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台湾には関羽の像がたくさんある?種類豊富な関羽像を紹介

2021年3月13日


 

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京劇の関羽

 

関羽(かんう)は生前の功績によって儒教、仏教、道教それぞれの宗教で神様としての地位を獲得しました。特に道教の神様として祀られることが多い関羽ですが、台湾では道教信仰が盛んであるため様々な関羽像が存在します。

 

関羽の青銅像

 

しかし、関羽像の姿勢や手にしているものによってご利益が変わることはご存知でしょうか。かつての筆者がそうであったように、そのあたりを理解しないまま参拝をしている人もいるかもしれません。

 

そこで今回は関羽像に込められたご利益や面白い関羽像を祀っている場所を紹介していきたいと思います。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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台湾にある関羽像の特徴

青龍偃月刀を持つ関羽

 

関羽像は種類が豊富で、座っているものや立っているもの、さらに手にしているものによってご利益に違いがあります。例えば関羽が立った状態で青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)を携えているものは武神なので主に守護神的なご利益となり、座った状態で巻物(春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)と言われている)を手にしているのは文神なので、学業成就や出世に関係します。

 

関羽

 

中には片手に青龍偃月刀、もう片方に巻物や印綬を持っている関羽像もありますが、これは文武どちらのご利益もあるということです。また、青龍偃月刀の向きによっても意味は異なります。

 

刀身が真上に向いているものは厄除けや土地を守る、刀が横薙(よこなぎ)ぎ(刀身が外側に向く)に構えられると商売繁盛や金運上昇という意味です。刀を上にして立つのは相手を威圧しているので、邪なものを家に入れないという考え方。

 

横にするのは人を斬る体勢ですが、これは「切貨(商品を安く購入するという意味)」や市場を切り開く(開拓)という考え方からこのようなご利益となっています。

 

赤兎馬を乗り回す関羽

 

また、屋外に立てられる関羽像は赤兎馬(せきとば)に騎乗しているものもありますが、この場合は五関六将破りの故事から物事が上手く運ぶ、成功するという意味合いになります。

 

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道教関連の関羽像

神様になった関羽(関帝廟ver1)

 

台湾では道教の神様として関羽を祀るケースが大半ですが、道教の神様にはランクがあり、格付けによって神像の造形や信仰内容が変わります。関羽は格付けが曖昧で、玉皇大帝(ぎょくこうたいてい)という非常に高位の神様になったという説もあれば、比較的低位の神様であるという説もあり、廟ごとに扱いが違うこともしばしば。

 

関帝廟 関羽

 

高位の神様になると主に万能の神として祀られ、低位の神様の場合は商売繁盛や土地の守護神という祀られ方になることが多いです。中には天子の「冕冠(べんかん)」を戴いているものや「玉旨」という札のようなものを持っている関羽像もありますが、この場合は高位の玉皇大帝として祀られています。

 

民間伝承の三国志

 

家庭用の関羽像

関羽像を飾る現代人

 

台湾では置物サイズの関羽像が多く売られていて、特定のタイミングで人に贈ったりするのですが、昇進祈願やお子さんの学業成就を祈願する場合は巻物を持った関羽像を贈ります。

 

その際に巻物が開かれた状態のものは不吉とされていて、完全に巻かれた状態のものを送るのがマナーです。台湾語では「開かれた巻物」と「元手を失う」という単語の発音が似ているので、巻物が開いていると悪いことを招く考えられています。

 

赤兎馬に乗った関羽に出会う周倉

 

また、赤兎馬に乗り青龍偃月刀を横薙ぎに構えた関羽像は「成功する」と「商売繁盛」が一緒になっているので、新規事業を始めた人に送ると縁起が良いです。ただ、刀を家庭に持ち込むとケンカの元になるとも考えられるので、家に置く関羽像は刀ではなく巻物を持っているものにするのが良いでしょう。

 

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規格外の大きさを持つ関羽像

大きすぎる関羽像

 

関羽像はご本尊として廟の中に安置されるものが大半ですが、それとは別に屋外に巨大な関羽像を立てている廟も少なくありません。

 

金瓜石(きんかせき)という山間部にある勧済堂(かんさいどう)の銅像もその一つ。高さは10.5mの巨大な関羽像が鎮座していて、現地の守護神として祀られています。巨大な関羽像はこれだけではありません。

 

新竹の古奇峰普天宮(こきほうふてんぐう)、台中の南天宮(なんてんぐう)にはもっと大きなものがあり、前者は高さ36m、後者は44mにも達します。こちらは粘土などで作られた塑像(そぞう)呼ばれるもので、銅像とは違って鮮やかな色が着けられているのでひと目で関羽と認識できるでしょう。

 

他にも新竹にある代勧堂(だいかんどう)では2017年から関羽像の建設計画が進められていて、2022年始めに高さ24mの青銅製の像が完成予定です。お披露目が楽しみですね。

 

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TK

TK

KOEIの「三國無双2」をきっかけに三国志にハマる。
それを機に社会科(主に歴史)の成績が向上。 もっと中国史を知ろうと中国語を学ぶために留学するが 後になって現代語と古語が違うことに気づく。


好きな歴史人物:
関羽、斎藤一、アレクサンドロス大王、鄭成功など

何か一言:
最近は正史をもとに当時の文化背景など多角的な面から 考察するのが面白いなと思ってます。 そういった記事で皆様に楽しんでもらえたら幸いです。

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