81話:赤壁の戦い後の劉備と孫権の関係はどうなったの?

2015年5月14日


曹操 船酔い

 

赤壁の戦いで敗れた曹操(そうそう)は、

80万という大軍を失い、天下統一の覇業から、大きく後退しました。

 

大敗北の痛手を挽回するには、まず領内の安定を図らずを得ず、

積極的な外征は出来ない相談になったのです。

 

前回記事:80話:曹操の命乞いで関羽が曹操を逃がす

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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劉備と孫権同盟の勝利に終わった

劉備と孫権同盟

 

一方で、劉備(りゅうび)と孫権(そんけん)にとっての赤壁は

九死に一生の幸運でした。

ここで負けていれば、両名とも命は無かったでしょう。

 

曹操を殺せないまでも遠くへ追いやったのは、

劉備と孫権に共通する福音だったのです。

 

ですが、、こうして曹操の脅威が一度遠ざかると、

劉備と孫権の関係にはすきま風が吹き始めます。

 



劉備と孫権の関係が悪化したきっかけ

孫権 劉備 対立

 

それは、天下を制するものは荊州を制するという地政学上の

鉄則から考えても自然な事でした。

 

肥沃な荊州を手に入れて、曹操の国力に対抗する力を付ける

というのが共に天下を狙う両者の念願でしたが、

生憎、荊州は一つしかありません。

 

天下三分の計を実行させる為に劉備達が動く

天下三分の計

 

特に孔明(こうめい)の天下三分の計を信じ実行しようとしている

劉備にとっては、天然の要害の益州と肥沃な荊州は、

打倒曹操と漢王朝の再興に必要不可欠です。

 

最初に動いたのは劉備でした、、

上手く周瑜を焚きつけて曹仁と戦わせた隙を突いて

戦争のどさくさに荊州南部の四郡を占領してしまったのです。

 

漁夫の利を得た劉備

周瑜くやしい 呉

 

結局、呉は、曹操を撃ち破ったという戦果だけで、

国力をすり減らし、得るものは何も無いという状態に陥ったのです。

 

「劉備は、我々に血を流させて、自分は無傷で荊州を奪った!

なんたる泥棒猫だ、、許せん!」

 

孫権や周瑜(しゅうゆ)の胸の内に、

こういう恨みが充満しても仕方はありません。

 

このようにして、以前は同盟関係にあった両国は、

荊州を巡り、激しく対立するようになっていきます。

 

荊州南部を得たメリットは何?

劉備に足りないもの 三国志

 

一方で孔明にとっては、荊州南部を得た事は、

益州侵攻の勢いを確保する上で、大きな収穫でした。

 

ただ、領土が増えたばかりでなく、荊州の優秀な人材を

劉備軍に吸収して、勢力拡大に耐えうるほどに

陣営を補強する事が可能になったからです。

 

蜀漢の建国に向けて

劉備玄徳が眩しい理由 三国志

 

曹操、そして孫権が、戦争で疲れて積極攻勢に出れない隙を突いて

劉備に益州攻略のプランを着々と実行させます。

 

このようにして、曹操、孫権に対して大きく立ち遅れていた

劉備は、後の蜀漢の建国に向けて大きく前進します。

 

孔明の小さな庵で劉備が聴いた天下三分のプランが、

今、歴史の中で実現しようとしていました。

 

耳で聞いて覚える三国志

 

次回記事:82話:呉の提督、周瑜は荊州争奪戦に散る

 

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どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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