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劉邦の配下は悪党ばかりで最悪な軍だった?【後半】

2016年11月6日


 

陳平 劉邦

 

劉邦(りゅうほう)彭越(ほうえつ)韓信(かんしん)が援軍を出さないことに激怒。

しかし張良(ちょうりょう)は劉邦に対して

「王よ。ここは莫大な恩賞を約束すれば、彼らは必ず援軍を出すことでしょう。」と進言。

劉邦は張良の意見を採用して、再び二人に使者を送ります。

彭越は再度劉邦の使者と引見。

この時劉邦の使者は

「もしあなた様が劉邦様に援軍をお出ししてくれれば、

王は天下統一がなった暁には梁(りょう)王の位と領土をお与えなさるそうです。」と答えます。

この言葉を聞いた彭越は劉邦へ援軍を出すことに決めて出陣。

王の位という餌に釣られて援軍を出すことにした彭越ですが、

援軍を出したことで彼の運命は大いに変わってしまいます。

そして劉邦軍と合流を果たすと果敢に攻撃を行い項羽(こうう)を滅ぼすことに成功し、

天下は漢王劉邦が統一することになります。

 

前回記事:劉邦の配下は悪党ばかりで最悪な軍だった?【前半】

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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梁王に就任

劉邦

 

項羽を滅ばした後天下統一を果たした劉邦は約束通り彭越を梁王の位と広大な領土を与えます。

こうして王の位に就任することができた彭越は、大いに喜び豪華な暮らしを送っていきます。

しかし劉邦は彭越や韓信、英布らに対して快く思っておらず彼らを疑い始めます。

 

陳豨討伐戦に参加しない

劉邦

 

劉邦は挙兵当時から彼を支えてくれた功臣である陳豨(ちんき)が反乱を起こしたとの報告を聞くと

大いに怒り、諸将へ号令をかけて彼を討伐する軍勢を編成し、自ら軍勢を率いて出陣。

この時彭越にも討伐軍に参加するように命令を出しますが、

彼は劉邦の命令に対して「病の為出陣できない」と言って断り、

自分の配下に軍勢を授けて参加させます。

劉邦は彭越が命令を無視したことに激怒して、

彭越に対して怒りの使者を送ります。

彭越は劉邦がものすごく怒っていることを使者の口上から伝わり震え上がり、

このままでは殺されるのではないかと劉邦を疑います。

だが謀反を起こす勇気がなく、

彼は時間が解決してくれるはずだと信じて何も手を打ちませんでした。

 

部下の讒言を信じた劉邦は彭越を庶民に落とすも・・・

張良㈭ 広武山決戦編04 劉邦

 

彭越は部下から「このままでは劉邦に殺害されてしまうかもしれません。

やられる前に反乱を起こしたほうがいいのではないのでしょうか」と勧められます。

しかし彭越はこの進言を取り上げずに部屋に引きこもってしまいます。

この時彭越の部下が二人のやり取りを盗み聞きしており、この内容を劉邦へ伝えます。

劉邦はこの内容を聞くと彭越をすぐに呼ぶとともに王の位を剥奪して、

彼を蜀へ追放することを決めます。

こうして元盗賊の王様であった彭越は元の庶民へと落とされてしまいますが、

彼に最後のチャンスが舞い降りてきます。

蜀へ向かう時劉邦の妻で旅行の帰りであった呂雉(りょきじ)と会うことができました。

彭越は早速呂雉に拝謁すると「私は罪を得て庶民になり、

今から蜀へ向かうのですが陛下に地元で暮らしたいとお願いしてもらえないだろうか」と懇願。

呂雉も彭越の懇願を聞き入れ快諾した後、彼と別れて劉邦の元へ向かいます。

そして劉邦と会うと彼女は「陛下。彭越のような野盗を生かしておいては、

再び反乱を起こすかもしれません。」と彭越を生かさず殺害したほうがいいと提案します。

劉邦は始めこの提案を断っていましたが、彼女に押し切られてしまい彭越を殺害すことを決めます。

こうして彭越は呂雉に裏切られてしまい、殺害されてしまいます。

そして彼の遺体はミンチにして諸侯へ配るというなんとも悲惨な最後を迎えることになります。

この彭越への処遇の仕方を見た諸侯は劉邦の猜疑心の深さと呂雉の恐ろしい反面を目撃することになり、

大いに恐る中刺青をした親分である英布は劉邦へ反乱を行う決意を固めます。

 

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あの有名な○○もガラワルだった

韓信と劉邦

 

さて劉邦の配下であるガラワル三羽烏シリーズも最後の一人になりました。

今回は皆さんも知っている○○も昔非常にガラが悪く、

任侠の世界ではそれなりに名を広めていた人物で、劉邦の地元では彼の兄貴分だった人です。

 

沛の豪族出会ったガラワル

 

劉邦の地元は豊(ほうけん)でこの土地の任侠者としてそれなりに名を広めておりました。

しかし劉邦の兄貴分で沛の土地の有力者としても有名であった雍歯(ようし)。

彼は義に厚い王凌(おうりょう)と共に実力者として隣県にもその名を知られておりました。

そうです今回の主人公は皆さんもよく知っている雍歯です。

え!?誰も知らないし、有名じゃないって。

そんな馬鹿な。

・・・・

・・・・

・・・・

ではこの記事を見て、彼の事を知って楚漢戦争に詳しくなってください。

 

劉邦の挙兵に従うが・・・

劉邦 ヤンキー

 

秦が崩壊して各地の実力者達が挙兵すると劉邦も兵を挙げて、秦へ反乱を起こします。

この時沛の実力者であった雍歯も劉邦に従って共に挙兵。

劉邦は兄貴分である雍歯を丁重に遇して、彼に豊の守備を任せることにして、

自らは兵を率いて各地の城を攻略するため出陣します。

劉邦が外で秦の城の攻略に励んでいる中、豊の雍歯元へ陳勝の配下から使者がやってきます。

 

劉邦を裏切る

劉邦

 

この使者は雍歯と会うと「張楚(陳勝のこと)からの伝言である。

すぐに私達へ降伏すれば豊の人々の命とあなたの命は助けるが、

もし幸福しないのであれば、皆殺しにする」と降伏勧告を行ってきます。

雍歯は元々劉邦の兄貴分であり彼の下風に立つ事を快く思っていなかったこともあり、

陳勝の勢力に降伏することにします。

こうして豊の人々も雍歯に従って陳勝の配下になってしまいます。

劉邦はこの知らせを聞くと攻めていた城の包囲を解いて、すぐに豊に攻撃を仕掛けます。

しかし豊を守る雍歯と民衆が協力して劉邦軍の攻撃を防いでいたことから、

この城を陥落させることを諦めて、劉邦軍は去っていくことになります。

 

陳余の配下になる

韓信

 

雍歯は二度目に攻め込んできた劉邦軍の攻撃を防ぎきることができずに、豊を取られてしまいます。

しかし彼はなんとか劉邦軍の包囲を脱出して、北へ逃亡します。

その後陳余の配下となっていましたが、漢の大将軍として攻撃を仕掛けてきた韓信軍に敗北。

雍歯は韓信に降伏し再び劉邦へ仕えることになります。

 

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配下の諸将が騒ぎ始める

劉邦おんぶ 優秀な人材

 

劉邦は天下統一後、功績のあった韓信・彭越・英布などの諸将を侯の位に就任させます。

その他の諸将は自分の功績が○○より高く列侯の位を受けるにふさわしい人物であると

騒ぎ始めます。

劉邦も宮殿に出たときに諸将が所構わず自分の功績を述べ始めます。

また張良から「自分がなぜ功績を挙げたにも関わらず列侯の位になれないんだ。

と不満を漏らしている諸将が数多くおります。

また天下統一前に陛下に対して色々と嫌がらせをしてきた人物などは、いつ殺されるか

怖いと申しておりました。」と劉邦に漢の諸将の実情を知らせます。

劉邦は張良に「どうすれば不満や恐怖を抑えることが出来るかな」と相談。

すると張良は

「これらの不満を解消するには雍歯に列侯の位をさずければ大人しくなると思います。」と提案します。

劉邦はこの提案を受けて非常に嫌な顔をします。

しかし張良は「雍歯を列侯にすれば諸将も

『あの雍歯でさえ、列侯になれたんだから俺もその内なれるであろう』

と考え、不満はかなり収まると思います。」と再度雍歯を列侯にしたほうがいいと進言します。

張良の説得力ある言葉を聞いた劉邦は彼の進言に従って、雍歯を列侯の位にします。

この事を知った漢の諸将は「陛下の恨みを買っている雍歯ですら列侯になれたんだから、

俺らも列侯になれるはずだ」と不満を薄れさせていきます。

こうして列侯になることができた雍歯は、

その後劉邦の配下として亡くなるまで彼に忠誠を尽くしていくことになります。

 

三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

今回は劉邦軍のガラワル三羽烏をご紹介しました。

ほかにも劉邦軍はガラ悪い奴らばかりで、

天才軍師として歴史に名を刻んだ張良は始皇帝暗殺を企んで実行に移しますが失敗。

そのごお尋ね者として追い回されてしまいます。

また奇策家として知られる陳平は兄嫁と密通した人物です。

韓信も若い頃は故郷で仕事をしないボンクラとして見られておりました。

このようにほとんど劉邦の配下は素行の良くない人物ばかりで構成されておりました。

しかしトップである劉邦がワルの象徴みたいな人物であるため、ガラが悪い人物が集まってくるのも

しょうがないのではないのでしょうか。

「今回の楚漢戦争時代のお話はこれでおしまいにゃ。

じかいもまたはじめての三国志でお会いしましょう

それじゃぁ~またなにゃ~」

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

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