【三国志ライフハック】好きな事だけを優先してやった曹操

2017年7月23日


 

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三国志のマルチ人間、曹操(そうそう)は、落ち着きのない性格であったと

曹瞞(そうまん)伝には書かれています。

彼は、軍人であり、詩人であり、政治家であり、グルメ評論家という、

複数の顔を持ち、精力的に活動しましたが、同時に自分が好きな事に打ちこむ為

自由な時間を創出できる才能にも長けていたのです。

 

 

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



曹操曰く ヒマは待っても来ない、造り出すものじゃ

 

私達は、ヒマというのは、オフの日であるという印象を持ちます。

つまり、何も予定が入っていない日をヒマだと考えているのですが、

もちろん、中華の3分の2を制した曹操にオフの日なんてありませんでした。

曹操にとって、ヒマは造り出すもので普段は多忙さに殺されてしまいそうな

過密スケジュールを毎日生きていたのです。

では、曹操はどうやって、ヒマを造り出していたのでしょうか?

 



曹操曰く 自分でやらなくていい事は他人に任せるのじゃ

 

曹操がヒマを産み出した方法は、自分でやらなくていい事は

極力他人に任せてしまうという方法でした。

 

例えば、曹操は司空府・丞相府において軍師、軍師祭酒による

参謀集団を構成して政策、戦略決定に関与させています。

特に中軍師、荀攸(じゅんゆう)は軍師集団の筆頭に任命されて、

「軍事・国政・人事・裁判・法制」を荀攸に決済させました。

この軍師祭酒には、荀彧(じゅんいく)郭嘉(かくか)もいて、

曹操に代わり軍事や国政、人事、裁判、法制を色々決定して報告したのです。

 

曹操曰く 朝廷の事も他人に任せるのじゃ

 

また、建安七子に数えられる陳琳(ちんりん)王粲(おうさん)、阮瑀(げんう)

徐幹(じょかん)のような名文家は曹操の秘書として機密を扱うようになります。

ただ、漢詩を詠んでいただけではなく、同時に曹操の秘書として、

国家機密をあれこれ処理する立場にいたのです。

 

曹操以外の群雄も、名士を引き込んでアドバイスなどをさせていますが、

どこまでも助言者で決定権は君主にあり、権限の線引きが曖昧でした。

しかし、曹操は完全に権限を与え、失敗したら厳罰に処す事で、

部下の参謀や秘書集団に自律的に仕事をさせているのです。

 

日々の生活を工夫で楽しくする『三国志式ライフハック

 

曹操曰く 家庭の事は妻に任せるのじゃ

 

曹操には13人の妻と、25人の男子、7名の女子がいましたが、

そのような家庭の事は、卞(べん)夫人に一任して、取り仕切らせていました。

卞夫人は芸妓出身の苦労人で、人情に厚く慎ましい倹約家で、

嫉妬もせず、増え続ける曹操の妻と子供達の面倒を見て、

それらを一家として取り仕切っていたのです。

 

こうして、曹操は自分が処理すれば、体が幾つあっても足りない事を、

軍師・参謀集団、秘書官集団、正夫人に任せてしまい、

自分は重要な決定や、全体の経緯だけを見ていました。

これは、凄まじい時間の節約に繋がって行ったのです。

 

曹操の文化事業は生み出したヒマで達成された

 

こうして、造り出したヒマで、曹操は兵法書を幾つも書いています。

若い頃から、万巻の書を読んだ曹操が、最も好んだのが兵法書で、

有名な孫子兵法書の注釈、魏武註孫子や、大公陰謀、兵書接要、

兵書論要というような兵法書を執筆したとあります。

 

生涯戦争ばかりしていた曹操が著作に励めたのは、

自分でやらなくて良い事は他人に任せたからなのです。

 

これ以外にも曹操は、グルメでもあり「四時食制」という料理本を書き、

献帝には、九醞春酒法(きゅうおん・しゅんしゅほう)という麹を使った

度数が強く香りの良いお酒の造り方を上奏しています。

また、多数の漢詩を読んで、その天才ぶりが後世に残っていますが、

 

これも、自分でやらないで良い事は、他人に任せると言う

スタンス無くして出来る事では無かったのです。

 

全て自分で決済して、寿命を縮めた諸葛孔明

 

曹操と対照的なのが諸葛亮(しょかつりょう)です。

彼は、長い間、隆中で晴耕雨読していたせいか他人に出来る事は、

他人に任せるという事が出来ず、全て自分で決済し、なまじ有能であった為に

権力を自分に集中させては、仕事を増やし、そのせいで多忙を極め、

ついには、健康を損ねるという悪循環を繰り返しました。

 

孔明には、趣味らしい趣味の話もありませんが、

24時間の仕事人間では自分の為の時間など、持ちようが無かったでしょう。

孔明はライフハックの観点から見ると、落第生なのです。

 

あのホリエモンも、自分のやりたい事以外は、他人任せ

 

はじさん書評倶楽部で紹介した「多動力」の著者、堀江貴文も、

やりたい事だけをやる為に、最近では家も持たずにホテル住まいで、

自分の荷物はトランク3つ、仕事はパソコンとスマホで済まし

掃除も洗濯も他人に任せ、食事は全て外食に頼っています。

そうして、自分でやらなくていい事はすべて、他人に任せて、

ガンガン自分のやりたい事だけを行っているのです。

 

これこそ、曹操が実践した事であって、ホリエモンは三国志を

読んでいないとは思いますが、なにかしらの実績を残す人は、

上手く、他人に任せてヒマを造っているんですね。

 

 

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三国志ライフハッカー kawausoの一言

 

一昔前の日本では忙しくて息つく暇もないのが美徳でしたが、

現在成功している企業家は正反対で、自分が自由に使える時間を重視しています。

何故なら、新しいビジネスチャンスが出て来た時に、ヒマがないなら、

それをみすみす取り逃がしてしまうからです。

 

ネット社会は先行者が大きな利益を得る世界であり、乗り遅れると、

自分が始めた頃には、レッドオーシャンという事にもなりかねません。

 

ヒマがない人は時代に取り残され、常に、チャンスを掴む事が出来ず

不利益を被る事がこれから増えていくのです。

 

もし、あなたが、時間に雁字からめで、動く事さえ出来ないなら、

どうか、ヒマを創出して新しい事をキャッチして始められる準備をしましょう。

他人に任せられる事は他人へ、これが成功する人のキーワードなのです。

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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