この畜生野郎!未亡人樊氏を趙雲に勧めてブン殴られた趙範が気の毒すぎない?

2022年8月20日


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二刀流の劉備

 

劉備(りゅうび)荊州(けいしゅう)侵攻は、三国志演義(さんごくしえんぎ)でも中々ワクワクしたシーンですね。しかし劉備たちの行く手を阻むのが荊州四天王と呼ばれる(※呼ばれていません)武将たち。

 

三国志演義_書類

 

そしてその一人こそが、三国志演義で色々な意味で有名になってしまった趙範(ちょうはん)。そのエピソードは趙雲(ちょううん)とのものですが、今回はこの趙範と趙雲、そして問題となった樊氏(はんし)のお話をしましょうか。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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被害者は荊州四天王(仮)趙範

 

さて荊州四天王とは韓玄(かんげん)金旋(きんせん)劉度(りゅうど)・趙範の四名のこと。彼らは別に武勇と知略を駆使して荊州の覇者となった訳ではなく、荊州を治めている、あくまで漢王朝(かんおうちょう)の臣下です。

 

劉表

 

経緯は不明ですが、おそらく劉表(りゅうひょう)勢力が弱まったために半分自治体のような状態になってしまったのではないでしょうか。

 

魏延

 

そこに劉備がやってきた感じですね。ゲームだと速攻で韓玄滅ぼして黄忠(こうちゅう)魏延(ぎえん)を回収する所ではないでしょうか。

 

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嫂の樊氏を趙雲に勧める趙範

正史三国志_書類

 

ではまず正史の方からご紹介を。劉備の侵攻に対して、最初こそ対抗するも、結局趙範は劉備に降伏することになります。

 

この時、趙範に代わって桂陽郡(けいようぐん)の太守に赴任したのが趙雲です。趙範は赴任してきた趙雲に取り入ろうとしました。そこで出てくるのが樊氏です。樊氏は亡き趙範の兄の妻であり、未亡人でした。ついでに言うととても美人さんでした。

 

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縁談を毅然と断る趙雲

 

つまり美人な兄嫁を宛がって、趙雲に取り入ろうとしたのですね。しかしそこは我らが高潔さで知られた趙子龍(ちょうしりゅう)。「趙範殿も私も、同じ趙性です。つまり趙範殿の兄上は私の兄も同じであり、兄嫁を娶ることなど仁義に反します」と、毅然とこれを断りました。

 

後々、樊氏は美人だから娶ったら?と勧められた趙雲ですが、「趙範は追い詰められて降伏しただけであり、信用ならない人物」「天下に女性は少なくない」と、趙雲は態度を変えず、趙範は後に曹操(そうそう)の元に逃亡したと言います。

 

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趙雲

 

 

三国志演義では樊氏が大乗り気

三国志を語るセンさん

 

そしてこのお話が、三国志演義ではより脚色されることになります。おそらくこのおかげで趙範は記憶に残りやすい……悪い意味で、となったことでしょう。さて劉備に降伏するまでは同じですが、ここで趙範と趙雲の関係がちょっと変わります。

 

実は趙範は趙雲と同郷、桃園(とうえん)……ではなく、遠縁の関係。そして樊氏は兼ねてより「亡き夫と同じ趙性の、天下に名高い人物」に嫁ぎたいと言っていました。そこにやってきたのが趙雲です。

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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