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突然LV1にダウン!超弱虫になる三蔵法師
西遊記の、もっというとお供が増えてからの三蔵法師は、妖怪たちに驚いて怖がったり、かと思えば妖怪たちの罠にあっさり捕まってしまったり、それを心配して孫悟空が苦言を呈せば「お前なんか破門だー!」と言う始末。
そうして起こった悟空が出奔、やっぱり妖怪の罠だったよ助けて悟空―!……これを繰り返します。あれあれ、ちょっと旅の前と性格が違いすぎやしませんか?
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三蔵が弱くなるのは孫悟空たちを目立たせる脚色
この三蔵法師の性格形成についてですが、理由の一つに、これが「西遊記」であることが挙げられます。というのも、西遊記は冒険話でもあるので、とくに何の苦労もなく、イベントもなく、天竺に辿り着いては盛り上がりません。
という訳で何らかの障害が起こるのに、三蔵法師がうっかり敵の罠にはまる、というのがお約束の楊に描かれました。なので三蔵法師のちょっと問題児ぶりは、西遊記を西遊記とするのに不可欠な要素となったのではないでしょうか。
なんで三蔵法師一行は欠陥だらけなのか?
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三蔵法師のモデル玄奘も豪胆な性格だった
さて、もう一つの三蔵法師の人格形成について。そもそも三蔵法師には玄奘、という歴史上の人物、偉大な僧が存在します。彼は仏道研究のためにインドに渡り、長い年月をかけて仏教を祖国に広めました。
しかし実はその始まりは、祖国からの密出国からのスタートです。つまり罪を犯しているのですね。ただこの罪は、功績によって不問……もしくは、玄奘の得た知識を利用するために目を瞑ったと言われています。
だけどじゃあ西遊記もそのままじゃ国家の威信に関わる。という訳で玄奘は国からの依頼で旅立ったことにしよう、ついでに波瀾万丈物語にもしよう、そしてそれを円滑化させるために玄奘をだだっこちゃんにしてしまおう……密出国からも目を反らすために。
という訳で三蔵法師の人格形成が行われたのではないか、と思いました。
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三国志ライター センのひとりごと
三国志演義でも劉備の人格者ぶりを強調するために張飛が乱暴になったりもしていますし、物語にするに至って、そういう方が書きやすい、というのはあったのではないかと思いますね。ただそうしてしまうと本文を通して見てみると、違和感があるのはどうしても出てきてしまうもの。
三国志演義で言うなら、関羽と黄忠のバトルで関羽は黄忠を称えてるのに、その後の五虎将軍ではいきなり「あんな老人と一緒にするのか!」と怒り出すという齟齬が生まれています。
こういうちょっとした違和感は決して悪いものではなく、どうしてそれが生まれたか、と考えるのが好きです。という訳で細かいことを気にするのは筆者のイケない癖!でどうかよろしくお願いします。
どぼーん。
参考文献:西遊記
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