水滸伝には三国志演義が元ネタになったのかな?と思わせるような描写がたくさん出てきます。
その中でも良く言われるのが、水滸伝の林冲と三国志演義の張飛。豹頭、虎髭、蛇矛、五虎将などなど……かなり林冲は張飛に似せられた人物として描かれていますね。
しかし実はもう一人、林冲にはミキシングされていた人物がいた!?
……んじゃないかなー?という主な想像が、今回のお話です。
林冲について
林冲は梁山泊座席第六位。星は天雄星、そしてあだ名は豹子頭。そのあだ名から分かるように、豹のような頭で虎髭という、三国志演義での張飛の外見イメージと酷似する人物として描かれています。
また梁山泊の役職は「騎兵軍五虎将」、そして武器は蛇矛。これは三国志演義で張飛が五虎将軍であり、武器も蛇矛を愛用していた所とほぼ同じですね。
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林冲は愛妻家さん
そんな林冲ですが、作中では愛妻家として有名です。綺麗な奥さんと一緒に過ごしていましたが、ここに余計な人物が現れました。その名は高衙内。彼はよりにもよって林冲の上司の養子でした。
そしてこの高衙内、とんでもないことに林冲の奥さんに横恋慕するのです。しかも上司権限を使っての大変厭らしいやり口で、林冲は無実にも拘わらず流罪とされてしまいました。
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林冲にとっての悲劇
流罪とされて引き裂かれた林冲とその妻。その後も追い打ちのように散々な目に合わされますが、林冲は何とか生き延びました。そうして林冲、愛する妻を取り戻そうとするのですが……貞淑な奥さんは、夫以外との婚姻関係になることを望まなかったのでしょう。なんと林冲と再開できぬまま、自殺していたのです。
正に悲劇、何とも後味の悪いまま愛し合う夫婦は権力で引き裂かれたまま終わるのです。納得いかない
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林冲のイケメン化
と、張飛と同じようなキャラクターな林冲ですが、漫画化、映像化されると実はテンプレートの張飛のイメージとは違い、良く言うイケメンとされていることが多いです。
これには上記の愛妻家、しかも引き裂かれたまま終わるという悲劇からでしょうか。水滸伝では数多くないラブロマンス(悲劇)の担当からか、林冲はイケメン化されていることが多いですね。
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張飛と奥さん
さてここで張飛のお話。実は張飛の奥さん、ご存知の方も多いかと思いますが、実は夏侯家の女性とされています。しかも夏侯覇の従妹、夏侯淵からすると姪っ子とされて、もっと話すと曹操から見ても一族の一人。
つまり魏の皇族の関係者、更に言うなら二人の娘が劉禅の皇后なので、蜀の皇族関係者にもなります。敵対する二人が結ばれるラブロマンス……張飛も林冲に負けず劣らず、三国志演義のラブロマンス担当と言えるのかもしれません。
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