藺相如(りんしょうじょ)とはどんな人?三大天の一人!趙の名宰相であり廉頗のかけがえのない親友(3/3)

2016年2月20日


 

藺相如(りんしょうじょ)

 

趙の外交の危機を二度も救った藺相如(りんしょうじょ)は恵文王から認められ、

ついに大臣となります。

藺相如の出世の速さを面白くなさそうに見ている武将が一人いました。

その名は廉頗(れんぱ)です。

彼は舌先三寸で出世した藺相如に怒りを覚えていました。

このような状況でどうやって藺相如と廉頗は大親友にまでなる事が出来たのでしょうか。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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異例の速さで大臣へ

 

藺相如は秦の高圧的な外交から趙を二度も救い出します。

恵文王は彼の胆力・知力・機転の利かせ方を認め大臣に任命します。

しかし一人の武将が彼の異例の出世を妬んでいました。

一人の武将とはいったい誰でしょう

 

 

 

はじめての三国志クイズ

三国志クイズ

 

さて何の前触れもなくやってくるはじさんクイズです。

藺相如を妬んだ武将とは一体誰でしょう。

 

1廉頗

 

2趙奢

 

3関羽

 

さぁお答えくださいませ。

 

正解発表です

 

答えは1の廉頗です。

 

最初に答えあるじゃんとのツッコミは受け付けません。

 

趙の三大天廉頗は藺相如が異例の速さで

大臣に出世したのが気にくわなかったのです

 

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藺相如をつけ狙う

 

廉頗は周囲の人たちに「俺は趙の将軍になってから、

数え切れないほど激戦を潜り抜け、いくつもの戦で武功を挙げて来た。

それに比べて藺相如は口先だけで王に取り入って

俺より上の位に居る事が気にくわん。

さらに言えば元は宦官の食客ではないか。そんな奴が俺に命令するのも気に入らない。

もし、奴を見つけたら叩き殺してやるわ。」と誰彼かまわず不満をぶちまけます。

藺相如は廉頗の言葉を聞き、彼を避けるため仕事は家で行い、

恵文王に会見する必要がある時は廉頗のいない日を狙って会いに行きます。

こうして廉頗を避け続ける生活をしていきます。

 

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食客が藺相如に激怒

 

藺相如はある日宮殿からの帰り道、前から廉頗が来るのを見かけると、

細道に入り家に帰ります。

藺相如の食客は廉頗を避け続ける彼に怒りを表し、

「私たちがあなたに仕えているのは、あなたが秦との交渉で見せた知力

・胆力に惚れているからです。しかし今のあなたは廉頗にビビッているようにしか見えません。

さらにあなたはこの行動を恥じる事無く、平然と過ごしている。

このような主人に仕えるのはまっぴらごめんだ。われらは今日をもってお暇させていただく」

と告げます。

藺相如は我慢して食客の言葉をジッと聞いていたが、

ついに堪忍袋の緒が切れる激しい言葉を発します。

 

呂布対項羽

 

食客に対して激怒

 

藺相如は食客に対して怒りをあらわにしながら「君らは秦王と廉頗将軍

どちらが恐ろしいのだ」と聞きます。

食客は「秦王です」と答えます。

藺相如は頷き「君らの言う恐ろしい秦王を群臣達の前で

私は叱りつけたのだ。その私が廉頗将軍を恐れる事があろうか。」と怒鳴りつけます。

さらに彼は言葉を続け

「現在中華最強と言われる秦が趙を攻めきれないのは、私と廉頗将軍が

居るからだ。もし私と廉頗将軍が争えば両方死ぬであろう。

われらが死ねば一番喜ぶのは秦ではないか。だから廉頗将軍がいくら

私の不満を言おうとも、彼と争う事はない。争えば国益に損害しか

出さず国家の益を生まぬゆえ、私は廉頗将軍を避けているのだ。」

と食客達に言い渡します。

食客達は彼の言葉に納得し、文句を言った事を謝罪します。

 

廉頗は藺相如に陳謝

 

藺相如と食客のやりとりは宮中でも話題になります。

廉頗は藺相如の話を聞くと、いばらの鞭をもって彼の家を訪れます。

そして廉頗は彼に会うなり、「藺相如殿。貴殿の悪口を言い立てた

事、誠に申し訳ない。この鞭であなたの気が住むまで、鞭打って頂きたい。」と許しを請います。

しかし藺相如は怒るどころか、何も言わずに彼を許します。

 

刎頸の交わり

 

廉頗は藺相如の寛大な心に感動し「私は貴殿の為ならば、喜んでこの首

差し出しましょう。」と彼に誓います。

藺相如は「私もあなた様の為にこの首捧げましょう」と首を叩きながら

廉頗に誓います。

二人の出来事は「刎頸の交わり」として現在にまで使われる

言葉になります。

 

三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

藺相如と廉頗は「刎頸交わり」の跡、侵攻を深めます。

藺相如と廉頗が健在な間、秦は趙に侵攻しませんでした。

しかし、キングダムでも出てきた長平の戦いの時に彼は亡くなります。

趙王は兵数が圧倒的に優位に立っているのにも関わらず、

長平で積極的に攻撃をしない廉頗に落胆し、

三大天の一人である趙奢の息子で名声の高い趙括へ

総大将を変えようとします。

藺相如は王の側近からこの話を聞くと

病の身でありながら無理して趙王に会い

「王よ。趙括は名声こそ高いですが、実戦経験はほとんどありません。

このような者に大事な戦いを任せるのは良くありません。

このまま廉頗を総大将にして戦わせるのが一番いい選択です」と

命がけの諫言をします。

しかし趙王は彼の諫言を受け入れず、総大将を廉頗から趙括へ変更します。

この事を知った秦は名将白起を起用。

その後趙軍総大将趙括を始め40万人以上の死傷者を出す

壊滅的な損害を出し、敗北します。

藺相如の意見を聞き入れるか、聞き入れないかが、歴史の分岐点でありました。

この時廉頗を総大将のままにしていれば秦の天下統一は当分来なかったでしょう。

「今回のお話はこれでおしまいにゃ。次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう

それじゃまたにゃ~」

 

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