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神にまでなった超人気者、関羽の評価を考察してみた

2021年4月29日


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関羽の評価(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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その気風

正史三国志を執筆する陳寿

 

関羽は三国志の著者、陳寿(ちんじゅ)においてこのように評価されています。

 

赤兎馬を乗り回す関羽

 

「関羽は一人で万の兵に匹敵すると賞賛され、当世における勇猛な家臣であり、国士の気風をもっていた。しかしその一方で剛情で自信を持ち過ぎており、それによって身を滅ぼした」

 

文句を手紙に書く関羽

 

特に三国志演義では義に満ちた人物と言われる関羽ですが、名士を軽んじたり、黄忠(こうちゅう)と同格になった際には「あんな老人と一緒にするな!」と怒ったりと、やや傲慢とも言える性格が見られるのも特徴です。

 

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関羽の欠点

関羽と仲がよくない糜芳

 

そしてその関羽の性格、欠点が如実に表れてしまったのが荊州統治でしょう。関羽は糜芳(びほう)たちを軽んじ、孫権からの婚姻の打診を無礼な態度で拒否しています。はっきり言ってしまうとこれはかなりの失態です。

 

関羽に無視される孫権

 

そもそもの、呉、蜀の関係として、呉と蜀は手を組まないと魏を相手にするのは難しいほど魏は力を付けていました。

 

父・関羽とともに亡くなる関平

 

その手を組まなければならない相手に対しての態度ではなく、その態度から樊城(はんじょう)を始まりとした敗北から関羽は命を落とし、蜀は荊州という最大の要を失い、果てに劉備の夷陵(いりょう)の戦いを招くことになりました。

 

関羽の救援要請をシカトする劉封

 

全てが全て関羽のせいではありませんが、事ここに至るまでの関羽の失態が一切ないとは言えないでしょう。

 

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樊城の戦い特集

 

関羽の評価

はじめてのプロ野球 関羽

 

さてここまでまとめると「文武両道だけど性格に難があった」というのが筆者の関羽の評価のまとめでしょうか。しかし筆者は関羽のことが嫌いな訳ではありません。

 

敗れる関羽雲長

 

荊州統治にしても関羽の失態ですが、同時にこれは蜀という国自体のどうしようもない欠点だとも思っています。荊州統治は難しい局面でありながら、関羽の補佐を完ぺきにこなせるだけの人間を送ることもできていないから起こったと思っています。

 

徐庶がいなくなり寂しがる劉備

 

つまり人材の致命的な不足です。もしかしたら関羽自身もそれを分かっていて、気負い過ぎた所もあったのかもしれません。関羽の失態もあったけれど、それだけで関羽の全てを否定できるような要素ではありません。むしろこの荊州統治の失敗こそが、個人的には関羽の魅力だと思っています。

 

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「あばたもえくぼ」

碁をうつ関羽

 

どんな人間でも、欠点はあります。文武に優れ、忠義に溢れた関羽であっても、欠点はありました。しかしそれは同時に関羽が人であった証であり、魅力だと思います。

 

関羽が大好きすぎる曹操

 

完璧な人がミスをすると、何だか親近感を抱くような……関羽の荊州統治は失態でもありますが、同時に関羽という人物に「深み」を与えている出来事だと思います。

 

関羽の青銅像

 

人材不足を理解していた、武人という生き方が身につきすぎ、魏や呉に対して侮られてはならないと気負い過ぎていた……三国鼎立(さんごくていりつ)ではなく、劉備一人の天下をただひたすらに追い求めていた。

 

三国志を語るセンさん

 

そう考えると、欠点すら魅力に見えてきませんか?

だからこそ関羽はその死後、神にまでなったのではないかと、そう思うのです。

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

確かに関羽は三国志演義でその活躍が誇張されています。三国志演義から三国志を見ると、何だか苦々しく感じることもあるでしょう。

 

蜀志(蜀書)_書類

 

しかし正史の記録をみても、十分素晴らしい活躍をした武人です。

 

センさんが三国志沼にドボン a

 

関羽だけに留まらず、色々な武将たちを色々な角度から見つつ、そして長所短所も清濁併せ呑んでみていかなければならないな……と思いつつ、より深い三国志沼にハマる筆者でした。とぷん。

 

参考文献:蜀書関羽伝 費詩伝

 

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関羽

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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