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この記事の目次
伝統的な建築様式で作られた「鹿港鎮文武廟」
台中よりさらに南へ行くと彰化という場所があり、その郊外には県の三級古蹟に指定されている鹿港鎮文武廟があります。建立は1806年と古く、最初は文昌帝君を祀る文祠があるだけでしたが、その5年後に関羽を祀る武廟が建てられ文武廟という形式になりました。
また、漢民族の伝統的な建築様式である三合院で作られているのが大きな特徴。その建築美だけでも一見の価値があります。
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劉関張が揃っている「嘉邑鎮天宮」
田舎町の嘉義という場所には屋根の上に劉備、関羽、張飛の像が立ち並ぶ嘉邑鎮天宮があります。主殿で祀られているのはいつメンの関羽、関平、周倉ですが、面白いのは劉備と張飛の像があるだけでなく、主殿の隣に赤兎馬を祀っている場所があることです。
関帝廟は数多くありますが、赤兎馬まで祀る場所は多くありませんし、ここでは赤兎馬の像も立っているので、筆者のような赤兎馬ファンには特におすすめの場所となります。
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国家指定の一級古蹟「祀典武廟」
台南は台湾の古都であり、歴史的な建築物も数多く残っている場所で、祀典武廟もその一つ。建立されたのは1665年頃という記録があり、現在では国の一級古蹟に指定されています。
こちらも関羽だけでなく恋愛を司る月老が祀られているので、結婚祈願や恋愛成就を目的として訪れる人も少なくありません。台南の観光名所である赤崁樓にも非常に近いので、観光のついでに足を運べるお得なスポットと言えるでしょう。
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台湾における三国志人気
台湾は近代になって福建省など中国南部から流れてきた移民が多くいます。関帝廟をはじめ台湾における中国文化は、そうした移民が進む中で持ち込まれたものが大多数です。
また、現在の台湾人は原住民の家系を除けば、移民をしてきた人たちの末裔が多く、彼らは漢民族としての価値観や誇りを持っています。そうした人たちにとって三国志は他国の歴史ではなく自分たちの祖先の歴史です。
関羽人気の高さは中国と同じですが、中には責任者の意向で劉備や張飛を祀る場所もありますし、儒教的な考えから尽忠報国に徹した諸葛亮や趙雲を神様とする場所もあります。近代では日本と同じように二次創作物が増えた関係で、それまで以上にコアなファンが増えています。
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三国志ライターTKのひとりごと
筆者が初めて行ったのは大阪の関帝廟です。修学旅行の際にこっそり個人行動をして、地図とにらめっこしながらやっとの思いでたどり着きました。そこから時を経て台湾の行天宮を訪れるのですが、駅から近いので迷いませんし、街中にある小さな寺廟にさえ関羽が祀られているのであまり感動もありません。
ただ、中には趙雲や赤兎馬など他とは違う対象を祀っている場所もあるので、台湾にある関帝廟を訪れる際は事前に調べてから訪問すると楽しみも増えるのではないでしょうか。
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