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世説新語に書かれている曹操と袁紹の花嫁略奪がシュールすぎ(笑)

2015年1月18日


 

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官渡の戦い 曹操 勝利

 

共に反董卓軍として立ち上がり、のちに官渡の戦いでぶつかり合う曹操(そうそう)袁紹(えんしょう)ですが、彼らは若者の頃、交流がありました。

 

「宋」の国旗をバックとした兵士

 

宋の時代に編纂された、後漢から東晋までの逸話集、『世説新語』には、二人の面白いエピソードがのっています。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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花嫁泥棒

曹操&袁紹花嫁泥棒

 

曹操と袁紹は、とある結婚式が行われている家に忍び込みました。夜になると、「泥棒だ!」と叫んで、家の人たちを混乱させ、その隙に花嫁をさらって逃げるのです。ところが逃亡中、袁紹がいばらの茂みに落ちて、身動きが取れなくなってしまいました。すると曹操はこう叫びました。

 

「泥棒はここだ!」

 

袁紹は慌てます。慌てて、火事場馬鹿力が出たのでしょう。茂みから抜け出して、無事に逃げおおせることができました。……なんですかこのエピソード。すっごい萌えます!(私が)

 

これは書けということですね!?書いてしまいますよ。『明珠新語』(造語)以下、妄想小説なので、閲覧注意です。

 

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〈花嫁は貴公子と奸雄に略奪される〉*閲覧注意

 

赤いろうそくの炎が、赤銅色の蓮型をした香炉を照らす。もったりと白い煙が立ちのぼり、青い帳の下ろされたこの部屋につややかな香りを充満させている。(もうすぐ、夫となる方がいらっしゃる……)

 

花嫁は静かにためいきをついた。結婚とは、親が定めるもの。たとえ心に想う人がいたとしても、それは一生胸に押し込めておくことしかできない。

(あの方のようにとは言わないわ。けれどせめて、夫となる方が、優しい人ならいいけれど)

 

もう一度ため息をついたとき、にわかに外が騒がしくなった。立ち上がり、帳に耳を当てて、外の様子をうかがってみる。

 

「泥棒がいるぞ!」

 

今宵はめでたい婚礼の宴席。宴の行われている正殿や前庭には、玉石で龍をかたどった置物や、秘色の陶器など、高価な装飾品が溢れている。不埒者は、それらの宝物を狙ってこの屋敷へ入り込んだのに違いない。

 

(どうしましょう)

 

このままここに潜んでいるべきなのか、出ていくべきなのか。答えが出せずにたたずんでいると、何者かの足音が近寄ってくるのが聞こえた。

 

(まさか、泥棒がこっちへ来るの?)

 

花嫁は恐ろしさのあまり、床にへなへなと座り込んだ。そこへ、青い帳を波のように揺らめかせて、人影が現れる。

 

「小姐(シャオジエ *お嬢さんの意味)、ここか!?」

 

そこに立っていたのは、まるで花婿のような赤い頭巾を巻いた男だった。恐ろしさに頭を抱え、石のように身を小さくしていると、ふっという笑い声が降ってきた。

 

「俺だよ。孟徳(もうとく*曹操の)。顔を上げて」

 

花嫁は跳ね上がるように顔を上げる。目の前の男は、目深につけていた赤い頭巾を剥ぎ取った。見知った精悍な顔が現れ、花嫁は驚愕する。

 

「孟徳? どうしてここに」

「君が他の男の花嫁になるって聞いてね」

「で、でも、さっき泥棒が」

 

孟徳は不敵な笑みを浮かべた。

 

「ああ、あれね。本初(ほんしょ*袁紹の字)も来ているんだ」

「ええっ、本初もここへ!?」

「そ。二人で、大切な宝物をいただきに来たってわけ」

「そんな。あなたたちが、泥棒みたいな真似をするなんて……」

 

孟徳は遠慮のない態度で青蘆に踏み入り、花嫁の真紅の袖を取った。花嫁は身をよじって抵抗する。

 

「どういうつもり!? 私を人質にするの?」

「人質? 人聞きが悪いなあ。俺をなんだと思っているやら」

「……あなたは〈乱世の奸雄〉、でしょう」

 

花嫁の指摘に、孟徳はその眼差しに鋭い光を宿した。

 

「――そう、俺は乱世の奸雄。欲しいものはすべてこの手に入れる。

手始めに、君を」

「えっ」

 

聞き返す間もなく、孟徳は花嫁を抱き上げた。まるで伝国の玉璽でも守るように、胸にしかと抱きとめ、青蘆を出る。

 

「孟徳! 無事に小姐を連れ出せたのですね」

「本初か。そっちはどうだ」

「うまく巻いてきました。西側の垣根の低いところから逃げましょう」

 

孟徳に抱えられていた花嫁は、はっとして顔を上げた。

「本初、あなたまで……」

 

常日頃、わずかな隙さえなく整えられている本初の衣装は、今はあちこち破れて、上質の絹は無残なほどに汚れてしまっている。それでも、彼のまとう生来の高貴な雰囲気は消えることはなく、本初は貴公子然とした面持ちで花嫁に向かう。

 

「あなたを救うためなら、たとえ火計の火の中、長江の水の中、

いといませんよ」

 

本初はつややかな笑みを向けると、すっと天を見上げて真面目な表情に切り替わる。

 

「雲居に隠れた月がもう間もなく現れます。急ぎましょう」

 

 

つづく(嘘です)

 

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