ログイン | 無料ユーザー登録


キングダム
徐庶


はじめての三国志

menu

三国志の雑学

こんなに豪華!三国志演義の銅雀台の宴を再現してみるよ【後半】

徐晃と許チョと曹操




 

曹操(そうそう)の最大のライバルであった袁紹(えんしょう)から奪った領土である鄴(ぎょう)という都に

『銅雀台』と呼ばれるハイクオリティな宮殿を建造した曹操(そうそう)はそこで宴を催しました。

三国志演義本編では、ここで面白いエピソードが記されています。

銅雀台の宴が始まる前に、曹操(そうそう)は武官達にこう言います。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

前回記事:こんなに豪華!三国志演義の銅雀台の宴を再現してみるよ【前半】

関連記事:銅雀台(どうじゃくだい)ってなに?どんな建物で何をするところだったの?




銅雀台における曹軍アーチャーNo 1決定戦

 

曹操(そうそう)「余の部下は、みんな凄いのは知っているけど、実際腕前競ったらどうなるの?」

こうして、銅雀台において、弓で的を射る「曹軍No1アーチャー決定戦」が行われます。

曹操(そうそう)は蜀産の赤い錦の袍(ひたたれ)を的として、柳の枝にかけさせ、

その下に垜(あずち=的の背後に山状に盛った土)を築かせました。

ここで曹操(そうそう)の親族を赤チーム、それ以外を緑チームとしてチーム分けをしました。

ルールは簡単、馬を操り仕切り線より向こう側に出ないように的に接近、

珠玉に彩られた祝宴用の弓と長身の矢を用いて的を射れば良いのです。

見事射抜いた者は「的の袍」をゲット!外したら罰として水を飲む!!

今回は三国志演義・銅雀台の宴、後篇を御紹介します。




前篇のあらすじ

 

赤チーム、若将・曹休(そうきゅう)が的を射て先制したものの、

緑チームの国境ディフェンシブキング・文聘(ぶんへい)が即座に的を射返します。

それを見た赤チーム・曹洪(そうこう)が射返し、的には三本の矢が立ちました。

対する緑チームの張郃(ちょうこう)をこれまでの将とは違い、

仕切り線まで近づくと後ろを向き、後ろ様に射当てました。

それをうけて、赤チームの夏侯淵(かこうえん)は後ろ様に射るとともに、

これまで射られた四本の矢の真ん中を射抜くという芸当を見せます。

「穴が五つもあいた袍なんて貰ってもなあ・・・」

等ということは誰も考えていない様子です。

 

優勝者決定・・・のはずが

 

夏侯淵(かこうえん)「この勝負、これにてわしに決まったぞ。」

と叫びました。

その声とともに、緑チームの元から一騎の馬が駆けます。

後に魏の五大将軍として知られる徐晃(じょこう)です。

 

 

徐晃(じょこう)「待て!錦袍はこの徐晃(じょこう)が頂戴した。」

夏侯淵(かこうえん)「わしの技を見なかったのか。取れるものならば取ってみよ。」

徐晃(じょこう)「取って見せるとも。真ん中を射当てたから何だと言うのだ。

わしは袍を直接頂戴致す。」

そう言うと徐晃(じょこう)は狙いを定めて矢を放ちました。

矢は的の赤丸には向かわず、的を据え付けた柳の枝を射切り落としました。

支えを失った錦の袍は、ゆらゆらと力無く舞い落ちていきます。

徐晃(じょこう)は馬を駆り、

仕切り線を飛び越えると宙を舞う袍の元に馳せつけ、これを掴み取りました。

そして、曹操(そうそう)の居る台の前に駆け参じると、

徐晃(じょこう)「丞相、有り難き幸せに存じます。」

曹操(そうそう)「・・・ (いや、これ的を射るゲームなんだけど・・・)。」

これには、曹操(そうそう)を含めた一同は驚きのあまり、

『お前、まだ的を射当てて無いじゃん』

というツッコミをすることもなく、あまりの力技に唖然とします。

 

今度こそ優勝者決定・・・のはずが

 

徐晃(じょこう)は馬を返そうとした時、また一騎の馬が緑チームより飛び出します。

一同が見ると、曹操(そうそう)の配下でも最高の豪の者として知られる許褚(きょちょ)でした。

許褚(きょちょ)「何処へ袍を持っていく。とっととわしに渡せ。」

徐晃(じょこう)「わしが頂戴した物を、何を抜かすか。」

許褚(きょちょ)は徐晃(じょこう)の前で凄んでいます。

そもそも『許褚(きょちょ)は射当てるどころか、弓で射てすらいないじゃん』

というツッコミがありますが、

許褚(きょちょ)は物も言わず馬を飛ばせてぶつかって行きます。

 

 

両馬が近づいて徐晃(じょこう)が弓で殴り、

許褚(きょちょ)はそれを掴み取って彼を引きずり落とそうとします。

そして、両者馬を下りての取っ組み合いとなりました。

曹操(そうそう)は急いで、二人を引き離させた時には、

景品であった袍は跡形も無く引き裂かれていました。

 

結局、優勝者は・・・。

 

曹操(そうそう)は二人を台に呼び寄せたが、お互い睨み合ったまま、

一触即発の様子でした。その有様を見た曹操(そうそう)は笑って言いました。

曹操(そうそう)「余は貴公らの手並みを見たいと思っただけじゃ、

錦の袍の一枚や二枚は惜しくは無い。」

そう言って大将達を皆台上に呼び、全員に錦の袍を与えました。

ナンバーワンよりオンリーワンと言いますか、

結局曹操(そうそう)は部下全員に景品を与えるつもりだったのでした。

大将達は礼を述べて、袍を受け取りました。

その後、曹操(そうそう)は大将達に座に着かせると、楽の音色が響き渡り、

酒や料理、山海の珍味が運び込まれます。

文武百官は、盃を交わして料理に舌鼓を打ち、盛大な酒宴となりました。

 

祝宴での文官からの賛美

 

曹操、今度は文官達を見遣り、「武官達は存分に騎射の手並みを戦わせ、武勇の程を披露してくれた。

貴公達とて、いずれ劣らぬ博学の士、この高台に上った上は、

美しき詩文をもってこの盛時を祝ってはくれぬか」

 

王朗(おうろう)・鐘繇(しょうよう)・王粲(おうさん)・陳琳(ちんりん)らが

『曹操(そうそう)の徳を称えた詩』を書き上げ、

そこには『天命を受けて至高の位(帝位)に昇るべし』との心が含まれていた。

曹操(そうそう)は一つ一つ取り上げて読み、笑いを浮かべました。

『帝位につけ』とは、曹操(そうそう)自ら献帝から皇帝の位を譲り受ける、という恐れ多いことですが、

文官達は、曹操(そうそう)は既にそれほどの地位であると述べているのでした。

 

それに対して曹操は・・・

 

曹操(そうそう)は一同に言います。

曹操(そうそう)「いずれの詩も見事な出来栄えじゃ。

ただ、詩は見事じゃがここから読み上げられるほどわしは

優れてもいないしましてこれ以上高い位につこうとも思わぬ。

わしにはさしたる才能もないのに推挙され、

天下が乱れたため隠遁しながら天下の治まるのを待ってから仕官するつもりであった。

それが、朝廷に召しだされたので、

志を変え国の為に賊徒を討ち平らげて功名を挙げることになっただけじゃ。

死後に『漢の故征西将軍曹侯の墓』とでも書き残されれば本望と思っておった。

それが、董卓を亡ぼし、黄巾の賊徒を平定し、袁術呂布袁紹を破り、遂に天下を切り従え、

身は宰相となるに至ったのに、これ以上の望みがあろうか。

わしがおらねば、皇帝の名を冒す者が出たか知れぬ。わしが兵権を握っているのを見て、

天下を奪おうとの野心があるが如くあらぬ疑いをかける者もあるがそれは誤りじゃ。

わしが一度兵権を離せば、わしの命を狙うものが現われ、わしが死ねば国は傾くであろう。

それ故、虚名を求めて実害を招くようなことはしないのじゃ」

一同はこの言葉に感嘆し、平伏するのでした。

 

三国志ライターFMの独り言

 

今回ご紹介させて頂いた銅雀台の宴は、あくまで三国志演義におけるフィクションの宴ですが、

実際にはこれと同じようなことが行われていたと考えられます。

本来、この場面で重要な事は、曹操(そうそう)が文武官達に最後に述べた、

「高位について下さい(つまりは帝位)」

との言葉に対して、

「わしには分が過ぎたモノ、そのような気は毛頭ない。」

との返事です。曹操(そうそう)は「権力を握っても献帝(けんてい)から

権力を取り上げるようなことはしない(簒奪の意思は無い)」、言いたかったのでした。

また、物語としても曹操(そうそう)の部下達が、

互いの武芸を競い合うというのは面白いシーンでもあると思います。

通常の戦では味方同士で実力を競うこと等ありませんので、

自軍内でナンバーワンを決めるというのは、フィクションとはいえ中々面白い展開です。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:曹操の詩の世界を体験してみよう

関連記事:三国志の英雄たちの詩を調べたら司馬懿ヒドすぎワロタwww

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

FM

FM

投稿者の記事一覧

三国志は、大昔の出来事ですが、物語をいろいろな視点や切り口で見ていくと、新しくて面白い発見があるのが好きです。

人物像や対人関係、出来事、時代背景、逸話等々、古い話とはいえ、学ぶべきところはたくさんあります。

埃をかぶせておくにはもったいない、賢人たちの誇りがあります。

関連記事

  1. 呉の小覇王・孫策 孫策の息子・孫紹が不憫だった!?
  2. 司馬昭 司馬昭ってチョー有能?それとも親の七光りだったの!?
  3. 異議ありと叫ぶ司馬懿 司馬懿の人柄は?計算高い策士だった?
  4. 陳蘭 自称皇帝、袁術のトホホな部下列伝 Part.5
  5. 劉備 髀肉の嘆 ゆるキャラ 髀肉の嘆(ひにくのたん)って何?劉備が嘆いた言葉とは?
  6. 陸遜 三国志で人気の陸遜の経歴を振り返ってみよう!
  7. 曹洪と曹操 【三国志とお金】曹洪のサイドビジネス三国時代の金融業はアコギだっ…
  8. 魯粛 魯粛から「食わせ者」の本当の意味を知ろう!!

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 関平
  2. キングダム
  3. 合戦シーン
  4. 太史慈
  5. キングダム54巻amazon
  6. 岳飛(南宋の軍人)

おすすめ記事

  1. 黄蓋は苦肉の策だけではない!レッドクリフでも大活躍した黄蓋の逸話 奮闘する黄蓋
  2. 第9話:三国夢幻演義 龍の少年「江南動乱」配信中 三国夢幻演義バナー 龍の少年
  3. 出雲王国崩壊後のオオクニヌシの行方は?出雲王国の復活を目指した戦略 オオクニヌシ(日本神話)
  4. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第30話「潰されざる者」の見どころをご紹介 おんな城主 直虎
  5. 斉藤一とはどんな人?新選組の三番隊組長の剣術や人物像に迫る 斎藤一 新選組
  6. 羌族は何者?何度も反乱を起こし漢王朝のHPを削ったヒャッハー集団 暴れまわる異民族に困る梁習

三國志雑学

  1. 大声を出す張飛
  2. 曹丕
  3. 苛ついている曹操


“ながら三国志音声コンテンツ開始" “はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム" “はじめての三国志コメント機能"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 水滸伝って何? 書類や本
  2. 爽やかな荀彧
  3. 劉備と公孫瓚
  4. 関帝廟 関羽
  5. kawauso
  6. 荀攸

おすすめ記事

周公旦(しゅうこうたん)とはどんな人?周王朝の基礎を固めた功臣 袁紹と献帝と董卓 袁紹と何進はなぜ董卓を都へ招集したの?後漢王朝の命運を絶った大愚挙 騎馬兵にあこがれる歩兵 【衝撃】馬の乗り方を知らなかった三国志武将 孫晧(孫皓) 孫晧(そんこう)とはどんな人?呉のラストエンペラー「暴君」の名をほしいままにしたが、実は… 魏の旗をバックに戦争をする郭淮は魏の将軍 敵役だけど、やっぱり曹魏がナンバーワン! 曹操探検隊 世界不思議発見!三国志の時代の日本、西洋、インドの秘密を探る キングダム キングダム 529話 ネタバレ予想:犬戎の末裔 剣を持ち戦う李牧 【キングダム】李牧は史実でも凄かった!天才軍略家の史実を分かりやすく解説

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志

ながら三国志音声コンテンツ
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム はじめての三国志コメント機能
“水滸伝"

“三国志人物事典"

“ながら三国志音声コンテンツ"
PAGE TOP