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涙なしには語れない桃園の結義

2015年2月8日


 

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桃園の誓012

 

桃園の結義(または桃園の誓い)は、劉備(りゅうび)関羽(かんう)張飛(ちょうひ)の三人が、義兄弟の契りを結ぶという有名なシーンです。「同年、同月、同日に死ぬことを誓う」このセリフに込められた想いは、並々ならぬものです。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三人の願った生き様が浮き彫りに

関羽 神様

 

劉備と関羽と張飛の三人は、「一緒に死ぬ」ことを誓い合いました。ここはもし孫策(そんさく)孫権(そんけん)の兄弟であれば、「一緒に天下を取ろうぜ!」という誓いである気がします。

 

みんなで魏志倭人伝(夏侯惇、典偉、夏侯淵、許長、張遼、曹操)

 

ちなみに曹操(そうそう)夏候惇(かこうとん)夏侯淵(かこうえん)であれば(兄弟ではなく親戚ですが)、「一生俺を裏切るな」かもしれません。しかし劉備たち三兄弟の誓いは「死ぬこと」です。一緒に死ぬというのは、つまり、戦死。

 

黄巾賊

 

畳の上で大往生することなんて、望んでもいなかったということです。政治腐敗や黄巾の乱で乱れた世の中で、少しでも役に立つ働きをして、戦い抜いて一緒に散っていこうという誓いなのです。武士ですね。

 

セミナリオ(教会)

 

この時代ではまだ確立されていませんが、中国には道教という土着の宗教があります。これは中国独特の宗教で、仏教やキリスト教などの世界宗教とは大きく違う点があります。

 

道教の一番の特徴

子供 桃園

 

それは道教では、「現世利益」を大切にしているところです。死んだあとのことではなく、今生きているこの時が大事という思想です。こういう国民性を持つ人たちの中で、「一緒に死のう」と誓う三人の姿は、かなり特殊であり、胸を打つものであるといえます。数千年たっても、彼らの物語が人々の心を惹きつける理由も、ここにあるのかもしれません。

 

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誓いの通りの死に際

劉備 関羽途方 ぶち切れ

 

220年1月、関羽が呉軍によって殺されると、劉備は孔明が止めるのも聞かず、かたき討ちに出陣することを決めます。

 

亡くなる張飛将軍

 

221年6月、準備が整い、いざ出陣、というときになり、張飛が部下に殺されてしまいます。

 

張飛の寝込みを襲う張達と范彊

 

関羽のかたき討ちに息巻くあまり、部下に対する態度がひどかったためです。

 

劉備の臨終に立ち会う孔明

 

223年6月、関羽、張飛を失った劉備は、それでもかたき討ちに出陣しました。初めは連勝していたものの、だんだんと劣勢になり、陣中で病を得た劉備は、帰陣することなく途中の白帝城で亡くなります。同年同月同日、というわけではありませんが、ほぼ同時期に、三人とも無念の死を遂げました。

 

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