115話:蜀キラー陸遜、火攻めで劉備を打ち破る!夷陵の戦い完結編

2015年10月23日


劉備 関羽途方 ぶち切れ

 

関羽の(かんう)仇討ちの為に、呉を滅ぼすと誓った劉備(りゅうび)は、

ついに自ら長江を渡ります。

これには、馬良(ばりょう)や黄権(こうけん)も、何かあれば退却が

難しくなると反対しますが、劉備は、それを押し切っての進軍でした。

 

しかし、呉の領内に入っても、陸遜(りくそん)は逃げ回り、

一大決戦が起こりません、広大な呉の領地です75万という大軍でも、

まるで大海に浮かぶ、木の葉のようなものです。

 

前回記事:114話:蜀キラー陸遜、劉備を打ち破るための不気味な沈黙

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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陸遜の作戦に気づく劉備

劉備玄徳が眩しい理由 三国志

 

ここで、劉備はようやく陸遜の作戦が分かりました。

 

「陸遜め、わざと戦闘を避けて、我々を疲弊させて退却させる狙いだ」

 

すでに、劉備が蜀を出てから1年が経過していました。

兵は拙速を貴ぶという兵法の原則から考えても長過ぎです。

 

最近では、蜀軍も長い野営生活で疲労が溜まり、士気も低下して

動きも鈍くなりつつありました。

 

75万の大軍も、拠点を抑える為に裂いていて、

細い、一列の隊列になっています。

 

補給線も伸びきっていて、後方との連絡や連携も難しくなっていました。

 

陸遜を挑発する劉備

劉備主役

 

劉備は、早く決着をつけるべく、陸遜を散々に挑発します。

付近には、伏兵を忍ばせて、呉軍が攻撃してきたら、一気に叩くつもりでした。

 

ところが、陸遜は、伏兵を察知して、決して挑発には乗りません。

劉備は、既に手詰まりになっていました、勝利しているつもりが、

遥かに呉の領内に誘いこまれていたのです。

 

季節が変わり、陸遜が遂に動く

陸遜

 

季節が秋を迎えた、ある日の夜半、いよいよ、陸遜が動きました。

 

陸遜:「諸君、いよいよ、侵略者を滅ぼす時が来た、見よ、劉備の陣営を、

兵は一列にだらだらと陣地を敷き、相互の連絡は取れない、、

劉備玄徳は兵法を知らぬ、愚か者だ、これより全軍をあげて、

蜀の陣地に火をかけ一斉に焼き払うぞ!!」

 

呉軍は、夜陰に乗じて、寝静まっている蜀軍の陣地の枯草に

次々と火矢を射掛けました。

 

蜀軍の陣地は飛び火

陸遜

 

それぞれの陣地は、それほど距離が離れていません、

枯れ草は、あっという間に燃え広がり蜀軍の陣地に飛び火します。

 

これまで呉軍を「腰抜け」と侮っていた蜀の兵士は、

とっさの事に大混乱になり、同士討ちを開始しました。

 

陸遜は、これに乗じて、蜀の陣営に次々と火を放ち、

50あった、蜀の陣地の内、40を焼き払いました。

 

逃げるのに必死な劉備

雷怖くない 能ある劉備

 

劉備は、戦うどころではなく、馬に飛び乗って、敗走しますが、

どこを見ても炎に包まれる、蜀の陣地と斬り殺された蜀兵の

死体の山です。

 

「なんという事だ・・私は、私は、何と言う愚かな事を・・

おおお、、蜀の人民に孔明に合わせる顔がない、、」

 

劉備は、失意のあまり、何度も落馬しそうになりながらも、

何とか、配下に励まされ、呉の追っ手をかわしながら、

後方へ、後方へと落ちのびます。

 

夷陵の敗戦

劉備悩む

 

劉備は、この夷陵の敗戦で、数万人という死者を出します。

また数万人の捕虜を出し、馬良、黄権馮習(ふうしゅう)、

王甫(おうほ)、張南(ちょうなん)、傅彤(ふとう)、程畿(ていき)、

というような優秀な武官と文官を失い、或いは捕虜にされました。

 

関羽の仇討ちで開始された夷陵の戦いは、蜀の国力をすり減らす

惨憺たる大失敗に終わったのです。

 

次回記事:116話:劉備、失意の中白帝城に没す!

 

 

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kawauso

kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

-全訳三国志演義
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