71話:黄祖に邪険にされ、甘寧は孫権に寝返る

2015年4月20日


孫権 冠

 

甘寧(かんねい)が呉に投降してきたと聞いて、

孫権(そんけん)は当初、わけがわかりませんでした。

どうして、呉を破った功労者である甘寧が自分達に投降してきたのか、、

 

しかし、これは千載一遇のチャンスではあります。

何しろ、黄祖(こうそ)軍、最大の強敵が自分達に降伏したのです。

孫権は、取るものも取りあえず、甘寧に引見しました。

 

甘寧:「黄祖は、ケチで猜疑心が強く、私を嫌っております、、

この間の戦いでも、あなたがた呉軍を退けて窮地を救ってやったのに

黄祖は、何の恩賞も与えぬばかりか、ますます警戒してきました。

このような狭量の男にはほとほと愛想が尽きたのです。」

 

前回記事:70話:孫権、父(孫堅)の弔い合戦を始めるよ。黄祖討伐編

 



監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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甘寧は孫権に敵陣の情報を伝える

甘寧 裏切る ゆるキャラ

 

甘寧は、孫権が自ら、引見してきたのに気を良くして、

黄祖の性格から、陣営の様子、人民にどう思われているかまで、

すっかり孫権に喋ってしまいます。

 

孫権:「甘将軍、私は、是が非でも黄祖を討伐し、我が父の仇を討ちたい

黄祖を倒すよい方法はないか?」

 

孫権が尋ねると、甘寧は、、

 

甘寧:「ただ、仇討ちのみならず、荊州を抑える事は天下を獲るのに必要不可欠です

幸いにして、黄祖は徳薄く、猜疑心が強いので名だたる武将は、

誅殺を恐れて、彼の下を離れ、残るは小物ばかりです。

また軍規も乱れ、兵は暴虐、それに住民から重税を取っているので、

全く人気もありません。

私に先陣を任せて頂ければ、造作もなく黄祖の首を取ってみせます。」

 

周瑜を総大将、甘寧を副将で再出陣

影の薄い孫権

 

そのように堂々と答えたので、孫権は喜び、周瑜(しゅうゆ)を

総大将として、甘寧を副将につけて、黄祖を攻撃させました。

 

黄祖の水軍は長江に大軍を浮かべて、進んできますが、

海賊出身の甘寧は、水戦はお手のものでした。

直ぐに、自分の艦を黄祖軍の旗艦に突撃させていきます。

 

大混乱に陥った黄祖の水軍に呂蒙が火を放ち、

黄祖の船団は、火に包まれて壊滅してしまいます。

 

黄祖は、上陸した呉軍に攻められ、江夏城を守り切れず、

たった一人脱出しますが、呉軍の騎兵、馮則(ふうそく)という人物に

首を斬られて死亡しました。

※三国志演義では、甘寧に斬られたとされている。

 

孫権が自尊心が強い甘寧へ取った対応は?

孫呉(孫権黄蓋陸孫周瑜周泰) 

 

孫権は、周瑜、呂蒙(りょもう)の進言を受けて、

甘寧を新任の武将としては扱わず、譜代の家臣として扱いました。

 

自負心の強い甘寧は、この扱いに満足して、その後も孫権に忠誠を尽くし

魏の張遼に匹敵する、呉の甘寧として天下に名前を轟かします。

 

耳で聞いて覚える三国志

 

 

次回記事:72話:劉琦の恩返し、劉備江夏城へ入る

 

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どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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