商売の神様として有名な関羽ですが、商売の神様と聞くとお店を経営している人や会社経営をしているなど自ら事業を行っている人が対象なのかなというイメージがあります。
これは関羽の財神信仰の起源が各地で交易を行った商人と言われているためですが、現代において商人と言われてもあまりピンと来ません。そこで今回は商売の神様である関羽本来のご利益と実際にどういった職業の人たちが参拝するとベストなのかを紹介していきます。
この記事の目次
武財神と文財神
まず商売の神様である関羽のご利益を理解する上で重要となるのが「武財神」と「文財神」という言葉。中国では古くから道教が信仰されていますが、道教は神話の登場人物や実際の偉人などを神様として祀るという少し変わった側面を持っています。
関羽の商売の神様という考え方もそこから来ているのですが、俗に言う財神は関羽だけではなく他にもたくさん。それらを分類するカテゴリとして武財神と文財神があるのですが、これらは非常に単純で武財神は武官が、文財神は文官が財神となった存在という意味です。
関羽はもちろん武財神に相当するのですが、この2つのカテゴリはそれぞれご利益が異なります。
武財神のご利益
武財神は武官が元になっているというだけあり、外回りの営業や肉体労働など会社の外で行う仕事をする人にご利益があるとされています。
他にも農家や漁師、警察や軍関係の仕事、観光業に建築、少し変わったところではIT関連も武財神が適しているのだとか。
上記に該当する職業の人は関帝廟へ参拝をすると出世して給料が増えたり、事業を経営している人であれば収益が伸びる可能性があります。
関連記事:台湾には関帝廟が100個以上ある?台湾って三国志が人気なの?
関連記事:横浜関帝廟のご利益のでる参拝の仕方とは?パワースポットにも最適?
文財神のご利益
こちらは本題からは外れますが、一応紹介しておきます。文財神の場合はデスクワークが中心の職業の方はもちろん、士業やアーティスト、金融業、教師など資格を必要とする専門的な仕事をしている方におすすめです。
事業を行っている方でも店舗経営をされている場合は文財神を参拝しましょう。また、武財神と文財神をまとめて正財神と呼ぶのですが、サブ的なポジションで准財神(準財神とも)というカテゴリの神様もいて、こちらはギャンブルや投資をする人が参拝すると金運が上がるそうです。
主に土地神やヒンドゥー教の創造主ブラフマー、五代十国時代に後梁の丞相を務めた劉海蟾など道教においてはそれほど地位が高くない財神がこのカテゴリに属します。
関連記事:関帝廟ガイド~知っておきたい、正しい「基本」の参拝方法
関羽固有のご利益
武財神としてのご利益とは別に関羽独自のご利益も存在します。むしろこちらの方が種類豊富で、関羽のエピソードとも関係しているのでより効果があるはず。まず関羽はそろばんの開発者や簿記法を作ったとされているので、金融関係や税理、会計に関連する職種の方にご利益があります。ただ、これらはどちらかといえば試験の際に合格祈願を目的として参拝されることが多いです。
続いて最近ではあまり見なくなりましたが、豆腐屋や豆腐の製造に関わる業種。これは関羽が郷里で悪党を殺し、他県へと逃亡した際に豆腐を売って生計を立てていたという伝承から豆腐の守護神と考えられているためです。
他にも関羽の青龍偃月刀に関連するご利益として、美容師や屠殺業、刃物の専門店などが挙げられます。これらはすべて刃物が商売道具となるため、関羽を崇拝することで道具の切れ味が良くなり繁盛すると考えられたようです。また、上記に近いものだと関羽が若い頃に鉄を打つ仕事をしていたという伝承から鍛冶屋からも崇拝されていました。
関連記事:青龍偃月刀とはどんな武器?関羽愛用のイメージが強い青龍偃月刀
【次のページに続きます】