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48話:強気の曹操が弱気に荀彧が一喝

2015年3月21日


 

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官渡の戦いと2

 

官渡(かんと)の戦いは、曹操(そうそう)が、袁紹(えんしょう)軍の攻城兵器である櫓(やぐら)を破壊してより、双方とも次の一手を打ちかね、膠着(こうちゃく)状態になってしまいます。

 

敗北し倒れている兵士達b(モブ)

 

しかし、物量と兵力に勝る袁紹が、そのまま包囲を継続できるのに対して曹操軍は、早急に兵糧の調達をしなければ飢餓が起きる可能性がありました。双方とも、生命線である兵糧の補給隊である輜重を軽騎兵で襲撃して、兵糧を奪ったり、補給拠点を焼き払ったりしていますが、時間が経過するほどに、曹操(そうそう)軍の食糧事情は悪くなります。

 

食客に成り下がる劉備

 

それにプラスして、袁紹(えんしょう)は、曹操の後方で劉備(りゅうび)を使って反乱を起こし曹操(そうそう)は、ここにも兵力を裂かないといけなくなるなど、支配地の統治にも深刻な影響が発生してきていました。

 

前回記事:47話:曹操軍、新兵器 発石車で石弓隊を撃破!

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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弱気の曹操、撤退を検討する

親友に裏切られた曹操

 

その中で、曹操(そうそう)の不安は極度に達し、ついに退却して再起を図る事を決断、そこで、許都を守備する荀彧(じゅんいく)に対して退却を仄(ほの)めかす手紙を送ります。

 

荀彧が曹操に送った言葉

曹操 手紙

 

「余は、袁紹の強圧を防ぐ為に一度、許都に撤退しようと考えている。それを追って、袁紹軍が領内に侵略してきた所を四方から迎撃しようと思うが、荀彧の意見はどうか?」

 

この弱気な手紙に対し、荀彧(じゅんいく)は、次のような返事を送りました。

 

荀彧 曹操

 

「丞相、我々は最弱の兵力を以て、最強の敵とブチ当たっているのです。今、あなたが逃げ腰になれば、我が軍は士気を喪失し袁紹の迎撃を防ぐ力はありません、きっと全滅するでしょう。辛抱して下さい、必ず勝機はやってきます。ここが、天下分け目の正念場、逃げてはなりませんぞ」

 

曹操(そうそう)は、荀彧(じゅんいく)の手紙を読んで、自分が柄にもなく、弱気になっていた事を知り、このような弱気な手紙を書いた事を恥じました。

 

曹操

 

「そうだ、、袁紹が強大なのは、承知の上で始めた戦ではないか。今さら弱気になって何としよう、、やれるだけやってみよう」

 

曹操にコテンパにされる袁紹

 

そして、曹操のこの決断が三国志史上に残る奇跡の逆転勝利を曹操にもたらす事になります。官渡の戦いの最大の功労者は、実は荀彧(じゅんいく)なのかも知れません。

 

次回記事:49話:許攸の寝返りが曹操を勝利に導く

 

全訳三国志演義

 

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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