張飛と龐統の関係性が面白い!アル中がアル中に説教!?

2019年7月29日


 

龐統

 

龐統(ほうとう)劉備(りゅうび)の軍師です。実力は諸葛亮(しょかつりょう)と同レベルであり、諸葛亮が「伏龍(ふくりゅう)」と呼ばれるのに対して、龐統は「鳳雛(ほうすう)」です。

 

龐統

 

小説『三国志演義(さんごくしえんぎ)』では龐統が劉備の陣営に加わる話が、非常にユーモアに描かれています。今回はその話を紹介します。

 

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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龐統 孫権の怒りを買う

周瑜

 

建安15年(210年)に呉(222年~280年)の周瑜(しゅうゆ)が亡くなりました。

 

魯粛

 

孫権(そんけん)魯粛(ろしゅく)を周瑜の後継者にしますが、「待ってください」と魯粛。

 

「私よりも実力のある人物を紹介します」と魯粛は辞退。

 

ただ、やりたくないのが見え見え・・・・・・というわけで、魯粛の推薦で現れたのが龐統でした。

 

龐統

 

ところが、この時の龐統はボロボロの汚い服で孫権の前に登場します。まるでホームレス同然。

口調もぶっきらぼうだし、おまけに顔はブサイク・・・・・・

 

「晃、男は顔じゃなく心だ!」

 

人は見た目が9割というのが分かっていない読者の皆様もいるようですけど、先を行きましょう。美男子の周瑜と天と地の差なので孫権は、龐統を追い出しました。追い出された龐統はどこに行くのでしょうか。

 

 

 



龐統 劉備をガッカリさせる

龐統

 

龐統は次に荊州の劉備に会いにきました。劉備は有名な龐統が来たと聞くと驚いて、すぐに出迎えの準備開始。まるで芸能人に対しての待遇と一緒です。ところが会ってみると、劉備の気持ちは孫権と一緒でした。

 

「ええー、これがあの有名な龐統?ただの汚いオッサンじゃん!」

 

孔明

 

諸葛亮に「こいつどうしようか?」と相談したかったが、運悪くこの時は彼がいなかった。だが諸葛亮の友人である龐統を、勝手に追い返すわけにはいかない。

 

「龐統先生には、耒陽県(らいようけん)の県令の職が余っていますけど、いかがですか?」と劉備は尋ねます。

龐統は「田舎仕事ですか?気楽でいいですね」とOKサインをしてくれます。というわけで、龐統は耒陽県に赴任しました。

 

 

張飛 龐統を説教する

ゆるキャラ龐統

 

ところが、着任するも龐統は仕事をするどころか酒を飲んで全く働きません。毎日、訴訟が山のようにたまっていきます。とうとう耒陽県の民から、劉備のもとに訴えがきました。

 

ブチギレる劉備

 

聞いた劉備は激怒。

 

「あのオヤジ、仕事をなんだと思っている!」

 

五虎大将軍の張飛

 

そこで張飛(ちょうひ)孫乾(そんけん)の2人に命じて、耒陽県の監察を命じた。張飛と孫乾が行くと確かに龐統は働いておらず、酒ばかり飲んでいました。

それどころか龐統は張飛を見つけると「お前が有名な張飛か。一杯やろう!」と酒に誘う始末。

 

大声を出す張飛

 

怒った張飛は「貴様、酒ばかり飲みやがって!」と大説教を開始。

 

アル中がアル中に説教・・・・・・今日の張飛はどうしたのだろうか?きっと、道端の悪いキノコを食べたに違いありません。まあ、冗談はここまでにしておいて、張飛に何を言われようと龐統は平気な顔。

 

「たまった訴訟なら、明日には片付けてやるよ」と龐統は軽く約束しました。

 

 

龐統 劉備の軍師になる

張飛の男気人生

 

翌日、張飛と孫乾が起きてみると龐統は真面目に働いていました。民の訴訟を聞いて1件1件、丁寧に片付けていました。傍聴している張飛と孫乾はあまりにも、見事な裁判だったので納得しました。

 

とうとう夕方には全ての訴訟を終わらせました。感服した張飛は平服して「今までの無礼は許してください」と謝罪します。

 

帰った張飛は劉備に全てを報告します。

 

「人は見かけによらないものだな・・・・・・」と劉備はため息をつきました。

 

するとちょうどそこへ、用事を終えた諸葛亮が帰ってきます。劉備が今までのことを話すと諸葛亮は、「龐統は満足した職に就けなかったら、働かずに酒ばかり飲むのです。劉備殿もこれに懲りて、彼を大切に扱ってください」反省した劉備は龐統を召喚して副軍師に任命しました。

 

三国志ライター 晃の独り言

三国志ライター 晃

 

以上が小説『三国志演義』の龐統の話でした。実はこの話の元ネタとなった人物が1人います。

 

蒋琬(しょうえん)

 

それは蒋琬(しょうえん)です。彼は小役人時代に泥酔して仕事を全くしませんでした。劉備は処罰するつもりでしたが諸葛亮は「彼は国家を背負う人材だから、こんな田舎の官職で満足する人間ではない」と言ったことから助かった話があります。

 

おそらく、『三国志演義』の著者が蒋琬の話と龐統の話を合体させて、ユーモアにしたのだろうと筆者は推測しています。

 

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晃(あきら)

晃(あきら)

横山光輝の『三国志』を読んで中国史にはまり、大学では三国志を研究するはずだったのになぜか宋代(北宋・南宋)というマニアックな時代に手を染めて、好きになってしまった男です。悪人と呼ばれる政治家は大好きです。
         好きな歴史人物:
秦檜(しんかい)、韓侂冑(かんたくちゅう)、 史弥遠(しびえん)、賈似道(かじどう) ※南宋の専権宰相と呼ばれた4人です。
何か一言: なるべく面白い記事を書くように頑張ります。

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