三国時代は魏(ぎ)・蜀(ご)・呉(しょく)がしのぎを削った時代です。
この時代は敵の国に勝つため、戦いで役に立つ物や日常生活に役立つ物など
様々な物が発明されたり、研究されたりしておりました。
曹操(そうそう)も色々なものを作ったり、研究した一人です。
今回は彼が研究したものや作ったものをピックアップしてみました。
献帝に「九醞春酒法」を上奏
曹操は戦においてめっぽう強かったですが、
それ以外にも彼は色々な物を後世に残してくれました。
彼のおかげで後世に残った物として有名な物に
「九醞春酒法(きゅううんしゅんしゅほう)」があります。
これはどのような法なのでしょうか。
現在の日本の酒造法の先駆け!?
この「九醞春酒法」を開発したのは県令であった郭芝(かくし)という人物です。
曹操はこの郭芝が行っていた九醞春酒法で作った酒と製造方法を献帝に献上しています。
曹操が上奏した九醞春酒法を私なりに訳してみます。
九醞春酒法は「麹30斤と水5石を使って12月に麹を清めて解凍。
その後きれいに酒カスをとり、3日に一度発酵させ、
9回ほど発酵させれば美味しいお酒ができますゆえ、陛下も試してみてください。
また9回発酵させても苦くて飲めない場合は、
もう一度だけ発酵させると甘くて飲みやすくなります。」とざっくり訳してみました。
この郭芝が作った「九醞春酒法」は、
現在の日本酒の酒造法である「段仕込み」の原型になっているそうです。
皆さん日本酒を飲む機会がありましたら、曹操のことを思い出してみてください。
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孫子の兵法書を編纂
曹操は三国志の君主の中でも一番といっていいほどに戦上手です。
彼は戦や政治の多忙な中、時間を見つけて孫子の研究を行っておりました。
彼は「官渡の戦い」に勝利した後から孫子の編集を手掛け、
赤壁の戦いが始まる直前に完成します。
この曹操編纂の孫子の名を「魏武帝註孫子(ぎぶていちゅうそんし)」といい、
今日皆さんが読んだことがあり普及されている孫子は、実は曹操が書いたものです。
なぜ曹操は孫子の編集をしたのか
曹操はなぜ孫子の編集を行ったのでしょうか。
それは魏の領土が広大になったことが原因として挙げられます。
曹操は官渡の戦いに勝利したことで領有することとなった領地は、
兗・予・徐・司・幷・冀・青・幽・雍の九つの州を領地としておりました。
曹操が各地の現場や細かい政治の判断をいちいち指示するには、
時間と手間がかかります。
そのため彼は各地に駐屯している現場の将軍達や高級幹部が、
自己判断できるように教育することを目的として孫子に註をつけて編纂し、
教科書として配布します。
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文学史に名を残した英雄
曹操は文学史にも名を残しております。
彼は軍事や政治に多忙な中文学に勤しみ、
詩の上手い配下や自分の息子である曹丕や曹植らと共に建安文学を立ち上げます。
また彼の詩は「文選」と呼ばれる詩を集めた本に記載されております。
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宝剣も製造する
曹操は五振りの宝剣を作ります。
この宝剣の名を「百辟刀(ひゃくへきとう)」といい、
何回も繰り返し鉄を叩き上げた宝剣で、
この宝剣を作るために三年もの時間をかけて完成。
刀の文様に凝っており龍・虎・熊・鳥・雀の五種類が刻まれております。
曹操は宝剣が完成すると、曹丕には龍の宝剣。曹植には虎の宝剣。
曹熊(そうゆう)には熊の宝剣をそれぞれ与えます。
残りの二振りは曹操自ら持つことになります。
曹植は曹操から宝剣をもらった事がかなり嬉しかったらしく、
「寶刀賦(ほうとうふ)」と呼ばれる詩を作っております。
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三国志ライター黒田廉の独り言
曹操は軍事や政治でも後世に残る素晴らしい実績を残しております。
しかしそれ以外にも興味を持ったものは徹底的に掘り下げていき、
自らの探求欲を満足させています。
また彼は囲碁も得意で、
囲碁の名人と戦っても引けを取らないほどの腕前であったそうです。
これで背が高ければ、完璧でしたね。
「今回の三国志のお話はこれでおしまいにゃ。
次回もまたはじさんでお会いしましょう。
それじゃまたにゃ~」
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