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83話:劉備は荊州四郡をゲット!怒涛の快進撃

2015年5月16日


劉備 ゆるキャラ

 

周瑜を曹仁にけしかけて、魏と呉が激闘している最中に、

ちゃっかり、荊州、南郡、襄陽を手に入れた劉備は、

過去最大の領地を手にしていました。

 

そこで、広くなった領地をどうするかと孔明と思案していた所、

伊籍がやってきて、このように助言しました。

 

「ここは、賢人の誉れ高い馬良殿を招聘して、

今後の方針を聞いてみてはいかがでしょうや?」

 

劉備は、それは良い案だと考えて、馬良を呼んで意見を聞く事にします。

 

前回記事:82話:呉の提督、周瑜は荊州争奪戦に散る

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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白眉の馬良に相談してみる

馬良(眉白)

 

「荊州は、劉表様が長く治めていた土地ですから、

ここは、御子息で孝行の誉れ高い劉琦殿に太守になって頂きましょう。

そうして民心を安定させ、その後に零陵、桂陽、長沙、武陵の四郡を

攻め落とすのが得策と思います」

 

馬良の助言に従い、劉備は劉琦を立てて民心を安定させ、

先鋒張飛、後陣を趙雲として零陵攻略に向かいます。

 

第一ラウンド 零陵攻略戦

孔明 軍師

 

零陵を守るのは劉度という太守で、大将は邢道栄でした。

演義では、邢道栄は「万夫不当の荒武者」という肩書なんですが、、

実際には中途半端なだけの武将で、孔明に舌戦を挑んで言い負かされると

逆上して襲いかかり、ここで張飛と数回打ち合います。

 

しかし、張飛の武勇にとても敵わないと見た刑道栄は逃亡。

でも、行く手を趙雲に止められあっさりと降伏してしまいます。

 

どこが万夫不当の荒武者なんだか、、

 

邢道栄は、劉備に積極的に近づき、

「自分を劉度の所に戻して欲しい、きっと説得して開城させてみせる」

と提案、劉備もこれを許して邢道栄を釈放します。

 

しかし、邢道栄は、降伏するつもりはなく、劉度の息子の劉賢に対して

劉備は油断しているから伏兵を置いて撃退すべきと主張します。

 

劉賢もこれを承知したのですが、悪い事に計略は全て見抜かれていました。

劉備軍は、伏兵の周囲を更に伏兵して包囲しており、

劉賢と劉度はあっさり降伏、邢道栄も趙雲に一撃で真っ二つにされます。

 

太守劉度と息子の劉賢は、計略は全て邢道栄の独断だったと主張し

孔明に命乞いをして許され、劉度はそのまま零陵太守として勤務します。

 

第二ラウンド 桂陽攻略戦

趙雲 子龍

 

桂陽の太守、趙範は、あっという間に万夫不当の荒武者(笑)邢道栄を

討ち取った劉備軍の勢いを恐れて降伏を提案します。

 

 

しかし、血の気の多い陳応と鮑隆が抗戦を主張したので、

一応、出撃を許可します。

 

 

劉備は趙雲を先鋒にして、陳応と鮑隆をあっさりと撃破し、

二人は捕虜になります。

 

 

慌てたのは趙範です、、

「だから言わん事ではない、、ワシは戦うのは嫌だったのだ!

何とかして、趙雲将軍の機嫌を取らねば」

 

 

そこで、趙範は、兄の未亡人の樊氏を趙雲に娶らせようとします。

何とか、趙雲と血縁を結んで身の安泰をはかろうとしたのです。

 

 

ところが、趙雲は、命惜しさに兄嫁を嫁がせようとする趙範に激怒し、

これを袋叩きにしてしまいます。

 

 

これを恨んだ趙範は、陳応と鮑隆を偽装降伏させて、

趙雲を討とうとしますが二人は敢え無く返り討ちにあいました。

 

ここに至って、趙範は完全に敗北して桂陽は落ちます。

 

第三ラウンド 武陵攻略戦

長坂の戦い 張飛

 

武陵攻略の先鋒に立ったのは、趙雲に手柄を取られて、

イライラしていた張飛でした。

 

武陵の太守、金旋は武勇に自信があり、これを迎え撃とうとしますが、

配下の鞏志がこれを強く止めます。

 

 

「敵将、張飛は無敵の豪傑です、一方、武陵の将兵は

戦に慣れておらず、勝負は明らかです。

ここは、降伏し無益な血を流すのを回避すべきです」

 

 

しかし、金旋は、鞏志を臆病者と罵り、城を打って出ます。

 

が、やはりというか、何というか、、

 

金旋ごときでは張飛には、全く歯が立ちませんでした。

 

金旋は退却して武陵城に戻ってきますが、門は閉じています。

 

 

「おい、鞏志!城門を開かんか!!」

 

金旋が馬上から怒鳴ると、鞏志は弓矢を持って、

 

門の上から顔を出しました。

 

「貴様は、私があれだけ忠告したにも関わらず、

無駄な戦を仕掛け多くの兵士を殺し、民を虐げた、、

貴様に太守の資格などない、ここで死ね」

 

 

鞏志が合図を出すと、城門から無数の矢が降ってきて

金旋は、矢に当って死亡します。

 

 

鞏志は、張飛がやってくると、即座に城門を開いて

城内に迎えいれました。

 

第四ラウンド 長沙攻略戦

黄忠

 

ここでは、荊州で留守を守っていた関羽が張飛に

代わり出陣しました。

 

長沙の太守は韓玄といい、猜疑心の強い小物ですが、

ここには、大変な名将が存在しました。

 

 

それが、黄忠漢升で、老人ながら弓の名人として知られていました。

 

孔明は、関羽に黄忠に注意するように言いますが、関羽は、

 

「何、500も手勢があれば充分ですよ」と僅かな手勢で

長沙城に襲い掛かりました。

 

 

関羽:「我が名は関羽雲長なり、その方が黄忠か!」

 

黄忠:「いかにも、黄忠なり、いざ、相手つかまつらん!」

 

 

黄忠は、老体に鞭を打ち、関羽の前に踊り出ますが、

これが強い強い、侮っていた関羽は、中々、黄忠を斬る事が出来ませんでした。

 

 

ところが、数十回も打ち合った頃に、

黄忠の馬が前足を折り転倒してしまったのです。

 

「しまった、黄忠が討たれる!」

韓玄は、城から息を呑んで眺めていましたが、

関羽は、刀を納めてしまいます。

 

 

「黄忠殿、馬を換えて来られよ、、それから改めて勝負いたそう」

関羽は、そう言って、自陣に引きかえしてしまいました。

 

城に戻った黄忠は、太守の韓玄に責められます。

 

 

「黄忠、貴様には、百発百中の弓の腕があろう

どうして、関羽を弓で射殺さぬ、次は必ず弓で射よ!」

 

黄忠は関羽に対して公平な勝負をしてくれたと絶賛

関羽神様

 

黄忠は承知しましたが、内心では公平な勝負をしてくれた

関羽に恩義を感じて弓の使用を躊躇っていました。

 

 

翌日、黄忠は馬を換えて、関羽と再戦します。

何度か打ち合った後で黄忠は後ろを見せて、敗走するフリをします。

 

関羽も、その後を追いかけると、黄忠は馬上で向き直り、

関羽に向かって矢を放ちました。

 

 

矢は関羽の兜の緒に命中し、流石の関羽もゾッとして、

それ以上黄忠を追えませんでした。

 

黄忠は、自分が弓の技量を持っている事を関羽に知らせる為に

 

わざと兜の緒を狙って矢を放ったのです。

 

しかし、城内に帰った黄忠を待っていたのは、

激怒した韓玄でした。

 

 

「黄忠、貴様、本当は関羽と通じておったな、、

この老いぼれめが、こやつの首を刎ねよ!」

 

魏延(ぎえん)が主の韓玄を裏切る

魏延

 

魏延「黙れ韓玄!貴様は黄忠殿が、これまでどれほどに、

長沙城を守る為に活躍してきたか分かるか!

それを殺そうとは貴様こそが奸賊だ!!」

 

 

黄忠の首を刎ねようとする兵士を制したのが、

同僚の魏延でした。

 

「何だと、聞き捨てならん、魏延!!

貴様も同罪だぞ!ものども、こいつを、、!」

 

 

韓玄が顔を真っ赤にして怒鳴ると、魏延は、

刀を一閃して、韓玄を斬りました。

 

 

魏延:「我々は、劉備軍に降伏する!文句があるやつは前に出ろ!!」

 

 

魏延が凄むと、兵士達は武器を投げ捨てて

跪き、これに従いました。

 

 

黄忠と魏延は、韓玄の首を持って関羽に降伏します。

この長沙の将、黄忠は、蜀の五虎将軍の一人として、

その後も長く活躍を続ける事になります。

 

 

かくして、劉備は、桂陽、長沙、零陵、武陵の四郡を制圧して、

いよいよ、劉璋が支配する蜀へと進んでいくのです。

 

耳で聞いて覚える三国志

次回記事:84話:龐統登場と同時に左遷(笑)

 

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どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

-全訳三国志演義
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