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張魯は張角と比べて奇跡が少ない?それでも信者がついてきた理由とは?

2022年5月16日


 

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曹操と呂布

 

三国志(さんごくし)というのはみもふたもない言い方をすれば群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)の時代から、三国と呼ばれる国々が出来上がり、戦いの果てに一つ一つと脱落していく様です。

 

黄巾賊

 

いわゆる、乱世と言われる時代でしょう。そういった時代では人々は英雄に、この時代を救ってくれる人々を見出そうとします。そんな中で黄巾党(こうきんとう)を始めとした仙人とも呼ばれる宗教団体の存在が良く出てきますが……

 

張魯

 

その中で、ちょっと異端に見えるのが五斗米道(ごとべいどう)の教祖、張魯(ちょうろ)。実は彼には教祖なのに「奇跡」が足りないのでは?

 

その事についてお話をしたいと思います。

 

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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大平道の教祖、張角

霊感商法で信者を増やす張角

 

まずは黄巾の乱を引き起こしたとも言われる、張角(ちょうかく)についておさらいをしましょう。張角は三国志……というか、その前とも言える後漢書に記録があります。

 

 

暴れる黄巾党と張角

 

彼は大平道の教祖となった人物であり、実際にはどんな人物でどう過ごしていたのかは分かっていません。ただその信者は多く、漢王朝の権威が失墜して乱れまくる時代において彼は大平道の信者たちを養っており、多くの人々が彼と彼の大平道を心の拠り所としていたのでしょう。

 

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太平道の秘密

 

 

 

張角は黄巾の乱を起こすが、すぐ病死

暴れまわる黄巾賊

 

後に彼は「蒼天既に死す」のスローガンを掲げて、信者たちを引き連れて黄巾の乱という一大イベントを起こします。ただし、乱が始まった時には既に病気によって張角自身は亡くなっていたとされ、討伐軍に彼の弟たちも討たれ、大平道の漢王室への謀反とも言える行動はすぐに鎮圧されました。

 

張角逝く

 

 

ただし黄巾党、黄巾賊を名乗る反乱が各地で起こり、王朝の権威は最早立ち上がれないほどに地面にめり込んでいくこととなります。

 

関連記事:もし漢王朝が黄巾賊の乱を平定出来なかったらどうなっていたの?

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黄巾賊

 

 

病を治す奇跡を起こした張角

張角は歴史の表舞台に登場

 

そんな大平道の教祖、師父たる存在が張角です。ゲームなどでは三国志演義(さんごくしえんぎ)のイメージが投影され、怪しげな妖術を使う存在のように描かれることが多いですね。そんな妖術はありません……と言っても全てが全て創作という訳ではなく、後漢書には以下の記述があります。

 

「張角は符を浸した水を飲ませて病人を治した」

 

疫病が蔓延している村と民人

 

乱れに乱れた世の中、病で苦しむ人たちからすれば、謎の符を浸した水を飲むと病気が治った……確かにこれは奇跡でしょう。

 

ついて行きたくなるのも分かりますし、同意に宗教の教祖となった存在の多くは、信者にこのような奇跡を見せるのはお約束とも言えます。

 

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三国志とお金の話

 

 

 

奇跡を起こさなかった教祖、張魯

五斗米道の教祖・張魯

 

さて三国志に出てくるもう一つの宗教団体と言えば、漢中(かんちゅう)の五斗米道。そしてその教祖が、張魯です。ですが張角と違い、この張魯はどのような奇跡を起こしたのかがはっきりしていません。

 

三国志演義_書類

 

それは三国志演義であっても同じで、ある程度の創作要素を入れられる三国志演義においても張魯は何の術を用いたなどの記述を見ることができないのです。これ、ちょっと不思議ですよね。

 

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奇跡を起こした張魯の祖父、張陵

于吉

 

もう一つ、張魯と張角に違いがあります。張角は教祖であり、大平道の開祖です。つまり大平道という宗教を作った人物です。しかし張魯は教祖であり、その実、五斗米道の開祖は張魯のお爺ちゃんである張陵(ちょうりょう)なのです。因みにお父さんが後を継ぎ、そのお父さんが亡くなったので張魯が三代目を引き継いでいました。

 

ポイント解説をするセン様

 

で、この開祖である張陵はきちんと奇跡と言えることを起こしています。これこそが張魯が奇跡を起こした形跡がない理由の一つだと思われます。

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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