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司馬師の性格ってめちゃくちゃマジメ?姜維との一騎打ちすら断らない健気さを見よ!

李豊を蹴る司馬師


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司馬師と司馬懿

 

最終的には中国統一に成功し、三国時代を終わらせる、司馬一族。有名な司馬懿から数えて、その一族の二代目にあたるのが、司馬師(しばし)です。この司馬一族、三国志のファンからみると、だいたい不人気であると相場が決まっております。

 

死期を悟る曹操

 

「あれだけ理想に燃えた劉備(りゅうび)でも曹操(そうそう)でもなく、第三勢力の孫権(そんけん)でもなく、物語の後半に突然出てきたこの連中がおいしいところだけ持って行ってしまいやがった!」と見えてしまうからでしょうか。

 

晋の司馬師は玉座に座る

 

そういうわけでこの司馬師も、大きな功績のわりには、どうも人気がありません。まあ司馬懿(しばい)の息子で司馬炎(しばえん)の叔父というポジションですから、「相当に性格の悪い陰謀家だろう」という先入観でみられても仕方のない血筋なことは、たしかですが。

 

自称・皇帝
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関連記事:【もう一つの三国志】司馬師暗殺計画の裏側

関連記事:衝撃!高平陵の変の黒幕は司馬師だった!


やはり司馬師は残忍冷酷?『三国志演義』の終盤に出てくる怖い人のイメージ

司馬師

 

実際、『三国志演義』の終盤で、司馬師は以下のような行動を取っています。

 

張緝(ちょうしゅう
)
李豊(りほう
)
夏侯玄(かこうげん
)
が、魏の皇帝曹芳(そうほう
)
とひそかに語らい、「司馬師を誅殺しよう」という血書をしたためていた

・部屋から出てきた張緝と李豊と夏侯玄のところへ、司馬師が通りかかった

・「お前ら、なんで泣きはらした赤い目をしているのだ」と司馬師が質問すると、三人はタジタジに

・ついに夏侯玄が態度を変え「我々が泣きはらしていたのは、皇帝陛下をないがしろにするお前の専横が目に余るからだ!」と司馬師を罵った

・司馬師は「私の父の司馬懿は皇帝陛下の一族を立ててがんばった。私も今の陛下を盛り立ててがんばった。それを認めずに恩を仇で返すとはナニゴトだ!」というようなことを言い、三人を捕縛し、さっさと殺した

・すぐさま皇帝の曹芳のところに行き、「あの三人と密謀をはかっていたというのは本当ですか」と詰めた

曹芳が「いや、あれは張緝と李豊と夏侯玄に迫られてやったことで本心じゃないんだ」と言うと、司馬師はマジギレした

・これを口実に、けっきょく曹芳を廃位に追い込んだ

 

一瞬で反乱者を片付け、さらに時の皇帝すらあっけなく更迭してしまう手際の良さ。このくだりを読むと、やはり司馬師は「おそろしい男」というイメージになるのではないでしょうか?


この事件をよく読み直してみると司馬師にも存外言い分が!

羅貫中

 

ですが、思い出してみてください。

 

三国志演義』の作者である羅貫中(らかんちゅう)は、「物語をおもしろくするためなら、史実をゆがめてナンボ」な、過剰脚色の常習犯。しかもその羅貫中は大の蜀びいきときています。蜀を滅ぼすことになる司馬一族に対しては冷ややかな見方をしていることを、忘れてはなりません。

 

司馬師と司馬懿は晋建国の功労者

 

ここは見方を変えて、この「皇帝廃位事件」も事実だけを冷静に見てみましょう。よく読むと、司馬師は別に間違ったことはヒトコトも言っていないのです。

 

「お父さんの司馬懿は曹一族が天下を取るのをむしろ助けた忠臣なんだぞ!」という叫びは、まったくもってその通り。

「自分も蜀や呉との戦いに東西走り回って、すごくがんばっているんだぞ!」という叫びも、たしかにその通り。

 

司馬師

 

そして皇帝を廃位した点についても、「陰謀をあっけなく部下のせいにして逃げようとする皇帝なんぞを立てていたら、下の者にも示しがつかない!」という判断だったとしたら、そんなに非道な判断とも言えなくなってきます。

 

確かにさっさと三人を処刑してしまったり、怒りにまかせて強引に曹芳を追放したり、やり方が拙速なところはあります。ですが見方を変えると、司馬師自身は帝位を簒奪するほどの野望を最初から抱いていたわけではなくて、単にマジメな人だった、という解釈もできるのでは?


司馬師の性格を深読みするとようやく納得できる「姜維との無謀な一騎打ち事件」

司馬師

 

司馬師が「単にマジメな人だった」と仮定すると、妙に納得がいく事件があります。実は司馬師は、かの姜維と一騎打ちをしているのです。わずか三合だけうちあって、すぐに逃げ出していますが。考えてもみてください。

 

司馬師は、この頃すでに飛ぶ鳥を落とす勢いの権力者になっていました。別に戦場の最前線に出なくてもいい身分だったはずです。ましてや、武勇ではかの五虎将軍にも匹敵するレベルとされる姜維に、わざわざ一騎打ちで挑むリスクを冒す理由は何もありません。

 

李豊を蹴る司馬師

 

三国志の世界では、「偉い人がわざわざ一騎打ちに出て行って、ちょっと戦ってすぐ逃げ出すのは、調子に乗って追ってきた相手に罠を仕掛けるための策略だった」というパターンが実に多いのですが、このときの司馬師にはどうやらそういう背景すらなかったようです。

 

司馬師が逃げて来たあと、彼の軍は大混乱となり、姜維軍にボコボコにされて大損害を受けています。

 

つまりこの時の司馬師は、「あ!姜維がいる!オレも一騎打ちくらいはたまにはしなくちゃいけないかな」と思い立ち、挑んでみて、「ヤバイ!やっぱムリ!」とあわてて逃げ出しただけだったと思われます。

 

ムリなんだったら最初から一騎打ちなんかしないで後ろに引っ込んでくれていたほうが、部下たちも楽だったろうに!

この中途半端な「一騎打ちごっこ」はなんだったのでしょう?マジメか!


まとめ:その最期も含めてあまり幸せそうでなかった司馬師

司馬師

 

言われてみれば、彼の死に方にもナゾがあります。

 

毌丘倹が反乱を起こした時、司馬師は既に病だったので、反乱鎮圧は人に任せて都で休むという判断もできたはずです。ですが(鍾会が「あんた戦場に出ずに休むのかい?」というような余計なことを言ったせいもあり)「やっぱりオレが行かなくちゃ示しがつかない」とガバと寝床から起き上がり、出陣した結果、戦地での早世となります。マジメか!

 

失敗し落ち込む司馬師

 

その司馬師、最期に弟の司馬昭に、「本当はこんな巨大な権力、放り出したかったんだよ」と言っています。存外、これが司馬師の本音だったのかもしれません。

 

三国志ライター YASHIROの独り言

三国志ライター YASHIRO

 

雪だるまのように自分の周りに権力が集中してくることを、「しめしめ!」とほくそ笑んでいたわけではなく、「このままじゃ私が皇帝にまつりあげられちゃうよ」と戸惑いながら必死に働いていたがんばりやさん、というだけだったのかもしれません。

 

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YASHIRO

YASHIRO

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とにかく小説を読むのが好き。吉川英治の三国志と、司馬遼太郎の戦国・幕末明治ものと、シュテファン・ツヴァイクの作品を読み耽っているうちに、青春を終えておりました。史実とフィクションのバランスが取れた歴史小説が一番の好みです。

好きな歴史人物:
タレーラン(ナポレオンの外務大臣)

何か一言:
中国史だけでなく、広く世界史一般が好きなので、大きな世界史の流れの中での三国時代の魅力をわかりやすく、伝えていきたいと思います

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