関羽が祀られている関帝廟が世界各地に点在しているのは皆さんご存知の通りです。しかし、お隣りにある台湾には関帝廟が100個以上あることをご存知でしょうか?
正確には「関帝廟」ではないのですが、関羽を祀っている寺廟は小さいものも含めると100箇所を軽く超えます。なぜあまり知られていないのかというと、関帝廟という名称ではないことや地元の人たちだけでひっそりと信仰している場所が多いからです。
そこで今回は台湾各地にある関帝廟や関羽以外に祀られている神様、そして台湾における三国志人気について触れていきたいと思います。
この記事の目次
観光地としても有名な「行天宮」
関羽ファンであってもなくても台北に訪れたことがある人であれば高い確率で訪れているのが行天宮。ここは市内にある松山空港からも非常に近く、また地下鉄などでも移動が可能なので、参拝に訪れる観光客が多いです。
祀られているのは五聖恩主と呼ばれる人たちで、もちろん主神は関羽。
他にも南宋時代に活躍した岳飛も祀られているので、中国史が好きな人なら楽しめる場所になっています。ちなみにお願いごとはジャンルを問わずなんでもOKです。
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巨大な関羽像がある「勧済堂」
台北の観光ツアーに参加するとほぼ確実に訪れるのが有名な九份。そこから歩いていける距離に勧済堂という寺院があるのですが、ここも関羽を主神として祀っている他、さらに遠くからでも目視できるほど大きな関羽の銅像があります。
この銅像は1991年に建てられたもので高さ10.5m、重さは25トンにもなり、東南アジア最大級の純正な銅像としても有名です。建物や銅像があるのは山の上ですが、麓の海岸部では漁業が盛んであったため、道教における漁業と航海の神様である媽祖も一緒に祀られています。
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アクセスが悪い「桃園威天宮」
桃園威天宮は、国際空港として台湾の窓口となっている桃園国際空港から台北市内へと入る中間あたりに位置しています。ただ、山の中にあるため公共の交通機関では移動が難しく、車での移動が必須。
そんな辺鄙な場所にある威天宮では、関羽以外にも諸葛亮が祀られていたり、観世音菩薩や横たわる釈迦像など仏教の要素も混じっている面白い場所です。こちらは青銅で作られた大きな銅像が多数あるので、それらを見て回るだけでも足を運ぶ価値があります。
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大関公廟の異名を持つ「古奇峰普天宮」
台湾北西部に位置する新竹市には、道教の神様を多々祀っている古奇峰普天宮があります。こちらは120尺(36m)に達する超巨大、且つカラフルな関羽像が建っているのが特徴。
関羽だけでなく恋愛の神様と言われる月老星君や、子宝を司る註生娘娘なども祀られているので、恋愛や結婚、出産祈願を目的とした参拝客が多い場所です。また、ここでは種類豊富な関羽グッズが販売されているので、参拝した記念に購入してみてはいかがでしょうか。
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趙雲も祀られている「明徳宮天聖堂」
台中にある明徳宮天聖堂では、関羽、関平、周倉、諸葛亮の他にかなりレアな趙雲が祀られています。
長坂において阿斗を抱えて敵陣を駆けぬけた豪胆さや、忠義に厚いことから死後に神様としての地位を獲得したようです。
中は広々としてて三国志関連以外にも様々な神様が祀られています。場所は駅から多少離れてはいますが、アクセスもそれほど悪くはないので、台中観光のついでに訪れてみてはいかがでしょうか。
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