架空戦記
北伐

はじめての三国志

menu

三国志の基礎知識

134話:頑固な忠臣、張昭と孫権の対立がシュール

この記事の所要時間: 257




孫権と張昭

 

公孫淵(こうそんえん)の反乱は、呉にも微妙な混乱をもたらしました。

それが、呉の重臣、張昭(ちょうしょう)と主君、孫権(そんけん)の対立です。

呉の建国当初からの重臣と三代目君主の意見の食い違いは、

まるで子供のような大喧嘩に発展していきます。

 

前回記事:133話:公孫淵の反乱と司馬懿の台頭

はじめての三国志:全記事一覧はこちら




切っ掛けは公孫淵の帰順・・

孫権

 

西暦235年、長年、魏に臣従していた遼東の公孫淵から

使者が来て呉に帰順したいと申し入れてきました。

孫権は、魏を牽制する上で、遼東の公孫淵を味方に引き入れるのは、

ベストな戦略と考えていたので、これを喜びます。

 

気を良くした孫権は、公孫淵に燕王の位を与えようとします。

しかし、これに真っ向から反対した者がいました、張昭です。




張昭が猛反対、公孫淵は信用できないペテン師です!

孫権と張昭

 

張昭「畏れながら申し上げます、公孫淵という男、

叔父を追放して強引に遼東を支配して以来、あっちにふらふら、

こっちにふらふら、余り芳しい噂を聞きません。

今回の件も所詮、魏に自分を高く売る為に我が国に接近しただけ、

ここで王位など授けたら、やがて天下の笑い物となりますぞ!」

 

孫権「今から、そう断言したものでもあるまい、、

朕の見た所、公孫淵は中々時流を見る目がある男。

或いは、この辺りで魏と手を切り、我が国と誼を結んで、

領地の拡大を望んでおるやも知れぬではないか!!」

 

それでも張昭は公孫淵に燕王の称号を授ける事に反対しました。

孫権は怒り、張昭を無視して燕王の位を授けると決定すると、

怒った張昭は、病気と称して朝廷に出仕しなくなります。

 

怒った孫権は、張昭の屋敷の入り口を漆喰で塗り固める

孫権

 

100%当てつけの張昭の行動に孫権の怒りも爆発します。

 

孫権「張昭のやつめ、病気と称して出仕しないとは子供のような真似を

そっちがその気なら、永遠に出れないようにしてやるぞ!」

 

孫権は、張昭の家に漆喰を持っていき入り口を石で塞いで、

漆喰を塗って出られないようにしました。

 

それを知った張昭は怒り、屋敷の内側から入り口を石で塞いで、

漆喰で塗り固めてしまいます。

「仰っしゃる通り、二度と屋敷から出ません!」という皮肉でした。

 

呉の使者、公孫淵に斬殺される・・

公孫淵

 

ところが孫権の見込みは大きく外れました。

公孫淵を燕王に封じる使者が遼東に到着すると公孫淵は変心し、

使者を斬り、その首を洛陽に送ってしまったのです。

魏帝、曹叡(そうえい)は、これを喜び公孫淵を大司馬に任命します。

 

張昭の予言通り、孫権はコケにされ呉は天下の笑いものに

なってしまったのです。

 

孫権

 

孫権「公孫淵の野郎~朕をコケにしよって、

ウギギギギ・・・お、覚えておれよォォッ!!!」

 

孫権は怒り狂いますが、今、魏に接近している遼東を征伐すれば、

魏が介入してくるのは間違いないので泣き寝入りするしか

ありませんでした。

 

孫権、謝罪する為に張昭の屋敷を訪れるが・・

孫権と張昭

 

一方で重臣の張昭が居なくなった朝廷からは、威厳が消えていました。

孫権は、自分の判断が間違っていた事もあり、張昭に謝罪して、

戻ってきてもらおうと張昭の屋敷を尋ねます。

 

裏口から使者を派遣して、謝罪の意を伝えた孫権ですが、

張昭からは、「病気で挨拶も出来ません」という返事だけです。

それで孫権は、再びブチ切れてしまいました。

 

孫権「こ・の・や・ろ・う、、朕が自ら頭を下げているってのに

この路上で放置プレイか?

いいだろう、じゃあ、意地でも家から出してやるぞ!」

 

孫権は、部下に火を起こさせて、張昭を脅します。

 

孫権「おい!出てこないなら、こんなボロ屋敷焼き捨てるぞ!

朕は本気だぞ!いいんだな?」

 

すると張昭は、戸締りを厳重にし絶対に屈服しない構えに出てきます。

孫権は閉口して、部下に火を消させました。

 

暫くすると、嫌がる張昭を、息子達が抱きかかえて、家から出てきましたので、

孫権はこれ幸いと、張昭を自分の馬車に乗せて宮殿に帰り、改めて丁重に謝罪しました。

これによって、張昭は渋々、再び出仕するようになりました。

 

西暦236年、呉の偉大な御意見番、張昭死す

張昭

 

しかし、翌年の236年、張昭は、81歳でその生涯を閉じます。

赤壁の戦いでは、飽くまでも漢朝の回復を望み降伏を主張した張昭ですが、

内政官としての能力は確かで、孫策(そんさく)から託された孫権を、

父のような厳しい目で指導・監督し続けました。

 

孫権との喧嘩は一度や二度ではありませんが、お互いに相手を

大事に思っている事は確かで、最後には和解するのが常でした。

ここで、張昭が死んだ事で、孫権を強く抑えられる存在は消滅し、

孫権の治世にも暗雲が立ち込めてきます。

 

関連記事:孫権VS張昭、その激しい君臣喧嘩の勝敗は?

 

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:【三国志歴史ミステリー】魏の二代目皇帝・曹叡(そうえい)は誰の息子か分からない!?

関連記事:魏の2代目皇帝・曹叡(そうえい)はいったいどんな仕事をしていたの?

 




kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 楽毅の猛攻に神対応!籠城の天才、斉の田単(でんたん)
  2. 悲惨!呉のエクスペンダブルズ甘寧のストレス爆発人生を振り返る
  3. 孫策の独立理由に疑問!袁術は孫策に対して本当にケチだったの?
  4. 王翦の一族はその後どうなるの?秦の中華統一に貢献した一族
  5. 地味だけど超大事!三国志の時代の食糧貯蔵庫とはどんなもの?
  6. 張飛(ちょうひ)は本当は知将だった?
  7. 皇帝には、二つの名前があった!?諡号(しごう)とは何?
  8. 周瑜の死後、その一族はどうなったの?陸遜の下で活躍する周峻や息子…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【呉の猛将・太史慈】相手の隙をついて包囲網を突破:意外と知らない彼の知略エピソード
  2. 【シミルボン】趙雲の記述は盛られていた!イケメン趙雲を生み出した別伝
  3. 毛利家に敗北して浪人となった山中鹿之助の修行
  4. 黒田官兵衛の奇抜な献策と備中高松城攻防戦の水攻めがスゴイ!
  5. 曹操の妻はどんな人達だったの?13人を紹介 Part2
  6. 28話:天運を掴んだ曹操の食客に落ちぶれる劉備

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志の書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

孫策涙目になるほどのフルボッコ!?小覇王をコテンパにした陳登 これであなたも角栄になれる!?大物になる6の心得 曹操の詩の世界を体験してみよう 【保存版】関羽が生涯に斬った主な敵将一覧 「楚」ってどんな国?キングダム戦国七雄を徹底紹介 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第十三話「城主はつらいよ」の見どころ紹介 袁渙の「政治力」がスゴイ!はちみつおじさん袁術と虎の如き強さを持った呂布を大人しくさせた政治とは? 呉の家臣団の組織関係が孫策時代と孫権時代が全く違い面白い

おすすめ記事

  1. 【第4回 幻想少女】凌統が外される!?強力なイケメン武将がレギュラー入り!!
  2. 孫資(そんし)と劉放(りゅうほう)の綱渡り!曹叡の側近達による命懸けの戦い
  3. 曹操は郭嘉を後継者として考えていたのは本当なの?
  4. キングダムの史上最悪の宦官、趙高(ちょうこう)はどうやって浮き上がる?
  5. 【三国志のエチケット】口臭は人間関係もビジネスも台無しにする?
  6. 【ビジネス三国志】みんな真似で天下を取った!群雄に学ぶ生き残り戦術
  7. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第十五話「おんな城主対おんな大名」の見どころ紹介
  8. 実は冷血を演じたツンデレ曹丕、その理由とは?

はじさん企画

帝政ローマ
広告募集
特別企画


袁術祭り

異民族
諸子百家
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
PAGE TOP