楊松は賄賂の神!お金で馬超もホウ徳も追い出した有能な売国奴を解説

2022年10月16日

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kawauso編集長(石原 昌光)

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kawauso編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者・おとぼけ(田畑 雄貴)

コンテンツ制作責任者

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月に「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感していただけることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。

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まだ漢王朝で消耗しているの? お金と札

 

三国志(さんごくし)の時代は、賄賂が横行していました。賄賂と言うとイメージとして、どうしても「この政治は腐っている!」みたいなイメージを抱かせますね。

 

十常侍(宦官)

 

とは言っても、三国志の時代、後漢末期の時代が特に政治腐敗していた、という訳ではありません。常々、どんな時代のどんな国でも、賄賂と言うのは暗部として存在していたと思われます。

 

そして今回はそんな賄賂と言えば、なお方、楊松(ようしょう)についてちょっとお話しましょう。

 

 

 

賄賂を受け取るのが生き甲斐の楊松

賄賂大好きな楊松

 

さて楊松は三国志演義(さんごくしえんぎ)を読んだ方ならば知らない人は殆どいないと思われます。余り出番がある訳でもないけれど、覚えている、という感じではないでしょうか。

 

と言うのもこの楊松、賄賂が大好きで主君も祖国もたぶん自らの魂もを賄賂で譲り渡した挙句、最期はその首を奪われて終幕、という爽快なエンディングを見せてくれるキャラクターなのです。はじ三アンケートでは「賄賂の擬人化」とまで言われた人、楊松。

 

ではこの楊松が三国志演義でどんな役回りをしているのか、見ていきましょうか。

 

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佞臣

 

 

架空の人物だが演義では張魯の配下です

五斗米道の教祖・張魯

 

楊松は三国志演義では、張魯(ちょうろ)の配下として出てきます。重要なことなので繰り返しますが、三国志演義の、張魯の配下です。

 

さてそもそも張魯は蜀(しょく)の劉璋(りゅうしょう)とは敵対関係にありましたが、劉璋は劉備(りゅうび)に蜀を取られそうになり、張魯に援軍を要請するという驚きの作戦を見せます。

 

蜀馬に乗って戦場を駆け抜ける馬超

 

という訳で張魯の元から派遣されてきたのが馬超(ばちょう)、ここで馬超と張飛(ちょうひ)の対決が始まります。

 

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劉備から賄賂をもらい馬超を張魯の下から追い出す

張飛の男気人生

 

馬超も、そして張飛も万夫不当(ばんぷふとう)の豪傑です。早々に決着など着くはずもなく、、かと言って、決着がついた時にはどちらかの英傑がこの乱世から姿を消すことになるでしょう。もちろん劉備軍としては張飛が失われるなどあってはならないことですが、しかしこのまま馬超を失うのは惜しい。

 

そこで出てくるのが「張魯に信頼されている楊松に賄賂を渡して馬超を離反させよう」作戦です。

 

馬超にいちゃもんをつける楊柏

 

賄賂が大好きなことを敵である劉備軍にすら知られていた楊松は嬉々として「このままだと馬超が蜀の地を奪っちゃいますよ!(意訳)」と言いだしたので、楊松を信じた張魯は馬超を疑うようになります。

 

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楊柏
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全訳三国志演義

 

 

 

楊松に追い出された馬超が劉備軍に入る

劉備軍に降伏する馬超

 

そこに一説では関羽(かんう)のとこと子供同士で縁談があったと言われる李恢(りかい)が馬超の元にやってきて、立場を失っていた馬超を説得、馬超は従弟の馬岱(ばたい)を連れて劉備の元に身を寄せることになりました。この後に判明することですが、この時に病気だったホウ徳(とく)は置いていかれたそうです。

 

馬超と別れるホウ徳

 

 

ともあれ張飛も馬超も失わず、馬超も馬岱も手に入れて、後々にどうせ敵対するであろう張魯の戦力も削いだ、正に見事なサポートをしたのが楊松ということです!

 

まあ欠点として楊松は張魯サイドなんですけども。

 

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曹操からの賄賂でホウ徳を降伏させる

ホウ徳

 

そして楊松渾身の活躍の場は、すぐに次がやってきます。曹操(そうそう)が漢中(かんちゅう)へとやってきたのです。ここで色々あってホウ徳が夏侯淵(かこうえん)、許(きょ)チョと見事な戦いを繰り広げるのを目の辺りにした曹操は

 

 

「何という名将だ、ぜひ我が軍に欲しい!きっと後々樊城(はんじょう)とかその辺で奮戦してくれる!!」

 

ということで名前が挙がったのがやはり張魯に信頼されているけど賄賂が大好きという楊松。ここで楊松はホウ徳のないことやないことを張魯に吹き込んだのでホウ徳は止む無く曹操に下り、更には内応して曹操軍を引き込むという売国奴になり下がります。

 

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パーフェクトだよ楊松さん

処刑を下す曹操

 

流石に最早これまでと思った張魯は曹操に降伏。この際に張魯は正史と同じく「これは国のものである」と宝物庫を焼かずに封印するに止めました。

 

この振る舞いを曹操は大変評価し、張魯たちは取り立てられることになります。そしてそこに国も主も味方も売った楊松がのこのこと報奨を求めてやってきました。

 

それを見た曹操は「おお楊松がおったぞ」と笑い顔を浮かべ「斬れ!」と主君を裏切った罪で処刑しました。全てを賄賂で売り渡した人物に相応しい、完璧な幕切れとなったのです。

 

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さあそんな楊松さんの優秀なポイントとは!

 

  • 馬超をマイナスポイント無く劉備に届けた(馬岱付き)
  • ホウ徳をマイナスポイント無く曹操に届けた
  • 主である張魯の晩節の汚点を一気に引き受ける
  • こいつを叩き切った曹操様ナイス!
  • 読者もこのオチには爽快!

 

と、実に漢中戦での色々な手柄を挙げている人物だと言えますね。それもそのはずと言うか、楊松は架空人物です。

 

ポイント解説をするセン様

 

ただし当時、また歴史上にこういった人物は多くいたと思われますし、楊松は物語中だけでなく、そう言った実際には「爽快なオチ」が付かなかった人物たちへの民衆たちの思いを体現させられたようなキャラクターだったのではないかと、筆者は思いました。

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

繰り返しますが、実際に正史に楊松という人はいません。ですが楊松は架空武将の中でも、実に上手く作り上げられたキャラクターだと思います。羅貫中(らかんちゅう)先生の巧みな筆さばきが煌めいた瞬間ですね。

 

また同時に当時、賄賂が横行していたとしても、それが決して「良いことである」という認識ではなかった、という一片も知ることができる、色々な想いの込められたキャラクターでもあると思いました。

 

センさんが三国志沼にドボン b

 

ちゃぽーん。

 

参考文献:三国志演義

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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