蜀キラー陸遜(りくそん)の用意周到な火攻めによって、
75万の大軍を率いた、劉備(りゅうび)の軍勢は一瞬で崩壊しました。
各地では、混乱した蜀軍に呉軍が容赦なく襲いかかり、
名だたる名将が戦死したという知らせが飛び交います。
失意の中、白帝城に逃げ込んだ劉備は、反対を押し切り軍を起した後悔の念と
関羽(かんう)や張飛(ちょうひ)の仇討ちが出来なかった悔しさから
病を発して63年の生涯を閉じようとしていました。
前回記事:115話:蜀キラー陸遜、火攻めで劉備を打ち破る!夷陵の戦い完結編
絶対絶命のピンチに趙雲見参
陸遜の軍勢に追いまくられ、死を覚悟した劉備でしたが、そこに
劉備の呉攻めに反対して左遷されていた趙雲(ちょううん)が駆けつけます。
こうして、劉備は間一髪の所で窮地を脱して白帝城に
逃げ戻る事が出来たのです。
自分の行いを後悔する劉備
しかし、白帝城に逃げ戻った劉備にもたらされたのは、
想像以上の蜀軍の大敗の情報でした。
名だたる武将や文官が戦死したり、捕虜になったり所在不明でした。
そして、万を超える将兵が戦死したと聴くに至り、
劉備は、この出兵が間違いだったと悟るに至ります。
「なんという事だ、、あれほど孔明や群臣が止めたものを押し切り
朕は、あたら多くの民の生命を死に追いやった・・
もう、恥ずかしくて、成都に帰る事は出来ぬ」
劉備は、こうして白帝城に留まりますが、
日に日に塞ぎこむようになり、ついに病を発しました。
劉備、死を悟り重臣を白帝城に呼ぶ
劉備の病は、重く、もうベッドから起きる事も出来なくなります。
死を悟った劉備は、今後の蜀の事を相談する為に、成都に使いを送り
孔明(こうめい)以下、主だった重臣を集めます。
「孔明、、朕はそなたを得て、ここまでになる事が出来た、、
それなのに、最期はお主の忠告を無視し、国を傾けた、、
本来なら、顔向けで来たものではないが、朕はもう長くない
どうか、朕亡き後の蜀の政治を頼む・・」
「何を弱気な事を言われます、漢の再興は道半ば、
まだまだ、帝には頑張って頂かなくてはなりません」
孔明はやせ細った劉備を激励しましたが劉備は力無く、
微笑みを返しただけでした。
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