話では、人格でも落ちる扱いをされるとは、

司馬懿がいささか可哀想でもありますね。

 

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【昔の人の二次創作 民話の中の三国志】
民間伝承の三国志

 


 

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